第78話 消えない羞恥、夢であって欲しかった。
「んあ」
私は、この声と共に睡眠から目覚めた。
(何か、マリーちゃんに膝枕を要求する夢を見たような見ていないような気がするな)
そう思いつつ目を開けると何故かマリーちゃんの顔があった。
(あれ、どうして、何故、
へっ、意味が分らない、
どう言う事、何が起きたの、
理解が出来ない、本当に理解が出来ない、
何が起きたの、はっ、はっ、はあ、えっ)
私が混乱してこう思っていると
「おはようございます、お嬢様」
マリーちゃんがそう挨拶をしてきた。
「あっ、おはようございます、マリーちゃん」
私は、返事をしながら
(私は、確か、マリーちゃんを膝枕していたよね、
何が起きているの、あれ、まさか、私の夢は、リアルに起きていたことなのか)
こう思った私は、
「えと、マリーちゃん、
膝枕って私がお願いしましたっけ」
マリーちゃんの顔を見上げながらそう言うと
「はい、お嬢様にお願いされましたよ」
と返してきた。
(あっ、あれ、マジなんだ、
夢じゃ無いんだ、そうかぁ)
そう思いつつも
「ありがとうございます、マリーちゃん」
と御礼を言うと
「こちらこそ、ありがとうございますです」
変な事を言ってきた。
(何の御礼だ、てか、可笑しい言葉遣いだな)
と思った私は、
「何の御礼でしょうか」
こう問いかけると
「お嬢様も私に膝枕をして下さったのでその御礼です」
とマリーちゃんは、私にそう返してきた。
(マジ、あれ、私の自己満なんだけど、
可愛い女の子を膝枕してみたいなっていう自己満なんだけど、
自己満で御礼言われるの嫌なんだけど)
そう焦るように思った私は、
「えっと、御礼なんて大丈夫ですよ、私の自己満足なので」
と少し焦って返すと
「私が御礼を言うのも自己満足なのでお嬢様が気にしなくても構いません」
こう返してきた。
(そうなのか、御礼をして何を満足できるんだ)
そう思いつつも私は、
「あの、マリーちゃん、少し顔を逸らして貰ってもいいですか」
と頼んだ。
何故、私が顔を逸らすように頼んだか、それは、
マリーちゃんは、現在私の顔を覗き込むような姿勢をしている
非常に眼福なのだが、本当に可愛いので嬉しいのだが、
私は、延々と顔を間近で見つめられ続けられるのは恥ずかしい、
それに加え、このままでは、私が起き上がって普通に座ろうとした際にマリーちゃんの顔に私のおでこかもしくは、顔がクリーンヒットするからだ。
「あっ、はい、分りました」
私が言った理由を理解してくれたのか、
マリーちゃんは、顔を逸らしてくれた。
「ありがとうございます」
私は、そう言いながら顔を上げて座る姿勢に戻した。
その際に私にいつの間にか掛けられていた毛布が静かに音を立てて床に落ちた。
「あれ、これは、誰が」
私は、持ってこいと頼んだことを忘れてマリーちゃんにそう問いかけると
「それは、ロナルド様が、
お嬢様に頼まれて持ってきた物ですよ」
と教えてくれた。
「あっ、そう言えば、頼んでいましたね、忘れていました」
私は、そう言い長椅子から立ち上がった。
「どうかしましたか、お嬢様」
マリーちゃんがそう問いかけてきた。
「ロナルド様に御礼を言っておこうと思いまして、
一応、私が持って来てって頼みましたから」
私が、そう言うと
「私もお供しますね」
とマリーちゃんがそう言い出した。
「別にマリーちゃんは、待っていても良いのですけど」
私がそう言うと
「私も御礼を言いたいのです」
とそう言ってきたので
(まぁ、いいや)
こう思った私は、
「分りました、よし、
それじゃあ、御礼、言いに行きましょうか」
とマリーちゃんにそう言った。
少しだけ、まだ眠気があるためフラフラする足を私は、音が鳴らないように小さく叩いた。
(これで、治るわけでは無いが、何故か良くなるような気がする、
プラシーボ効果のおかげかな、知らんけど)
と私は、思いながら叩いた。
「どうしたのですか」
私の動きに不信感があったのかそう問いかけてきた。
「えっ、いや、何でも無いですよ、
少しだけ、精神実験を」
焦って意味の分らない返答をしてしまった。
「ふふふ、精神実験ですか」
と笑われてしまった。
「っっっんん」
少しだけ、恥ずかしくなり変な声を上げた。
そして、私は自分が上げた声に対しても多大なる羞恥心を抱いてしまった。
「ごほん、ふざけていないで行きますよ」
主に私のせいだったような気がしないでもないがマリーちゃんのせいにして扉の方に少しだけ、小走りで向かった。
「危ないですよ、お嬢様」
こう、マリーちゃんに注意されてしまったので小走りから歩きに変えて
「はっ、早く行きますよ」
もう、大分、恥ずかしいのを我慢しマリーちゃんにそう言った。
「ふふふ、分りました、お嬢様」
とマリーちゃんは笑い、私の方に小走りできた。
「マリーちゃんだって、危ないじゃ無いですか」
私がそう注意すると
「すいません」
とマリーちゃんは、笑った顔で返事をしてきた。
(これは、これからもやり続けるな)
そう思いつつも私は、
「許しましょう」
とふざけて返した。
「よし、今度こそふざけずにちゃんとやりますよ」
私は、マリーちゃんに言うように自分に言うとマリーちゃんが扉を開けた。
そうして未だに何て御礼の言葉を掛けようかと思い付いていない私は、咄嗟にマリーちゃんの背後に隠れた。
「何かあったのか」
扉が開くとこう問いかけるロナルド君の声が聞こえてきた。
(何か、口調砕けてるな)
そう思いつつも
(何て、御礼言おうかな)
と考えていると
「私とお嬢様がロナルド様に御礼を言おうと思い参りました」
こうマリーちゃんが返事をした。
「あんたが御礼を言う必要は、無いと思うが・・・
あと、お嬢様、何処にいるんだ」
ロナルド君がそう問いかけてきた。
「あれ、そこにいますよ」
とマリーちゃんは、先程まで私がいたところを指し示して
「えっ、何処に」
こう声を上げた。
(マジか、気付かれてなかったのか)
そう思いつつも
「あの、此処です」
とマリーちゃんの背後から出ながらそう言うと
「いつの間にそこに行ったのですか」
マリーちゃんにそう質問をされた。
「扉を開けるときです」
私がそう言うと
「あの、時ですか」
納得したような声を出した。
「それで、えと、
ロナルド様、私の命令に従って頂きありがとうございました」
私がそう、御礼を言うと
「ありがとうございました」
と続けてマリーちゃんも御礼を言った。
「どうも」
ロナルド君は、そう簡素に返すだけだった。
(もっと、何か言ってよ、
何か恥ずかしいじゃん)
私は、ロナルド君の返答に対してこう心の中で呟くのだった。
あの、申し訳ないのですが、主人公の家族の年齢って私書きましたっけ?
書いていたら教えて貰いたいです。
追記
静岡で現在泊まってるとこタブレットの性能以前にWi-Fiが弱いので対応は、絶対に無理になりました




