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第67話 罪と罰と騎士様?

 この部屋にはなんとも言えない重っ苦しい空気が停滞していた。

(やばいやばい、この空気、地獄だ)

 こう思いつつ自分の迂闊な質問を呪った。


(ていうか、私の質問の何処に問題があったんだ、

 分らない、えっ、へっ、本当に何

 本当に分らないんだけど、

 マリーちゃんの話を聞いたのが地雷だったのか)

 そう思った私は、

「えっ、え~と、マリーちゃん、お茶を入れてきてくれる」

 とどうにかしてこの地獄を抜け出そうとしてマリーちゃんに言った。


「わっ、分りました」

 少し驚いたような声でマリーちゃん私の声に返し、

 部屋の外に出て行った。


「はぁ~、こっわ、この空気」

 私は、マリーちゃんが出て行って足音が遠ざかった頃にそう呟いた。


(だって、しょうがなくね、

 私の何が悪いのかも分らないし、

 どうやって話しかければ良いのかも分らない、

 ついでに何が正解も分らないんだし)

 こう私は、言い訳をするかのように心中で早口で言い

(やっぱり、女の子の事って分らんな)

 と締めくくるように思ったところで

「はぁああああああ~」

 こう大きな声で溜息を吐いた。

 ___________

 私、マリア・()()()()には尊敬している人がいる

 お父様、お母様、お兄様、お祖父様、お祖母様、侯爵様、奥様、お嬢様だ。


 お母様とお父様は、私が幼い頃に()()()()()亡くなってしまったし、

 お祖父様、お祖母さま、お兄様には、嫌われてしまったのか、

 家から追い出されてしまったけど、

 今は、それも最初よりも受け入れ切れている、

 だけど、お父様達の事は忘れることが出来ないほどに今も記憶に残っていて、

 目を瞑るとアリアリとその記憶が湧いてきてしまう

 けど、()()()()に来てからは、

 少し変な優しいお嬢様や色々なことを見抜いているような奥様、沢山の優しい同僚に気を遣って頂いて少し気が軽くなって来ました。


 ですが、私は、失敗をしてしまいました。

 きっと嫌われてしまいました。


 私が騎士のことを知っている理由を話してしまったら、

 きっと『どうしてこの家にいるんだ』

 と疑われて、

 私が追い出されてしまった理由を知られて

 お嬢様達にも嫌われてしまって・・・


 家からも追い出されて、此処からも追い出されてしまったら、

 私には、何の価値があるんでしょうか。


 私がこのような事を鬱々と考え続けているとお嬢様が

「えっ、え~と、マリーちゃん、お茶を入れてきてくれる」

 という言葉を掛けてくれた。


「わっ、分りました」

 お茶を入れたらもう用無しになって追い出されてしまうのだきっと

 そう思ってしまった私は、挙動不審になってしまった。

 震えていたのだ、しょうがないだろう、

 自分の本家よりも身分が高い上位貴族なのに加え、

 名声も富も何もかもを持っている侯爵令嬢に対して

 私は、本家の血の繋がりのある家族に捨てられてしまった貴族なのだから。


 一応まだ貴族としての籍は存在するにもかかわらず、

 お嬢様達に平民のように家名が存在しないかのように振る舞ったこともあったのだ、

 もし、露呈でもしようものなら即刻私の首が飛ぶだろう


 お嬢様が背後から冷たい視線を向けているように感じてしまう、

 私よりも歳が下のお嬢様をまるで大人のように感じてしまう。


 私は、肺から発生した氷が体全体の熱を奪っていくような感覚を覚えつつもお嬢様の部屋から出た。

 部屋から出て、結構歩いてお茶を入れるための準備をするために調理室の横に入った。

 部屋に入ると聞こえないはずのお嬢様の溜息が聞こえたような気がした。


「きっと、私は処刑されてしまうんだ」

 気のせいであろうはずなのに私は、そう言う思いを抱いてしまった。


(謝らないと)

 と言う思いが段々と積み重なり、

 私の身体に心に重みが増していく。


 ぎこちない動きになりつつもお茶を入れ終わった私は、

 お盆にカップと菓子を載せ部屋の外に出た。


 ドクンドクン

 と心臓が高鳴りを上げていた。

 このままでは、心臓が破裂するのでは無いかと言うほどだ。


 私が下を向きお嬢様の部屋に歩いていると

「あんた、じゃなくて、

 君、大丈夫か」

 と背後から問いかけられた。


 初めて聞く声なので驚きつつも、

 こんな様子を報告でもされたら

 と怖くなった私は、

「だっ大丈夫です」

 そう上ずりながら問いかけてきた人の方を向き答える。

 私の目の前に立っているのは、初めて見る騎士様だった。


「本当に大丈夫か、

 君、お嬢様の専属メイドだろ」

 と何故か私の立場を知っているその騎士様が聞いてきた。


「ほっ本当です」

 怖くなりそう言い逃げるかのようにそこを後にしようとすると

「君、お嬢様に対しての失礼で首が飛ぶって思ってないか」

 と何故か私が想像していた私の処遇を言い当てた。

 ___________

「あぁぁっぁぁああああ」

 私は、マリーちゃんにお茶を入れるために出て行って数分経ってこう大きな溜息を吐いた。


 何故か、そう問いかけられた場合は、答えるのが難しい、

 まぁ、強いて言うなら、許して貰うための方法が思い付かなかったのだ


(私は、野郎()に嫌われるのはまだ良いんだ、

 でも可愛い女の子に嫌われるのは嫌なんだ~)

 こう心中で叫んでいると

『ガチャ』

 と言う音と同時に冷たい空気が入り込んで、

 停滞していた空気を循環させるような感覚があった。


(あっ、やばい、思い付いてないのに)

 そう思い私の近くのテーブルにお茶を置いてるマリーちゃんを見ていると

 手際よく、色々と準備をし終えて

「あの、お嬢様、どうぞ」

 と言いお茶を勧めてきた。


「はい、頂きます」

 と少し緊張しながら言いお茶を飲むとお茶は冷えていた身体を温める

(ふぅ~、少し落ち着いた、どうするか)

 私がこう考え始めると

「あっ、あの、お嬢様」

 マリーちゃんが静寂に包まれていた部屋で声を上げた。

明日はクリスマスなのでどうにかして閑話をねじ込みます。

続きは明後日に出す予定になります。

閑話を書くの忘れてたらそのまま続きが出ます。

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