大泣きしたお嬢様への餌付け
餌付けすると何故かフラグが立つ(´・_・`)
さて(盛大に見栄を張ってしまった)九条さんへの餌付けだ!
まぁ不幸中の幸いだが、夕食を海鮮ちらし寿司にする予定だったから、昨夜の轍を踏まない様にあらかじめ米を一升程炊いておいたのよ。
何しろ昨夜は三合炊いたのに、爆食美少女に全て食べられる事態になったからだ。
ちなみに炊いたご飯は全部シャリにした。
なので握り寿司に必要なのはあと新鮮なネタのみじゃあ!
まぁ海鮮ちらし寿司にする為に、マグロはサク状態、他も三枚におろしたりして全て解体済みです♡
後は六条さんに腹ぺこ美少女の嗜好をリサーチするのみ!
「・・・六条さんや。九条さんはなにか嫌いなネタとか、食べられないネタってあるか?」
この問いに対して六条さんは、些か小首をかしげながら、
「・・・恐れながらお嬢様は、マグロ・・・其れも特に赤身が好物でございます。逆に中トロや大トロは脂がくどいと申されて苦手でございます。後は、光り物全般も苦手でございます。」
・・・なるほど(´・ω・`)
(以外にも若者の好きなトロが苦手なのは想定外だったけど)まぁ年齢相応な嗜好だな。
なら握ってしんぜよう!
宛ら宴会で給されるような大きな寿司桶に、じゃんじゃん寿司を握っていく♡
まずは九条さんの好物のマグロの赤身だ!
多めに二十貫程握る。
続いてはヒラメ。
十貫握る。
後はネタのみ表記致す。
握りはサヨリ、サーモン、甘エビ、イカ、etc・・・。
軍艦は定番のイクラ、とびっ子など。
後は自分用に、九条さんが苦手な大トロ、中トロ、敢えて酢じめしていないサバとアジ、軽く酢じめしたイワシも握ったよ。
箸休めに予め漬けておいたカブの浅漬けとスープ代わりの赤味噌の味噌汁じゃあ!
さあ!おあがりよ♡
・・・現在俺の前ではまさしくブラックホールが顕現されておりまする・・・。
「パクパクッ・・・ん♡モグモグッゴクンッ・・・ん♡・・・美味しい♡マグロはそんじょそこらの寿司屋が裸足で逃げ出す・・・ん♡・・・ヒラメも二種類あるなんて中々♡生のヒラメは鮮度抜群。昆布締めもまさに職人芸♡・・・ん♡軍艦巻きも良い仕事してる♡ん♡ん♡」
・・・いや自分でもお嬢様食べきれるかな〜?なんて思っていたのよ。
いやはやまさかの完食ペースでごわした!
まぁそれはさておき。
俺は俺で自分の分を食べるとしましょうかな。
敢えて九条さんの苦手なネタを握ったんだからね♡
で、まずはサバの握りを食べようとしたら・・・。
ヒョイッ!
何故か俺の横から(物凄く綺麗な)手が伸びて(俺が狙っていた)サバの握り寿司をかっさらって行きました♡
見れば九条さんが、既に寿司桶を完食していて、いつの間にやら俺の隣りに座っていて、(俺が食べる予定だった)中トロ大トロ、並びに光り物の握り寿司をヒョイパクヒョイパクと食べているではありませんか!
「・・・!?!!?サバってこんなに美味しかったの!?!?アジも今までと違う!!イワシの酢じめだって臭くない!?凄く優しい酸味・・・♡・・・ん♡中トロも大トロも今までの握り寿司は詐欺!・・・許しがたい・・・!」
いやある意味仕方ないのよ。
大体スーパーとかだと、〆鯖にしても、鯖寿司にしても、開店前に調理して、夕方閉店まで持たせなきゃいけないから、酢じめどころか『酢漬け』みたいに過剰に酢を効かせざるを得ない事情もあるのよ。
なので寿司職人はあまり過剰に酢を効かせない様にするのが職人の腕の見せどころな訳だ!
どうやら九条さんが食べた寿司屋は大分腕の劣った職人の店だったみたいだな。
・・・と、俺が現実逃避している間に、俺の寿司(光り物及び中トロ大トロ)は全て食べ尽くされた!
今九条さんは締めとしてズズズッと味噌汁をすすっておりますm(*_ _)m
「・・・ズズズッ♡・・・満足♡・・・おなかいっぱい♡」
コレでよかった・・・のか?
・・・俺の胃袋が悲鳴をあげてる以外は?
・・・またしても食べ尽くされた!
ぐぬぬ・・・。
やっぱり食べれなかったね〜♡