婚約者が手作りしてくれたお弁当があまりにも可愛いから自慢する
「俺も婚約者に弁当を手作りしてもらいたい!」
王立学園の昼食時、いきなり公爵令息のカイルが叫んだ。
テッドの弁当は婚約者の手作り。タコさんウィンナーやクマさんのお顔のハンバーグが詰められていた。バゲットにはたらこクリームでハートマークも。
「カイル様も作ってもら……」
「あいつは公爵令嬢だ。料理なんかしないさ」
「ああそうか。でも、そもそもカイル様はこんな庶民的なものに憧れなくても!」
「男なら憧れるさ! 婚約者がタコさん……♡ 愛だ、羨ましすぎる!」
カイルは悔しがっている。
***
放課後、テッドがリアに昼のことを話すと、リアは納得顔になった。
「それでか! 今日アラナ様に『手作り弁当って何』って聞かれたの。普段は身分が違うから話さないのに、いきなり取り巻き10人つれたキラキラ令嬢に声かけられてびびったわ」
「早速弁当要求したんだ、あの人……」
「ええ。男のロマンだ!ですって。アラナ様、困ってたわ。だから身分の高い貴族と仲良くするのはほどほどにしないと! 優秀だから私たちも入学を認められてるけど、貴族とは文化が違うのよ」
リアが苦笑すると、テッドは頭を掻いた。
「僕からは近寄ってないよ。何かの授業でカイル様とペアを組んだんだ、成績順で。そしたらすげー懐かれちゃっただけ!」
「あの人めっちゃ身分高いのに、なんか庶民のやることに興味津々よね。アラナ様は料理しないでしょうし、困ったわね」
リアはため息をついた。
***
一週間後。
テッドとリアが昼食をとっていると、
「見てくれ!」
とカイルが大喜びで大きなお弁当箱を自慢してきた。
「お弁当ですか、カイル様……って何か雰囲気が違いますね!」
「そうか? アラナは料理しないが、彼女自ら詰めてくれたんだ!」
カイルは頬を上気させている。
「ロブスターにキャビア、テリーヌ、ローストビーフ、フォアグラ……迫力満点ね。ロブスターが丸ごと入ってる感じとか最近のおせちみたいだわ……」
転生者であるリアが呟いた。
「何か言ったか?」
きょとんとするカイルに、リアは慌てて首を横に振った。
「何も」
「嬉しそうですね」
テッドが言うと、カイルは大きく頷いた。
「アラナが庶民の真似を嫌がらず男のロマンに付き合ってくれた、それが嬉しい」
「お礼言いましたか?」
とテッドが聞くと、カイルは笑った。
「一先ず島をプレゼントした。名前は『お弁島』にしよう。結婚したら避暑地にする」
テッドとリアは話の大きさにポカンとしてしまった。
お読みくださってありがとうございます!
とっても嬉しいです!!!
なろラジ用の1000文字小説です!\(^o^)/
4作品目。どんどんふざけた感じになっていく……笑 すみません。
もう自分でも何を書いているのやら……大汗
『お弁島』とかラジオで読まれるわけないじゃん……大汗
でも書いたから投稿するの(笑) すみません!
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