第60話 猫に近づいた先生
何にも名前の案来なかったから(笑)付けたよ~
チカチカと目眩がしてきていた。
魔力がもう少ないのだろう
微妙に吐き気もするし。
目の前で火花を散らしぶつかり合う槍を見ながら私は、次の先を考えていた。
(次は、何をすれば良いんだ、
闇を生む魔法に質量でも持たせて盾にするか)
こう思ったところで
(駄目だな、成功確率が低い)
と思い次の策を講じていると
『カキン』
これに近い音が鳴り私は、尻餅をつき、目の前で散っていた火花は消えて、
私の槍は、宙を突き進み空中に散っていた。
(やばい、もしかしてズレてたのか)
私がそう思い次の槍を生み出そうとしたところで
『バン』
という音が私のすぐそばで聞こえてきた。
その音に伴い舞い上がった粉塵に
「ごほごほ」
と咳をしながら
(まさか、成功したのか、マジで)
そう思いつつ音の鳴った方を見るとそこには、黒い槍が回転しながら突き刺さっていた。
(ドリルみたいだな)
そう思っているとその黒い槍は、空気に四散していった。
「あぁ、よかった、先生」
私は、先生を下ろしながらそう言った。
「はぁぁぁ、良かったぁぁぁ、生き残ったぁぁぁ」
先生を地面に下ろすと開口一番でそう言った。
「すいませんね、先生」
私が持ったせいで先生を危機に巻き込んでしまったので謝ると
「君は、馬鹿か、謝罪より先に御礼を言ったらどうだ」
と怒るかのように言って来た。
「御礼って何ですか」
そう問いかけると
「君のお願いで僕が防御魔法を使ったんだよ、
御礼を言いなよ、謝罪じゃ無くてさ」
とまた怒ってきた。
「そうですね、忘れてましたすいません、本当にすいません」
私がそう謝ると
「だ~か~ら~、謝罪よりも御礼を言えよ」
と言って来た。
「分りました、ありがとうございます」
そう言い終わると私は、頬に熱い筋が流れていくのを感じた。
「どうして泣いているんだい、
泣くよりも喜んだらどうだい」
と笑うかのように言って来た。
「泣いてませんよ、大丈夫です」
そう言い目の汗を拭き
「本当にありがどうございまじだ」
と涙声で言ってしまった。
「君は、泣くくらいなら、笑えよ、
そっちの方が、君に似合うよ」
と冗談めかしていって来た。
「わがりまじだ」
どうしても声は、変える事なんてできなかったし、
死の恐怖によって、決壊してしまった涙のダムは、留まることを知らぬかのように流れ続けた。
そうして、泣き続けて、私は、いつの間にか抗えないほどの眠気が襲ってきていたので、私は、寝る前に
「ありがとうございます」
と先生に御礼を言って深い眠りについた。
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『ククククククククク』
深い森の奥で一人の幼い外見をした黒髪の少女は、
木の枝に座り気味の悪い笑い声を上げていた。
『いや、まさか、あれを耐えるなんて、
ククク、驚きだな、本当に天才だな、
ありゃ、違うのか、あの子は君達の目から見たら鬼才なんだ』
と少女は、何もいないはずの夜空に話しかけていた。
『クククククククク、
そう言えば何で、あの子に付いてるあれって何か分る皆は』
少女は、先程まで観察していた少女に引っ付いている黒猫の姿形をしている何かを思いながらそう呟いた。
『そうなの~、知らないんだ、そうだよね、私も一度も見たことが無いし、
あれって、本当に何なんだろうね』
少女は、空にフヨフヨと揺らめいてる友達、
違うか、眷属にそう話しかけた。
『そうだ、君達であの子に付いてる何かを探ること出来るかな、
私の魔力も込められているのに加え、
あの少女の頭の可笑しい魔力が込められた攻撃魔法を弾いたんだ、
何か危ない存在かもしれないからね』
と眷属の1匹に命令を下した。
『どうして怖がっているの、
君達は、ただあの何かを探れば良いんだよ、
逃げていないで早く行きなよ』
少女は、恐れるかのように留まっている眷属にそう急かすかのように言った。
『あっ、そうだ、あの少女も調べてきてくれないかな、
火力自体は、対して恐れるに値しないけど、
操作性が異常に高いし、それに加え、
魔法の主導権を奪ってもあの子、少しだけど干渉してきていたから、
あの子も警戒しないといけない、
でも、あの子が闇魔法使いだって事には感謝しか無いね』
そう言い終わると眷属は今度はすぐに調査に出て行った。
『あっ、死んじゃった』
少女は、黒猫の形をした何かを調査するために出て行った眷属との繋がりが途絶えるのを感じそう呟いた。
『はぁぁぁぁ、どうして、殺されちゃうかな』
溜息をするかのように呟いた少女は頭をガリガリとかきながら、
『そこで、見ていないで君達も行ってよ』
と近くで待機していた2匹を更に調査に向かわせた。
『もう、今度は、死なないでよ、面倒くさい』
少女は、去っていく眷属にそう言葉を掛けた。
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私は、
「足、いっっっって」
そう言いながら起き上がった。
「起きてすぐに言うことか、っな」
先生は、蝶を狩る猫のように飛び跳ねながらそう言ってきた。
「どうしたんですか、先生、姿だけじゃ無くって精神も猫になったんですか」
私がそう問いかけると
「馬鹿かい、そこにいた精霊を殺していたんだよ」
と言って来た。
「虫がいたんですか、それなら早く起こしてくださいよ、私は虫は苦手なんですよ」
こう言うと
「あっ、新しくもう2匹精霊が来たよ」
と驚いたかのように言って来た。
「来たんですか、どうして、虫が近づいてくるんですか」
私は、そう言い立ち上がろうとしたところで
「ズキ」
と電気のように痛みが走った。
「あっぐ」
そう呻き声を上げると
「大丈夫かい」
と問いかけられると私は、足を見た。
足は、結構ちゃんと青く腫れていた。
(あっ、ヤバいな、出てくるときに失敗したのか)
そう思った私は、
「先生、手短な木の枝って無いですか」
先生にそう問いかけると
「君が持ってる木の板使えば」
そう返答をされてそう言えばそんなの作ったなと思い出した私は、
倉庫から取り出し、手に持って
(これ、大きくね)
と思ってしまったので
「先生、魔法で丁度良い感じに切って下さい」
と頼むと瞬間木の板は、良い感じの大きさになった。
(取り敢えず、添え木でもして逃げるか)
こう思った私は、本当は、こんな高そうな生地破りたくは無いけが被っているローブを破り、木と一緒に足に結び
「先生、逃げましょう」
と呼びかけ足を引きずりながら逃げ帰った。
作中に登場した黒髪少女は、多分これから出てくることが次章まで無いはずなので忘れてくれても構いません。
良い感じに主人公を邪魔するムーブをさせられるのなら登場させます




