俺の夕食が・・・
まさかの晩飯強盗!?
さて困ったぞぅ!
何しろいきなり乱入して来て!
晩飯をタカるって言われたんだからね!
・・・一応ささやかながら抵抗してみる。
まずは搦手から。
メイドの六条さんに、
「・・・六条さん。自分で言うのも恥ずかしいけど、ここには九条家の令嬢に相応しい食材も料理もないんだけど。九条さんはおそらく世界中の珍味を味わってる筈だ。なので六条さんから九条さんを説得して欲しい。」
俺の(心からの)申し出に対して六条さんは無情にも、
「大変申し訳ございませんが却下致します。何しろお嬢様は鼻は犬顔負け、舌は一流の美食家が裸足で逃げ出す程でございます。よってお嬢様がここまで食指を動かすのであれば貴方様の料理はまさしく神レベル確定でございます。どうか何卒お嬢様に餌付け・・・ゲフンゲフンッ!りっ料理を提供してくださいませ。」
・・・今さりげなく六条さんの本心が垣間見えたぞぅ!
ぐぬぬ・・・最早致し方無し。
ならば今作りかけの豚の生姜焼き丼を食わせてやろうぞぅ!
まずは玉ねぎをオリーブオイルで軽く炒める。
玉ねぎが飴色になって来たら豚肉投入。
豚肉に火が通ってきたら俺の自家製の生姜焼きのタレをよく絡めて完成。
実にシンプルな料理だろ?
あとは丼にご飯山盛りしてフライパンから豚の生姜焼きを(たっぷりのタレと共に)上からかけたらあとは掻っ込むのみ♡
さあ!おあがりよ!
まさしく爆食でごわすな・・・。
「・・・モグモグッ♡・・・ん♡・・・パクパクッ♡・・・ん♡」
はっきり言って物凄い食べっぷりだ。
うーん(._.)あっという間に完食しおったぞぅ!
しかも完食した九条さんは空になった丼を手に持ったまま、俺に突き出しております。
・・・うん、わかっているよ(*^^*)
どう見てもお代わりの仕草だな(´-ω-)ウム
・・・少し意地悪してみるか・・・。
「ん?九条さんはご馳走様かな?」
とその瞬間!
九条さんは眉を吊り上げて!
尚且つ目をクワッ!と見開いて!
手に持った丼を俺に何回も叩きつけてきおった!
今俺の胸からは、ドゴンドゴンッ!という擬音が響いておりますm(*_ _)m
ちなみに結構痛い。
「んっ!!!んっ!!!」
そろそろ堪忍してやるかな。
「・・・冗談だよ。お代わりだろ?」
途端に九条さんは満面の笑みを浮かべて、
「ん♡ん♡」
なんとも現金お嬢様だなぁ(´・ω・`)
しかしそうなると調理した豚の生姜焼きと炊きたてご飯は全て九条さんの胃袋に収納されてしまう訳で・・・。
つまり俺が食べられない訳で・・・。
トホホ(*´﹏`)
仕方ない( ˇωˇ )
九条さんがお代わりを食べている間に明日のお弁当の仕込みをすると致そう。
「パクパクッ♡ん♡モグモグッ♡ん♡」
しかし本当に美味しそうに食べるよな〜。
で、今現在俺は弁当の仕込み中だ。
明日の唐揚げ用に鶏肉を料理用の袋に入れて、醤油、味醂、砂糖、塩、生姜で作成したタレに漬け込み、冷蔵庫にて一晩寝かせるのだ。
寝かせる前に念入りに揉み込む。
モミッモミッモミッ。
こうして一心不乱に揉み込んでいたもんだから、俺は背後に忍び寄る存在に気づかなかった!
ギュゥゥゥ〜〜〜!!
突如感じた脇腹からの痛み!?
「痛たたぁぁぁ〜!!!」
慌てて振り返ると九条さんが俺の脇腹を(力いっぱい)抓っているではないか!
見れば九条さんは再び眉を吊り上げて目を見開いております。
俺の背後から六条さんが、
「お嬢様はそれはなんだ?と申されております。」
どうでもいいけど日本人同士で通訳必要ってどうなのよ・・・。
まあいい。説明しようかな。
「・・・九条さん。これは俺の明日のランチでもあるお弁当の仕込みだ。こうしておけば明日の朝イチに調理すれば美味しいお弁当の完成だ♡」
それを聞いた九条さんは、俺の脇腹へ更なる力を込めた!!!
ぎゃぁぁ!!!痛い痛い痛い〜!!!
「・・・許しがたい暴挙・・・貴方だけ美味しいお弁当を食べる・・・なのに私は豚のエサ以下の学食・・・不公平・・・。私にも美味しいお弁当を要求する・・・。」
・・・ゑ!?
そこへ俺の横から何かが差し出された!
見れば某大手金融機関の帯封の付いたお金!所謂札束だ!
差し出しているのは六条さんだ。
「申し訳ありませんm(_ _)mこうなるとお嬢様はテコでも動かないのです(>_<)どうかお嬢様のお弁当も作ってくださいませ。こちらは些少ながらお嬢様の分の食費としてどうかお納めくださいませ。」
うーん。買収(?)されてしまった・・・。
まぁ一人分も二人分も大して変わらないからまぁいいか。
こうして漸く帰宅してくれた九条さん(とメイドの六条さん)を見送ったあと、俺は一人寂しくカップ麺にて夕食・・・。
ぴえん( •̥-•̥ )
まさか全て食べられるとは!?