表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死ぬのが怖いので、不人気の回復職を選びました。  作者: s-rush


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/59

第023話 極振りヒーラー、新スキル求め西の廃道へ

ログインの光が収まると、広場の中心にいたのは昨日と同じ顔ぶれ――

《ステラ》と《ヒマワリ》の2人だ。


「おはよ、ステラ!」

「おはよ、ヒマワリちゃん。……今日もすっごい元気だね」

「当然でしょ?だって今日はスキル探しだよ!」


まだ装備もスキルも初期状態のヒマワリは両拳をぐっと握りしめ、意気込みを見せる。

一方、ステラは淡いローブ姿に、昨日の森で手に入れた銀のアクセサリーをさりげなく身につけていた。


「ステラ、その耳飾り……昨日のドロップ?」

「うん!魔法防御+5のやつ。見た目もかわいいでしょ?」

「うん……かわいいけど……なんか私、完全に初心者って感じだなぁ……」

ヒマワリは自分の初期装備(通称:ジャージ)を見下ろし、ちょっと肩を落とした。


「まぁそうだよね、ヒマワリちゃんまだ初期装備だもんね」

「ぐっ……!言い方ぁ!」

「でも、そのぶん伸びしろがあるってことだよ!だから今日はスキルとか装備とか、いっぱい情報探そうね!」


二人は広場の外れにある「冒険者掲示板」へ向かって歩きだす。


賑やかな露店の間をすり抜けながら、衛兵のNPCとすれ違い、遠くでファンファーレが響く――

そんな街の空気を楽しみつつも、ヒマワリは目を輝かせた。


「ほんとにすごいよね、このゲーム……1つ1つ何かが始まってるって感じがする」

「うん。私もヒールから、バリアになったときすっごく感動したよ」

「バリアは反則級に強いよね……!いいなぁ、ステラはすでに“支援にして主力”って感じで」

「いやいや、ヒマワリちゃんだって片手剣スキル覚えたじゃん!これからだよ!」

ステラは笑って、ヒマワリの肩を軽く叩いた。


「……いいスキルが見つかるといいね」

「うん!探すぞー!」




――冒険者掲示板前


掲示板前にはプレイヤーたちが集まり、書き込まれた情報に熱心に目を通している。

中には雑談や攻略組の話題、イベント情報なども貼られていた。


「えっと……あった、“アップデート予告”、だって」

ステラが指差した紙には、こう書かれていた。


>まもなく2層が解放予定!

>2層へ進むには、1層北部のボス《ガルドラ》討伐が必須。

>詳細は近日公開。準備を整え、安全な攻略を!


「ガルドラ……これが1層のボスか」

「ねぇ、これ……つまり、もうすぐ次の階層が開くってことだよね!」

ヒマワリは嬉しそうに声を弾ませたが、その表情はすぐに真剣なものへと変わった。


「でも、ボス戦ってことは……ちゃんと準備しないとだよね」

「うん。できれば、ヒマワリちゃんの新しいスキルとか装備、探しに行こうよ」

「そうだね!どこかまだ行ってない場所、あるかな」


「たぶん、あると思う。北の森より奥……西の廃道とか、まだ行ってないよね」

「行ってみよっか。レアドロップとかもあるかも!」


ヒマワリは拳を握りしめ、にこりと笑った。


「よし、じゃあ行こっか!」


ヒマワリはステラの手を取り――いや、正確には、ステラの腰に結んだロープをぐいっと引っ張り始めた。


「え、またこれ……?」

「だって、歩いてたら日が暮れるでしょ?今日の目標は新スキル探しなんだから!」

「うぅ……理屈は分かるけどぉ……」

ステラはローブをたくし上げ、為す術なくヒマワリに引かれていく。


その様子はまるで「モフモフ引き連れ型タンク&ひっぱり剣士」の珍妙コンビ。

しかし、いつしかこの光景は――


  あ、またヒモでヒーラー引っ張ってる子たち来たぞ

  あのスタイル、一周回って効率いいのか……?

  いや単に剣士が全力で走りたいだけ説


そんな噂が立つほど、1層名物になっていたのだった。




石畳が途切れ、荒れた土と風化した遺跡が広がる《西の廃道:忘却の残滓》に到着した。

道幅は狭く、周囲の建物は黒ずみ、昼間だというのにどこか薄暗い。


「ふぅ……到着!ステラ、息してる?」

「ふわぁ……心は折れてるけど、かろうじて生きてます……」


ロープが解かれ、ステラはよろよろと地面に座り込む。

そんなやり取りを交わしながらも、ヒマワリの表情は期待に満ちていた。


「――絶対、いいスキル見つけるぞ!」

「うん。一緒に強くなろうね、ヒマワリちゃん!」


奇妙なロープ移動から始まった二人の冒険は、今日もユニークに幕を開けた――。


帰省で投稿できなかった分、今週は少しだけ投稿頻度を上げます。

次は1/6に投稿予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ