第74話 図書館と手抜き
その後私達は、特に話何もハプニングは無く図書室に到着することが出来た。
部屋に到着した私は、ふと、
(そう言えば、お父様ってあの後何処に行ったんだ)
と疑問が湧いてきたが特に気にしないことにした。
(だって、私、あの人のことたいして知らないし、何やってるとか)
私は、こう心中で呟き
「さて、何をしましょうか」
と目の前に座らせた二人にそう問いかけた。
「何をしましょうか」
やら
「お嬢様が決めて下さい」
と言う私に返す言葉が聞こえてきた。
(何か、適当じゃね)
そう思いつつも
「それじゃあ、マリーちゃん、ロナルド様、
聞きたいことがあるのでが宜しいでしょうか」
と問いかけてみた。
「はい、構いませんよ」
とマリーちゃんは返して
「答えれることなら構いません」
こうロナルド君は返してきた。
「先程、マリーちゃんが話していた社交界について知りたいんです」
私がこう言うと
「あの、お嬢様、私も社交界には出ていませんので詳しくありませんよ」
と躊躇うかのような声で返事をしてきた。
「そうなのですか、やっぱり、
それじゃあ、ロナルド様はご存じですか」
私がそう問いかけると
「僕も知りませんよ」
と返されてしまった。
「それじゃあ、誰に聞きましょうか」
私がそこまで呟くと
「あの、お嬢様、あるかは分りませんけど、
書物で調べたらどうでしょうか」
とマリーちゃんにそう言われた。
(あっ、そういえば此処図書室だったね)
と思いつつも
「ありがとうございます、マリーちゃんそうしてみます、
二人は、待ってて下さい」
こう御礼言って本棚と本棚の間を歩き回った。
私は、魔法以外の本を読んでいないため何処に社交界関連の本があるのかなんて分らないのだ、
(しょうが無いだろう、皆だって好きな勉強優先するでしょ)
こう何故か言い訳を心中で垂れ探索に集中した。
探索をしていると面白い本を何冊か見つけた。
その本達を抱えてマリーちゃん達が座っている所に持っていこうとすると
「大丈夫ですか、お嬢様」
と言いながら二人が近づいてきた。
「大丈夫です、座っていて下さい」
私は、二人を制するようにそう言うと
「持たなくても良いんですか」
とロナルド様がそう問いかけてきた。
「大丈夫です、私はこれでも結構腕力ありますよ」
と言うと
「本当ですか」
疑わしそうな声でロナルド様に言われてしまった。
「本当ですよ、ほらほら」
私は、そう言いながら3,4冊の本を上げ下げしていると私が大分前に凹ませて先生に直して貰った場所に躓いた。
「あっ、やべ」
そう言い私は、無事頭を床にぶつけた。
何とか「いった」等そう言った節がある言葉を出さないことに成功した。
「だっ、大丈夫ですか」
と言う声と共に私に近づいてくる二つの足音が聞こえてきた。
痛みに耐えながら
「大丈夫、大丈夫」
そう言いながら気付いた。
運の良いことに鼻血が出なかった私は、
取り敢えず立ち上がり辺りに散乱している本を拾い上げた。
「お嬢様、あの、本当に大丈夫ですか」
近づいてきたマリーちゃんがそう聞いてきた。
「大丈夫、本当に大丈夫ですよ」
私がこう返すと
「あの、お嬢様、その本貸して下さい」
と結構強い声で言われてしまった。
「大丈夫ですよ、持てますから」
私がこう言うと
「大丈夫じゃ無いですよ、貸して下さい」
とまたも先程よりも強い声で言われた。
「本当に大丈夫だから」
私がそう言い立ち上がろうとすると持っている本をヒョイと奪われた。
マリーちゃんではない者、
そうロナルド君に
「えぇ、どうして取るんですか」
私がそう言うと
「僕は、護衛なのでお嬢様が危険にさらされる行為を黙認することなど出来ません」
と言ってきた。
「えぇ、私も持てますよ」
私がこう言うのを無視し
「私も手伝いますよ、ロナルド様」
とマリーちゃんがロナルド君が持っていた本の一部を分けて貰っていた。
席に座った後に
「私も持てるのに・・・」
とブツブツ呟いていると
「ふざけた君の自業自得だよ」
先生の言葉がふと頭の中に響いてきた。
(先生多分、反撃を恐れて出てきてないのかな
神様の癖にチキンだな)
私は、一方的に煽ってくる先生にそう心の中で呟くと
「お嬢様、その、
社交界の事を調べるのではないのですか」
マリーちゃんがそう言いながら一冊の本を机の中央に置いて私に見せてきた。
マリーちゃんが置いた本には、
『伝記 勇者パートリック』
と書かれていた。
「あっ、いや、それは、
社交界よりもその本のタイトルが気になっちゃって」
私がそう言うと
「何が気になったのですか」
マリーちゃんがそう問いかけてきた。
「えっ、いや、その、
勇者というのはどう言う人だったのかが気になったのです」
私がそう言うと
「気になりますか」
と疑問形が付きそうな声で言われた。
「兎に角、気になるんですよ」
私は、そう言うと
「そうなのですか」
と未だによく分らないと言った風に言ってきた。
「あっ、そういえば、お嬢様、
この中に一個も社交界関連の本が無いのは何でですか」
と問いかけられた。
「えっ、いや、それは」
私は、そう言いながら私が持ってきた本を見る。
持ってきた本は、
先程の『伝記 勇者パートリック』
それと『物理学』『魔法科学』
の三つだった。
「マリーちゃん、社交界のこと忘れていました」
私がそう言うと
「持ってきますのでお嬢様は、大人しく本を読んでいてください」
マリーちゃんは、そう言い椅子から立ち上がり本棚の方に進んでいった。
(私が持ってくるのに)
そう心中で文句を言いつつも私は、
勇者の本を開いた。
実は、第40話の先生が直した箇所は、一部だけ本来の高さと微妙に床の高さが違いました。
それと、47話、48話の時主人公が攻撃魔法で抉った穴は未だに誰も直していません。
一応は、お父様等一部気付いてる人もいますが、後で直そうと後回しにしています。




