第94話 えぇー、その、えと、疑って、本当に、本当に、すいませんでした
マリーちゃんが侍女室に行って、
ロナルド君は私が伝え忘れていた、探している人の事をマリーちゃんに伝えに行き、
そして、私は、一人で廊下に立っていた。
(まぁ、私が一人になったのは、
私がお母様を探していることを伝え忘れてたせいだししょうが無いよね)
そう思った後に私は、マリーちゃん達を待っている間に何をしようかと考え始めた。
(う~ん、多分、時間かかるよね)
と心の中で呟き私は、取り敢えず魔法の練習をすることにした。
出来るだけ、本当に出来るだけ、
魔力を薄く張るイメージで魔力を広げようとすると
「やぁ、お嬢さん」
そう話しかけてくる声が聞こえた来た。
「へっ、あっ、えっ、なっ、えっ、だっ、だっれですか」
私がそう少し意味が分りづらい事を言いながら声の元を向くと、
そこには、黒い髪に少しだけ青みがかった紺色のような目をしている男が立っていた。
「あの、誰ですか」
私が先程の質問に対しての返答が無かったので、
もう一度問いかけると
「俺は、アースベルトだ」
と名乗ってきた。
「えと、どうかしましたか」
私が何故、話しかけてきたのかが分らなかったのでそう質問をすると
「君のことが気になったんだ」
そう言ってきた。
(まさか、気になるなんてナンパなのか)
と思いながら
「気になったって何が気になったんですか」
私がそう問いかけると
「道の真ん中で呆然としているから、
迷子なんじゃ無いかと気になったんだ」
と言ってきた。
その発言に私は、
(すいません、本当にすいません、
ナンパと疑ってすいません)
と心の中で謝ってから
「私は、迷子じゃありませんよ」
そう返答をすると
「迷子じゃ無いのなら、どうして、
君は、道で立ち止まっていたんだ」
アースベルと名乗った男はそう問いかけてきた。
「それは、人を待っているんですよ」
私がそう言うと
「君は誰を待ってるんだ」
またそう聞いてきた。
「従者の方を待っているんです」
と私がそう返答をすると
「従者は何処に行ったんだ」
アースベルトに問いかけられたので私は、
「人を探しているので、
従者室に人のお話を聞きに行って貰ってるんです」
そう質問に答える
(もう、面倒くさいな、
何時までこの問答を続けるんだ)
と今の状況が面倒くさく感じ思いながら。
「そうか、君は誰を探しているんだ、
もしかしたら力になれるかも知れない」
嬉しいことを言ってくれた。
「お母様を探しているのです」
私は手伝ってくれると言ったこの人にも協力して貰おうと思いそう言うと
「君のお母さんは何処にいるか分る」
アースベルトは馬鹿なことを問いかけてきた。
「あの、分らないから探しているのですが」
私は、
(この聞いているようで聞いて無い感じ、
ロナルド君に似ているな)
そう思いながら言うと
「すまない、馬鹿なことを聞いてしまった」
直ぐに謝ってきた。
「それじゃあ、君のお母さんの特徴を教えて貰っても良いかな」
と問いかけてきた。
『お母様の特徴』
それを聞かれると私は直ぐにそれを思い付いた。
「お母様は、私のような銀髪で碧眼を持っています。
それで、私より一回りか二回り身長が大きくて、可愛いです」
私は、
(お母様って小っこくて可愛いよ、
私にそれが遺伝してそうなのは癪だけど)
と心の中で呟きながら言うと
「そうか、大体君と同じくらいの女性か」
そう覚えるようにアースベルトは呟いた。
(そういえば、この人って何をやってる人なんだ)
私は、そう気になってしまったので格好を見た。
アースベルトと名乗った男の服装は、
少し動きづらそうな服に胸の辺りに何か勲章のような物がついてあり、
腰の辺りにはマントで隠しているようだが、
微妙な膨らみがあった、多分、帯剣をしているのだろう、
帯剣をしていて何らかの勲章を持っている、
その情報から私は、
(この人は騎士なんじゃ無いか)
と考察することにした。
私の回答があっているのかを確かめたくなった私は、
「あの、アースベルト様」
と話しかけた。
「なんだい、安心して俺が側にいるよ」
私が不安で話しかけたと思ったのかそう返答をしてきた。
(馬鹿馬鹿しい、
私もう七歳児ぞ、
そんな事で不安になるわけ無いだろう、
他の七歳児だって不安にならないだろ、
身長が小さいからって決め付けだ)
と心の中で文句を叫ぶように言い
「私は、不安なんて一切感じていません、
それより、気になる事があるのです、
質問しても宜しいでしょうか」
私は、アースベルトにそう問いかけた。
「あっ、そうなの、
良いよ、いくらでも聞いてくれ」
気前よくそう言ってくれた。
(よし、それじゃあ、遠慮無く)
「アースベルト様、
貴方は、騎士様なのですか」
答え合わせのためにそう問いかけた。
「っそうだよ、よく分ったね」
私が分っていないと思ったのかそう言ってきた。
「分るに決まってますよ、
胸に勲章を並べていますし、
その腰の辺りの膨らみは剣でしょう」
私がそう言うと
「そうだよ、これは確かに剣だ」
と言いながら剣のグリップの部分と鞘の部分を見せるようにしてマントを広げた。
(諸刃作りのロングソードか)
そう剣の構造が何となく分った私は、
(真剣の刃見たこと無いから見てみたないな)
と思いアースベルトに対して
「アースベルト様、良ければ刀身も見せて貰っても構いませんか」
そう聞くと
「それは、駄目かな」
と直ぐに返事をされてしまった。
ユニーク数3,000人超えました。
PVも12,000回超えたので嬉しいです。
最近いい事続きなので調整の為に少しだけ暗いお話出るかもです。




