表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死ぬのが怖いので、不人気の回復職を選びました。  作者: s-rush


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/58

第029話 極振りヒーラー、戦闘狂の称号

第二階層に進出してから、数日が経った。

ステラとヒマワリは、ハネリ村を拠点に少しずつ二階層の探索を進めていた。

青い空が広がり、風が心地よく吹き抜けるこの階層は、一階層とは雰囲気がまるで違う。

色とりどりの鳥たちが空を舞い、草原には花が咲き乱れている。


「今日もいい天気だね!」

ステラが空を見上げながら、嬉しそうに笑った。

「うん。でも、今日はレベル上げの前に――情報収集しよっか」

「情報収集?」

「うん。掲示板に新しいスキルの情報が載ってるかもしれないし」

二人は村の中央にある冒険者掲示板へと向かった。



掲示板には、プレイヤーたちが書き込んだ情報がびっしりと並んでいる。

「えっと……スキル情報、スキル情報……」

ヒマワリが掲示板をスクロールしていくと、ある書き込みが目に留まった。


『新スキル情報!

《MP強化・小》

習得条件:MPポーションを累計30本消費する

効果:最大MPが+10される


《MPカット・小》

習得条件:累計でスキルを500回使用する

効果:全スキルの消費MPが5%減少する』


「おお……これ、便利そう!」

ヒマワリが目を輝かせる。

「うん!特にMPカット・小は、長期戦になった時に助かりそう……!」

「でも……MPポーション30本かぁ……」

ヒマワリは少し困ったように眉を寄せた。


「結構高いんだよね、これ。累計だから、今まで使った分も含まれるけど……私、そんなに使ってないかも」

「あ……そっか。ヒマワリちゃん、ほとんどダメージ受けないもんね」

「うん。MPポーションも、あんまり使わないし……これは厳しいかも」


一方、ステラはメニューを開き、自分のアイテム履歴を確認した。

「えっと……私は……あ、26本消費してる!」

「おお、結構使ってるね」

「うん。ボス戦とか、長期戦になった時に結構使ったから……あと4本で習得できそう!」

「じゃあ、ステラは習得しよっか。私は……また今度でいいかな」

「ごめんね、ヒマワリちゃん……」

「ううん、気にしないで!ステラが強くなるのは嬉しいし」

ヒマワリは笑って、ステラの肩を叩いた。

「それじゃあ、まずMPポーション買ってくるね」

「うん!」



ステラは露店でMPポーションを4本購入し、その場で消費した。

MPが満タンの状態で飲んでも意味はないが、習得条件を満たすためには仕方ない。

「……4本目……!」


最後の一本を飲み終えた瞬間、スキル習得のウィンドウが表示された。

《MP強化・小》を習得しました!

「やった!」

ステラは嬉しそうに拳を握る。


「おめでと、ステラ!」

「ありがと!次は、MPカット・小だね」

「累計でスキルを500回……結構時間かかりそうだね」

「うん。でも、普通に冒険してれば、そのうち習得できると思う」

「じゃあ、レベル上げしながらカウント数稼ごっか」

「うん!」

二人は村の外へと出た。




二階層の草原には、色とりどりのモンスターが生息している。

《スカイ・ラビット》、《ウィンド・バード》、《フラワー・ウルフ》――。

どれも一階層より少し強いが、二人にとっては十分に狩れる相手だ。


「それじゃあ――行くよ!《挑発》!」

ステラが詠唱すると、周囲のモンスターが一斉に集まってくる。

「《ヒール》!《リジェネ》!《ドレイン・オーラ》!」

次々とスキルを発動し、カウント数を稼いでいく。

一方、ヒマワリは集まったモンスターを次々と切り裂いていく。


「《スラッシュ》!《ソニック・ブレイク》!」

剣が風を切り、モンスターが光の粒となって消えていく。

その動きを見ながら、ステラはふと気づいた。


「……ねえ、ヒマワリちゃん」

「ん?どうしたの?」

「なんか……剣の振り方、剣道みたいだね」

「え?」

ヒマワリは一瞬動きを止め、ステラを見た。


「ほら、踏み込み方とか、剣の軌道とか……すごく綺麗で、型にはまってる感じがするの」

「あー……うん、実はね」

ヒマワリは少し照れたように笑った。


「明日、剣道の予選があるんだ。それで、ゲームで覚えた技を現実で再現できないかなって……ちょっと特訓してたんだよね」

「へぇ~!すごい!できそう?」

「うーん……もうちょっとでできそうなんだけどなぁ。ソニック・ブレイクみたいな速さ、現実でも出せたら最高なんだけど」

「……それ、そのうち人間の限界超えそうだね」


ステラが真顔でツッコむと、ヒマワリは笑って肩をすくめた。

「まあね。でも、イメージトレーニングにはなるかなって」

「ふふっ、頑張ってね」

「ありがと!」

二人は再び狩りに集中する。


ステラは次々とスキルを使い、カウント数を稼いでいく。

《ヒール》、《リジェネ》、《ドレイン・オーラ》、《プロテス》、《挑発》――。

ヒマワリも負けじと、スキルを連発していく。

《スラッシュ》、《ソニック・ブレイク》、《ウィンドスラッシュ》、《サンダーラッシュ》――。




数時間後、ようやく二人ともスキル習得のウィンドウが表示された。

《MPカット・小》を習得しました!


「やった……!これで、もっと長く戦えるようになるね!」

「うん!これでステラのMP問題も少しは楽になるね」

「そうだね!……あ、そういえば、一応スキル確認しておこうかな」


ステラはステータスウィンドウを開き、スキル欄をスクロールした。

「えっと……あ、MPカット・小がちゃんと追加されてる!」


「私も確認しとこっと……あれ?」

ヒマワリも自分のスキル欄を見て、目を瞬かせた。

「……なんか、もう一個スキル習得してるんだけど」

「え、本当?」

ステラも慌ててもう一度自分のスキル欄を確認する。


「あ……私も習得してる。気づかなかった……!」

二人は顔を見合わせ、スキルの詳細を読み上げた。


《戦闘狂》

習得条件:3時間以上、戦闘状態を維持する

効果:戦闘状態になってから10秒ごとにSTRが1%増加する。最大30%まで上昇。戦闘終了時にリセット。


「……戦闘狂、って」

ステラが呆然とした顔でヒマワリを見た。


「3時間も戦闘状態って……ヒマワリちゃん、完全に戦闘狂じゃん……」

「ちょ、ちょっと待って!ステラも習得してるでしょ!?」

「う、うん……でも私はヒーラーだから……ほら、回復してたら自然と長くなっちゃうっていうか……」

「それ言ったら私だって!レベル上げしてたら自然と……!」

「でもヒマワリちゃん、楽しそうに戦ってたよね?」

「そ、それは……まあ、ちょっとは……」

ヒマワリは視線を逸らし、頬を掻いた。


「……でも、このスキル、攻撃力上がって便利かも。戦闘が長引いた時に役立ちそう」

「そうだね。……私はSTRゼロだから、意味ないけど」

「あー……そっか。ステラには恩恵ないね」

「うん……まあ、でもレアスキルみたいだし、嬉しいかな」

「えへへ……ありがと、ヒマワリちゃん」

二人は満足そうに笑い合った。

空はすっかり夕焼けに染まり、村の明かりが灯り始めている。


「……そろそろ、戻ろっか」

「うん。今日はここまでだね」

二人は村へと戻り、広場の噴水前で立ち止まった。

「それじゃあ……またね、ステラ」

「うん。……あ、そうだ」

ステラはふと思い出したように、ヒマワリを見つめた。

「明日の試合、頑張ってね」

「……ありがと」


二人は手を振り合い、ログアウトのウィンドウを開いた。

光が二人を包み込み、姿が消えていく。

静かな夕暮れの村に、再び鳥の声だけが響いていた。

2人とも戦闘狂になりました(笑)

次は1/20に投稿予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ちょっと習得描写がどこにあったか覚えてないんですが、 少なくとも15話時点のステータス確認でステラは既にMP強化・カット共に小を獲得しているようです。 しかし、ここで初めて習得したかのような描写になっ…
30話迄一気に読ませて貰いました。 楽しく拝見させて貰いました。しかし、キャラクター設定、ストーリー展開等が現状は『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。作者:夕蜜柑』とほぼ同じです。大丈夫…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ