第65話 暴く者と隠す者ついでにそれをバラす者
「本当ですか、マリーちゃん、私嘘つかれたら悲しいですよ」
とどうにかして秘密を暴きたい思いでマリーちゃんに言うと
「わっ、私は、嘘なんてついていませんよ」
こう少し焦りが見える笑顔で言ってきた。
(流石にポーカーフェイスを覚えた方が良いですよ)
そう心中で呟き
「そうですか、嘘をついていないのならマリーちゃんは、何を焦っているんですか」
私がそうなんて返すのか気になり問いかけると
「えっ、あっ、それは~」
と思い付かなかったのか答えを出し渋っているかのように先伸ばそうとしてきた。
「早く何を焦っているのか教えてくださいよ」
こう急かすために言うと
「え~と、その、お嬢様」
と迷っているのかそう返してきた。
「教えてくださいよ、お願いしますよ~」
私がそうやって攻めていると
「あっ、えっ、その」
とマリーちゃんが言い訳を言おうと右往左往しているとまた
『コンコンコン』
と扉を叩く音が聞こえてきた。
何かしかも今回は大分リズミカルな音だった。
(誰だろうな、先生かなこんなことするなんて、
いや、でもあの神、扉なんて叩かないよな)
そう思いつつ
「どうぞ、お入りください」
と入室を進めると
「エミリー、入るよ」
こう何か昨日も聞いたはずなのに久しぶりに感じる声が聞こえてきた。
「あっ、おはようございます、お父様」
私は、入ってきたお父様に頭を下げて挨拶をすると
「おはよう」
と短く返してきた。
「どうしました、お父様」
と気になったので問いかけると
「いや、エミリーが無事かを確認したくてね」
こう安心したかのように言ってきた。
「無事って何かあったんですか」
私がこう問いかけると
「えっ、メイドさんから聞いていないの」
と驚いたように言ってきた。
「いえ、聞いてません」
こう返事をすると
「あれ、君、伝えていなかったけ」
とお父様はマリーちゃんにそう言った。
「奥様にお嬢様には隠してと言われただけで、
侯爵様には何も言われておりません」
とマリーちゃんも少し驚いたかのようにお父様に返答した。
何か除け者にされているような感じを感じた私は、
「何のお話ですか、教えてくださいよ、私にも」
とお父様とマリーちゃんに話しかけた。
「すっ、すいません、お嬢様」
マリーちゃんはこう返し
「あぁ、すまない、エミリー」
お父様はこう返し私を抱き近くにあった椅子に座り膝の上に載せた。
(あれ、なんで私は、載せられてるんだ)
そう思うほどにお父様の動きは、大変素早かった。
私でも見逃しちゃうほどだった。
「あの、せっ、じゃなかったお父様降ろしてくださいよ」
私は、最近ずっと先生としか話していなかったような気が何故かするので言い間違えてしまった。
「誰と間違えたんだい」
私の言い間違いを聞いたであろうお父様は、そう問いかけてきた。
「誰とも間違えてませんよ、噛んだだけです」
こう言い訳を話すと
「本当の事を言わないと降ろしてあげないよ」
と言いながら私の頭を撫でてきた。
(何故、この人は、撫でるんだ私の頭をよく)
そう思いつつ
「やめてください、髪の毛がボサボサになります」
と撫でてくる手を避けるように頭を動かすと
「ふふふ」
これに近いような近くないような不思議な笑い声を上げ、
私の頭の動きに合うように手を動かしてきた。
お父様が撫でてくるせいで一時的に忘れていたことを
「あっ、あの~、お嬢様大丈夫ですか」
と言う呼ぶ声で思いだした私は、
「お父様、何があったのか教えてください」
こうお父様の顔を見上げるようにして言った。
「あぁ~、良いよ、
実は、昨日の夜、不思議で強い魔力を持つ生き物、
多分、魔物がこの辺りで暴れていたんだ、しかも2匹」
と怖いことを言ってきた。
(えっ、本当に暴れてたの、
私達、危なくなかった、もしかしたらそれが、襲ってきた魔物かな、
あれ、でもそれじゃあ、数合わないな、
ていうことは、もう1匹は、先生か)
そう思いつつ
「お父様、どうしてそれが分ったんですか」
気になった事を問いかけると
「エミリーは、まだ習ってないから分らないと思うけど、魔法を使っていたんだ」
とお父様は、教えてくれた。
(索敵の魔法でもあるのかな)
こう思った私は、
「どんな魔法を使ったのですか」
と問いかけると
「エミリーは、魔法が気になるのか、
それじゃあ、教えてあげよう」
そうお父様は言い、何故か私の頭を撫でる手を少し強くした。
「え~と、確か、
《結界魔法》を応用して魔力の探知も出来る魔法をこの屋敷の周りに張ってあるんだ、それに昨日の真夜中、エミリーは寝てる時間に突然、
2つの強い魔力の反応が引っかかったんだ」
お父様は、私にこう言い説明した。
(結界魔法ってなんぞや、
えっ、確か、私の教科書には、
《火》《水》《土》《風》《闇》《光》《聖》《創》
しか乗って無いはずだぞ、他にあったのか)
驚き、後で調べ尽くそうと心の中で私は、誓いを立てた。
「あっ、そう言えば、お父様、危ない魔物が現れたかもしれないのになんですぐに私の安否を確認しに来なかったのですか」
ふと気になった事を問いかけると
「それは、本当は行きたかったんだ、
だけど、僕も忙しかったと言うのと、
エミリーが生きて此処にいるっていうのは分っていたから、
後回しにしろって従者に言われ続けてたんだよ」
と何故か悔しそうな声で言ってきた。
(あれ、どうしてお父様は見ても無いのに分るんだ)
そう思った私は、
「どうして、私が生きてること分ったんですか」
と問いかけた。
小話
結界はお父様が張ったわけでもないしお母様が張ったわけでもありません、
張ったのは、学園編のメインキャラ予定のキャラです。
立場、予想してみてください、今のところヒントも一切ないですけどね、
答えは、ストーリー進行すれば分かります。




