第84話 お父様、その嘘はいけないと思います!
私は、抱きついてきたお父様に対して
「やめて下さい」
と言うと
「久しぶりにエミリーに会えたんだ、
良いじゃ無いか」
お父様は、そう言いながら抱きつき続けた。
(そう言えば、なんでお父様は、高そうな服を着ているんだ)
私は、抱きついているお父様の着ている服にそう疑問を持った。
今日は、何故か何時も着ている少しだけ安そうな服から、
馬鹿高そうな服に替わっているからだ。
「お父様、その服どうしたんですか」
私がこう問いかけると
「いや、それがね、エミリー、
貴族がね、無理矢理付いてきたんだよー」
お父様は、そう言ってきた。
(お父様って一応、
性格からして考えづらいけど一応、上位貴族だよね、
無理矢理付いているってお父様よりも爵位高い可能性あるくね)
そう思った私は、
「お父様、離れて下さい、
それと、付いてきたという貴族様の対応をして下さい」
こう言うと
「大丈夫、僕の優秀な従者達が頑張って対応してるから」
お父様は、こう言い出した。
「あの、頑張って対応して貰っているのかも知れませんが、
お父様が出なければ失礼では無いかと思っているのです」
私がこう言うと
「大丈夫さ、あいつらが無理矢理付いてきたんだから」
こう返事をしてきた。
(流石にこれは、不敬罪じゃ無いか、
相手も上位貴族でしょ、あいつ呼びは駄目だろ)
そう思い私は、
「お父様、お客様の爵位は、どれ程なのでしょうか」
私がこう問いかけると
「伯爵位の奴と公爵位の奴、
ついでに皇族のガキだよ」
お父様は、ガチで失礼なことを言い出した。
「えっ、あの、お父様、
伯爵と公爵と皇族の方ですか、
えと、あの、早く対応しに行かないと」
私が
(えっ、マジ、この中で私達より爵位低いの伯爵さんだけじゃん、
ヤバクネ、お父様、その発言はヤバクネ、
ていうか、皇族をガキ呼ばわりしてるし、首飛ぶんじゃ無いか)
こう思いながら言うと
「大丈夫に決まってるさ、
あいつらが無理を言って付いてきたんだから」
お父様は、こう反論をしてきた。
「あの、本当にちゃんと、対応をして下さいよ、
公爵様それと皇族のお方は、私達よりも爵位が高いですし、
伯爵様も皇族の付き添いなら権威とかあるはずでしょ」
私がこう言うと
「まぁ、多少はあるだろうけど、大丈夫さ、
皆が頑張ってくれてるからね」
何故か自信を持って言われてしまった。
(その自信なんだよ、何処から湧いてくるんだよ
馬鹿なのか、本当に馬鹿なのか、
ていうかいつまで抱きついてるんだよ)
私は、心の中でそう呟いてから
「ていうか、どうしてその方達は、付いてきたのですか」
そう質問をすると
「いやぁ、それが、皇族のガキとエミリーは、婚約を結んでるからね」
意味の分らない返事をしてきた。
(へっ、意味分らん、どう言う事、
婚約を結んでいる、
あっ、そうか、言い間違いか、
まぁ、お父様が私の事を揶揄ってるんだろう、
だって、普通は、貴族を放置何てしないだろうし、
揶揄いの冗談に決まってるよね)
そう真実を察した私は、
「嘘ですよね、冗談ですよね」
こう問いかけると
「嘘な訳ないだろう、
本当は、僕も嫌だったんだ、
あのガキの後ろ盾になるのなんて」
お父様は、私に抱きつきながら文句を垂れ始めた。
(あれ、これ、マジ、
本当にマジなの、うっそ~
私、男を好きになれる自信が無い、
体は女でも私の精神の殆ど、大体9割は、男だって言うのに)
そう心の中で呟き
「えっ、おろうさま、本当なんですか」
取り敢えず噛んだことを気にせずに言うと
「本当さ、本当なんだ、
あいつ本当に許さない、
殺してでもやろうか」
本当に殺しそうな声でお父様は、そう呟いた。
「おっ、お父様、やめて下さい、
それは、流石に許されませんよ」
私が言うと
「あぁ、大丈夫だ、本当に殺るとは言ってないさ」
お父様は、笑ってそう返してきた。
だが、何故か、お父様の目は笑っていなかった。
「本当にやんなんで下さいね」
私がこう言うとニコッて笑いを返すだけだった。
(えっ、怖)
そう思いつつも私は、
「えと、あの、お父様、
婚約者様って事は、私が会った方が良いんですよね」
そう問いかけると
「あぁ、本当は会わせた方が良いが、
僕が、認めてないあのガキと会わせるわけがない、
たとえ、不敬罪になろうが」
お父様は、バカみたいなことを言い出した。
「お父様、貴方、バカなんですか、
お父様が、不敬罪になって裁かれてしまったら私は、悲しいのでやめて下さい」
私がそう怒って言うと
「そうか、悲しいのか」
嬉しそうにそう呟いていた。
(何だ、この馬鹿は、
何で嬉しそうなんだ、意味が分らない、
結構、ちゃんと怒ったはずだけど、
まさか、私、怖くないのか)
そう心の中で呟いてから
(そんなわけ無いか、
私は、本当は、
怒ると凄く怖いけど、この人が変人なんだ)
と私は、お父様を決めつけた。
お父様に抱き続けていると膀胱を刺激する感覚がいきなり、凄い強さで湧いてきた。
「あの、お父様、退いて下さい」
私が冷静にそう言うと
「嫌だー、僕は、まだエミリーを抱いていたい」
お父様は、そう言い出してきたので
「お父様、退いて下さい、
退かなければ嫌いになりますよ」
私がこう言うと
「すっ、すまない、許してくれ」
そう言いながらお父様は、私を抱擁している腕を外した。
「ありがとうございます」
私は、そう言いながら走るようにしてトイレに向かっていった。
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