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死ぬのが怖いので、不人気の回復職を選びました。  作者: s-rush


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第032話 極振りヒーラー、イベントに向けての準備

この1週間で急に伸びててびっくりしてます(笑)

瞬間風速とはいえ、まさか日間ランキング2位に入ることになるとは・・・

感想、誤字連絡していただいた方、本当にありがとうございますm(_ _)m

数日後。

ステラとヒマワリがいつものようにハネリ村の広場でログインすると――

空中に巨大なホログラムが浮かんでいた。

『《第2回イベント開催決定!》

 《探索型サバイバル:秘境アヴァロンの踏破》』


鮮やかな緑色の文字が浮かび、イベントの詳細が次々と表示されていく。


『開催日時:1週間後

 イベントフィールド:

 ・専用フィールド「アヴァロンの秘境」

  森、山脈、海岸、古代遺跡など、多様な地形が存在する広大なエリアです。

 

 イベント内容:

 ・ゲーム内時間で1週間(リアル時間2時間)の探索イベント

 ・広大なフィールド内に隠された装備や貴重なアイテムを探し出せ!

 ・特定アイテム《古の宝石》を10個集めると、イベント終了後に特別な装備やスキルと交換可能!

 

【重要】PKプレイヤーキルに関するルール

 ・イベントフィールド内ではPKが可能です。

 ・PKで相手を倒した場合、相手が所持している《古の宝石》を全て奪うことができます。

 ・※PKされても《古の宝石》以外の、元々所持していた装備やアイテムは奪われません。

 

 さあ、冒険者たちよ――宝を手にするのは誰だ!』


「おおっ……!探索イベント!」

ヒマワリが目を輝かせた。


「PKで奪い合いって……ちょっと怖いね」

ステラは少し不安そうに呟く。


「まあ、装備とかは奪われないみたいだし、大丈夫じゃない?それに前回のイベントで相手をぶっ飛ばしまくってた人が何を言ってんだか」

「そ、そうだけど……」


ヒマワリは腕を組み、イベントのルールを冷静に分析する。

「それより、準備期間が1週間かぁ。イベントに向けて役立つスキルを揃える時間はあるね」

「私は一人で不死鳥倒したときに新しくスキルを手に入れたし、イベントが始まるまでもう少しレベル上げしておこうかな」

「不死鳥……そういえば、あの日何があったのか詳しく聞いてないんだけど」

ヒマワリは怪訝な顔でステラを見た。


ステラは目を泳がせながら、恥ずかしそうに口を開いた。

「え、えっと……その……鳥に乗ったら落ちちゃって……」


鳥のモンスターに乗ったら空を飛べないかと挑戦してみたこと。

思惑通り空を飛べたけど、降りる手段がなくてそのまま落ちてしまったこと。

落ちた先が不死鳥の巣だったこと。

あの日に起きた出来事を、ヒマワリに隠さず全て説明した。


「……やっぱり変なことしてたんじゃん」

ヒマワリは呆れたようにジト目でステラを見つめた。その行動力には感心するが、危なっかしすぎる。


「……あ、そうだ、不死鳥を倒した時にドロップ品があったんだ」

ステラはふとインベントリを開いた。

「ヒマワリちゃん、これ……食べる?」

取り出したのは、香ばしい匂いがする焼き鳥の串――《焼き鳥:不死鳥》。


「……え?これ、あの不死鳥の肉なの?」

「うん。ドロップしたお肉を、その場で焼いてみたんだけど……」

「……いや、遠慮しとくよ。さすがにモンスターのお肉を食べるのはちょっと……」

ヒマワリは即答で断った。


「そっかぁ……」

ステラは少ししょんぼりしたが、すぐに「じゃあ!」と言って自分で焼き鳥を一口齧った。

「……んっ、美味しい!」

顔がぱっと明るくなる。


「え、食べるの!? 躊躇しないの!?」

「だ、だって美味しいんだもん……!それに、不死鳥のお肉なんて、他に手に入らない貴重品だよ!」

ステラは幸せそうに焼き鳥を頬張る。ヒマワリは、そのマイペースさに思わず頭を抱えた。


「とりあえず、今日からイベントに向けて準備開始だね!」

ヒマワリは気持ちを切り替え、改めてステラに問いかける。

「探索イベントでPKもあるなら、私はまず移動力と遠距離攻撃手段を確保したい。ステラはどうする?」

「私は今のスキルをしっかり使えるように、操作の練習とレベル上げを続けるよ!」

「了解。じゃあ、また7日後に合流しよう」


二人は拳を合わせ、それぞれの目的地へと向かった。




――1日目:探索特化スキルの習得

ヒマワリは、ハネリ村の冒険者掲示板へと向かった。


「《秘境アヴァロンの踏破》の探索に特化するなら、まずは移動スキルだ。広大なフィールドを効率よく移動して、PKから逃げるのにも使える」

掲示板には、現在判明している様々なスキルの習得条件が書き込まれている。

無論、レアスキルについての書き込みは見当たらないが……


『《跳躍》

習得条件:AGI50以上で、高所到達イベントをクリアする

効果:ジャンプ力が大幅に上昇する』

「お、これだ!山脈や遺跡での探索、高い場所から地形を見下ろすのに便利そう!」


『《加速》

習得条件:AGI50以上で、緊急配達イベントをクリアする

効果:移動速度が一時的に上昇する』

「これも必須!広域探索で逃走・追跡の両方で役に立つ!」


目的を定めたヒマワリは、早速草原へと向かった。




草原を歩いていると、崖の上に光る宝箱が見えた。

「あれ……あんなところに宝箱?」

近づくと、システムメッセージが表示される。

《イベント:高所への挑戦》

崖の上にある宝箱を手に入れよ


「よし、これだ!」

ヒマワリは崖を見上げる。AGIは既に50を超えており、身体能力は十分。


ヒマワリは一歩一歩、剣道で鍛えた体幹とバランス感覚をフル活用し、慎重に足場を確認しながら登っていく。足を滑らせそうになる瞬間も、素早く重心を移動させて体勢を立て直す。


「はぁ……はぁ……もう一歩……!」

息を切らしながらも、足を止めない。

やがて、崖の頂上にたどり着き、中央に置かれた古びた宝箱を開けた。中には一つの巻物が入っている。

ヒマワリは巻物を広げると、光の文字がふわりと浮かびあがり、体へと吸い込まれた。


スキル《跳躍》を習得しました!


「やった!次は《加速》!」




ヒマワリは再び草原を探索し、道端に倒れている商人NPCを見つけた。


「た、助けてください……!この荷物を、急いで村まで届けてほしいんです……!」

システムメッセージが表示される。


《イベント:緊急配達》

制限時間内に荷物を村まで届けよ

残り時間:10分


「10分!?了解です!」

ヒマワリは荷物を受け取り、全力で駆け出した。


道中、次々とモンスターが現れ、ヒマワリの行く手を阻む。


《フラワー・ウルフ》が飛びかかってくる。

「邪魔しないで!」

ヒマワリは剣を抜かず、半身をずらして紙一重で回避。


次に《スカイ・ラビット》が突進してくる。

「くっ……!」

体を大きく反らせ、攻撃の軌道からギリギリで躱す。


《ウィンド・バード》が上空から急降下してくる。

「見えてる!」

頭を屈めて回避し、再び走り出す。


「まともに相手してたら間に合わない……!今は回避あるのみ!」

ヒマワリは剣士としての反射神経をフル稼働させ、ひたすら回避に専念する。


やがて、村の門が見えてきた――

残り時間、30秒。

「まだ……間に合う……!」


ヒマワリは最後の力を振り絞って村へと飛び込み、商人に荷物を手渡した。

「はぁ……はぁ……お届けしました……!」

「ありがとうございます!助かりました!」


イベント達成の通知が表示され、ヒマワリは元の場所へと戻った。

商人NPCの元へ辿り着くと――


「本当にありがとうございました!これは、お礼です」

商人が差し出したのは、淡い光を放つ一冊の書。

《スキルの書:加速》


ヒマワリはその書を受け取り、ページを開いた。

瞬間、書が光の粒となって消え――

スキル《加速》を習得しました!


「やった……!これで探索・逃走用の移動スキルは完璧!」

ヒマワリは嬉しそうに拳を握りしめた。

「ふぅ……疲れた……!今日はここまでにしよっかな」




――2日目~6日目:魔法スキルの集中習得


ヒマワリは、PK戦での遠距離攻撃手段と、多様な地形や敵に対応するための魔法スキルを習得する決意をする。掲示板で見た、基礎属性魔法の習得条件はどれも「INT10以上」と「属性モンスター50体討伐」だった。


「私の本職は剣士だけど、遠距離攻撃がないとPKで不利になる。それに、広大なフィールドの探索では、属性攻撃が地形特有のモンスターに有効なはず!」


ヒマワリは、広大なワールドマップを効率よく移動しながら、ひたすらモンスターを狩り続けた。


【2日目~3日目】

火属性モンスター《フレイム・ラビット》が生息するエリアで狩りを開始。

一撃で倒せる相手を選び、地道に数を重ねる。2日間かけて50体を達成。

《ファイアボルト》を習得しました!

「やった!次は風!」


【4日目】

風属性モンスター《ウィンド・バード》を狩る。

空を飛ぶ敵には苦戦するが、自身の《ウィンドスラッシュ》で対抗し、空中の敵を正確に切り裂いていく。

50体目を倒した瞬間――

《ウィンドカッター》を習得しました!


【5日目】

水属性モンスター《アクア・スライム》を狩る。

ぬるりとした動きに翻弄されながらも、二連撃の《ソニック・ブレイク》で確実に核を狙う。

50体目――

《ウォーターショット》を習得しました!


【6日目:午前】

土属性モンスター《ロック・タートル》を狩る。

硬い甲羅に手こずりながらも、雷属性の剣技サンダーラッシュで弱点を砕く。

50体目――

《アースバレット》を習得しました!


【6日目:午後】

雷属性モンスター《サンダー・ウルフ》を狩る。

素早い動きの敵だが、剣道で培った動体視力と反射神経で追いつき、正確に仕留めていく。

50体目――

《サンダーボルト》を習得しました!


「ふぅ……今の私が取れる魔法スキルは全部習得した……!あとは、基礎攻撃力を上げる《片手剣の心得Ⅰ》だけ……!」


ヒマワリは再び草原へと戻り、ひたすらモンスターを狩り続けた。剣技だけでなく、覚えたばかりの遠距離魔法も試しながら、狩りのペースを上げていく。



――7日目。

500体目のモンスターを倒した瞬間。

《片手剣の心得Ⅰ》を習得しました!


「やったぁ……!これで、イベントに向けて欲しいスキルは全部揃った……!」

ヒマワリはその場に座り込み、大きく息を吐いた。

「ふぅ……1週間、よく頑張った……!これでイベントの準備はバッチリ……!」


空を見上げると、すっかり夕焼けに染まっていた。


「そろそろ、ステラと合流しようかな」

ヒマワリはフレンドリストからステラを見つけてメッセージを送る。


ひまわり: ステラ!今どこにいる?

ひまわり: そろそろ今日は終わりにしようと思って!

ステラ: わぁ、ヒマワリちゃん!おかえり!

ステラ: 私はハネリ村の噴水の前でまったりしてるよー

ひまわり: OK!すぐ戻るね!

ステラ: うん、待ってる!お疲れ様!



ヒマワリは立ち上がり、村へと歩を進めた。

ハネリ村の広場。

ステラが噴水の前でのんびりと座っていた。


「あ、ヒマワリちゃん!おかえり!」

「ただいま!ステラは、レベル上げどうだった?」

「うん!結構上がったよ!ヒマワリちゃんは?」

「私も!スキルたくさん習得したし、準備万端!」

「すごい!どんなスキル覚えたの?」

「えっとね……」

ヒマワリはスキル一覧を見せながら、この1週間の成果を話した。


「わぁ……魔法まで覚えたんだ!すごいね!」

「えへへ、ありがと!これでイベント、楽しみだね!」

「うん!頑張ろうね!」


二人は笑い合い、夕焼けの空を見上げた。

「それじゃあ、今日はここまでにしよっか」

「うん。また明日ね、ステラ!」

「うん。また明日!」


光が二人を包み込み、姿が消えていく。

静かな夕暮れの村に、再び鳥の声だけが響いていた。

ヒマワリちゃんもイベントに向けて準備完了!

次回からは第2回イベントの話に入ります。

次は1/28に投稿予定です。

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