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第75話 侮蔑を誘発する行為

 私は、『伝記 勇者パートリック』と言う本をマリーちゃんが帰ってくる前に読みきることに成功した。


(やっぱり、私、速読できるようになってるし、

 内容を忘れないようになってるな)

 と私は、思いつつも本の内容を纏めようと考え始めた。


 内容を纏めるとこうだ

 ・勇者は3体の魔王を討伐している

 ・勇者パーティーは、勇者、聖女、賢者、騎士、戦士がいた

 ・よく『君は、前世を信じるか』と聞いていた

 ・不思議な文字を使っていた

 この4つが分ったぞ

 何百ページもあったが多分、纏めるとこうなると思う、

(てか、内容薄すぎない)

 そう思いつつも自分が纏めた事を考え始めた。


(勇者の発言的に前世の記憶があったのかな、

 私と同じで転生した人なのかな、

 いや、でも、そうとは限らないよな~

 何かそう言う宗教の可能性もあるし、

 使ってた文字の事調べられるかな)

 そう思い私がどうしようか考えていると

「お嬢様、社交界の本、見つけましたよ」

 マリーちゃんがそう言いながら何冊か本を持ってきた。


「あっ、ありがとうございます」

 私は、そう言いながら本を受け取った。


「早速読むね」

 私は、マリーちゃんにそう言った。


(勇者のことも気にならんでも無いが、

 今考えた所で分らんし、しょうが無いよね)

 私は、そう誰かに言い訳しつつも結構分厚くてデカい本を開いた。

 ・・・・

 私は、何時間も掛け面白くも無い本を読みきることに成功した。

 本には、寝なかった自分を褒めたいと感じるほどの内容しか書いていなかった。


 例えばどんなこと書いていたって、

 それは、え~と、まず、

 挨拶の仕方、順番etc

 って言うのを長々と意味の無い雑談、余談を交えて書いてあったんだよ

(最初は、飽きないかも知れないけど、

 本題よりも自慢げな余談、雑談が多かったらそりゃあ飽きるよ)

 私は、心の中でそう文句を言い

「マリーちゃん、読み切りましたよ」

 と顔を上げて言うと

「そうれすか」

 呂律が回っていない声が聞こえてきた。


「どうしたの、大丈夫」

 と言いながら顔を見て気付いた。

 何か、凄く眠そうだった。


「あっ、えと、

 ロナルド様、毛布持ってきてください」

 私は、目の前で意識が朦朧としているマリーちゃんの為にそう頼むと

「あの、僕、護衛なのでお嬢様の側を離れるわけにはいかないんですが」

 と返されてしまった。


「う~ん、それじゃあ、

 命令なので持ってきてください、出来るだけ早くお願いしますね」

 私は、そう言いロナルド君に命令を下した。


「命令なら・・・

 分りました、侯爵様に責められたりしたら助けてくださいね」

 ロナルド君は、私にそうお願いをしてきた。


「勿論、助けますよ」

 こう返事をすると

「お願いしますね、

 それじゃあ、持って参ります」

 そう言いながら走って出て行った。


(そういやあ、何処から持ってくるんだろう)

 そう思いつつも私は、机に突っ伏しているマリーちゃんに

(膝枕でもしようか)

 と思い前に使った風魔法を応用してマリーちゃんを長椅子に寝っ転がした。


 寝っ転がした所で私は、

(あれ、私の膝を下に置かないといけないんだよね、

 私が移動してからマリーちゃん移動させた方が良くなかった)

 と思ってしまったが

(二度手間だけどまぁ、もう一度上げればいいや)

 そう思い私は、取り敢えずマリーちゃんの近くに座りもう一度魔法で持ち上げ膝枕を完成させた。


(初めて膝枕なんてやったよ、

 前世でもしたこと無かったはずだから)

 私はこう思ったところで

(えっ、いや、違うんだよ、

 やることが出来る彼女、友達がいなかった訳じゃ無いんだよ、

 やる機会が無かっただけだよ)

 と何故か変な言い訳してしまった。


「ふふ、馬鹿だな」

 自分でも分らない誰かに言い訳をした私は、そう自分を嗤い

 なんだか気まずくなりマリーちゃんの頭を逃げるようにして撫でた。

 ___________

「う~~~ん」

 私の意識は、深い夢から目覚めた。


 未だに目を開けるのは少し嫌なので目を瞑っている。

 すると、私の鼻孔を優しい匂いがくすぐった。


 初めて嗅ぐのに何処か心地よさを感じる匂いだ。

 私はその匂いに安心感のような物を感じた。


『目覚めないと』こう思う一心で

『まだこのままでいたいな』そう思う安心感だ。


 ふと私は、

 そう言えば私何処で寝たっけ

 と疑問を抱いてしまった。


 あれ、そう言えば、私・・・

 待って、私、図書室で、お嬢様の前で寝ちゃったんだ。


(あぁ、起きないと、どうしよう、どうしよう、どうしよう)

 そう思い私の頭は、グチャグチャに絡まり始めた。


(とっ、取り敢えずお嬢様が怒ってないか見よう)

 そう思い少しだけ目を細く開ける

 目を開けると私の目の前には、お嬢様の顔があった。


(えっ、どうして、どういう状況なのこれ)

 私がこう脳内を混乱させていると私の頭の上に置かれていたお嬢様の手が私を優しく撫で始めた。


 私は、不思議と懐かしさを感じてしまった。

 お母様達が死んでしまって以来誰にもして貰えなかった行為だからだろうか。


 私は、

『まだ、このままでも良いんじゃ無いか』

 と思ってしまった、思ってしまったのだ。


(私は、大恩がある、

 普通の貴族なら首を飛ばすような行為をしたのに許してくれたお嬢様に対して私は、なんて無礼で、尾篭で、不遜な事を思ってしまう人間なんだろう)

 と私は、自分の行為に対して、侮蔑の念を抱かざるには終えなかった。

マリーちゃんが言っていた首が飛ぶような行為っていうのは、

第66話 逃亡者と秘匿者

第67話 罪と罰と騎士様?

の2話でやっていたことだよ、

この物語の国の一部の貴族は、秘密を教えないだけでも人の首を飛ばすよ、

ついでにマリーちゃんは、何度か主人公の言葉に返事もしなかったしね

無視をしたら首を飛ばす上級貴族は作中でも出す予定なほど多い設定だお

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