第6話 そうだ、本を読もう
少し修正が雑です。
当初の文章が不思議だったので。
「あっ、そうだ。お父様、私本を読みたいです」
騎士団長の襲撃により忘れていた本来の目的を口にした。忘却の彼方にやるとこだった。危なかった。
「分かったよ。付いておいで」
撫でることが出来なかった為にだろうか、若干不貞腐れているお父様はそう言い、歩き出した。
(いい大人なのにどうして、こんな不貞腐れてんだ)
何となく理由が分かっているが疑念の視線を送り、お父様の後ろを付いていった。
そうして、図書館にはすぐに着いた。昔来たときはもう少し遠かった気がしたのだが、不思議だ。
(これも成長か、ハハハ)
少しばかり嬉しさがあった。
「お父様、ありがとうございました」
お礼を言い、ちょっと高めの扉を開ける。
深呼吸をすると、インクと古い紙の匂いがした。
(どっかで聞いたけど、インクの匂いってお腹を壊すんだっけ)
雑学を思い出しつつ、どのような本があるのかを適当に歩きながら見た。
歴史、地理、戦略、国語……と沢山あった。
地理とかは元の世界と比べ、たぶんまだまだ発展の途中だと思う。
今の具体的な暦は分からないが、たぶん中世だかルネサンスだかそれくらいなので、そこまで発展してないだろう。ということで一端パス。
さて、先程はあげていないが大変惹かれる拍子の本があった。魔法だ。この言葉に胸が躍らない厨二病患者はいないと思う。
やっぱり異世界転生と魔法はニコイチだよな。
やっぱ、テンプレ展開ってさいこーだな。
まあ、歴史とか、法律も必要になるだろう。
だが、まずは魔法の書を読み切ってからだ。これは譲ることが出来ない。
よし、早速だが、魔法の書を読んでみようと思う。
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何個か読み終わり、分かったことがある。
魔法の書は数が多かったこと。
それと難易度の差が激しいこと。
それ故に、私は独断と偏見、それと勘により『初級、中級、上級、特級、例外』この四つに分けることにした。
初級~特級はその名の通り難しさだ。
それでは例外は何かというと、才能面が大きく影響する魔法の事だ。
普通の魔法に才能は必要ないのか、と聞かれると別にそういうわけではない。通常の魔法、初級ですら魔法は才能が必要だ。簡単に羅列すると『魔力量』『操作のセンス』『想像力』この三つ。
私には、どれがあってどれが無いのかは分からない。分かるはずもない。
それで、例外には魔法ごとの才能が必要らしい。
具体的にどんな才能が必要なのかは分からない。「才能が必要である」とは書いてあるのだけど、具体的には何も書いてないからね。
普通は列挙しそうなもんだけどね。
まあ、そういうことなので一旦例外は忘れて欲しい。
さて、私は思いました。普通の魔力に必要な三つの才能、これって成長させれるのかな、と。
結論としては成長させれるらしい。
具体的な方法は、私の愛用書と化した【魔導書 入門】によるとどうやら、魔法をぶっ倒れるまで使えば操作、魔力量この二つを効率的に成長させることが出来るそうだ。
センスは生まれつき。これはもうどうしようもない。
取り敢えずは、どうにかなるだろうの精神でいこうと思います。
ということで、私は何の魔法を使うか、と大いに悩んだ。
『火』『水』『土』『風』『闇』『光』『聖』『創』と魔法には属性が、結構多く存在する。
けれど、どれも家をぶっ壊す可能性があるみたい。火は火事になるし、水は浸水とかね。
っで私の場合秘密裏にやろうとしているため、少々難しいのだ。
家を破壊する可能性も考慮しながら、どの魔法を使えば良いのかを悩み続けた。
そして『なんか、ロマンがある物を極めよう』と頭を使わない決め方をすることにして、『闇』『光』『創』の魔法を極めることにした。
それにこの三つだったら余程のことがない限りは、家を破壊しそうにないしね。
ところで闇魔法、光魔法、創造魔法にはどのような物があるのか気になる人も多いだろう。
だから、説明してあげる。感謝してよね。
……思えば、何かキツいね。いい年したおじさんが、ツンデレの真似事って……。
自分でふざけ、羞恥心を抱きつつも脳内にまとめた。
まずは『闇』ロマンがあるね。
・精神干渉(不)
・光を消す
・物体を消滅させる
・武器への付与
・腐敗
等少々禍々しいが、ロマンがあって格好が良い。
次に、『光』ロマンがある。
・回復
・光をともす
・武器への付与
・精神干渉(聖)
・腐敗の浄化
等だ。何か凄く聖女向けに感じるかもしれないが、本曰く聖女は、上位互換の『聖魔法』を使うらしい。
ちなみに聖魔法は才能が必要だから、やる気はないよ。
最後に『創造魔法』すっごいロマンの塊。
・魔法の創造
・物質の創造
・生物の創造
この三つ。ロマンがあるが、どうやら聖魔法と同じく才能面が大きく、私が例外と定義したものに属する。
まあ考えるよりも、とりま実践をしよう、と考え、魔法の呪文を見つめた。
(唱えないと始まらんし、しょうが無いよな。ちっと恥ずかしいが)
厨二病的で、古傷を抉る文字の羅列に思うが、覚悟を決めた。
「まず、闇魔法」
小さく声を漏らし、近くにある蝋燭に掛けてみることにした。
「ふぅ」
少し息を漏らし、蝋燭に向かって魔法の詠唱を始めた。
『あぁ~闇よ。私の願いを、憎悪を、闇の黒より更に暗い黒の神、深淵の神に届けたまえ。私の前にある敵に、闇の恐怖を、憎悪を与えたまえ。全てを破壊し、全ての者に恐怖され、全ての者に憎まれる神よどうか、私の前の愚者に、骨の髄まで凍り付かせるほどの恐怖を。貴方が感じた憎悪を奴に見せてくれ。奴の未来から光を消したまえ』
すっごい恥ずかしくて長い詠唱が終わると、蝋燭の火が見えなくなった。
あれ? 光をなくす魔法の筈だけど……。
あっ、でもよくよく考えるとそうか。光がないのなら、蝋燭の火が見えなくて当然か。
「じゃっ、じゃあ次は、光の魔法をまた蝋燭に掛けてみよう!」
成功の喜びに打ちひしがれながら呟く。
そして、再度深呼吸をした。
恥ずかしいセリフを言う覚悟を決めるために。
『光よ光。呪われし者すら、憎悪される者すら、罪人すら優しき慈愛によって包み込む光の神よ。目の前に座する呪われし、悪しき者に貴方の慈愛を与えたまえ。この者に闇の手中に墜ちた者に長い長い苦痛に苦しむ者にどうか、どうか、貴方の慈愛を分けて癒やしを、光を未来に光をともしたまえ』
そして、詠唱が終わると同時に火が現れた。
だが、蝋燭の周りが不自然に明るくなることはなかった。
「何でだろ? 光を灯す魔法なのに……。多分相殺されたのかな?」
失敗原因考えていると突如として視界が揺れた。
グルグルと廻って廻る、吐き気を催す揺れ方だ。
「あっへ、何が?」
疑問を最期に意識は、先程まで見えた闇の魔法よりもっと、もっと、もーっと暗い暗い奔流にながされていった。
次に目を覚ましたのは、暗い暗い闇の中。
いや、闇というのすら生ぬるい、意識を攫った奔流とは比較にならぬ深淵の中だった。
例外の説明
《氷》《炎》etc.
推敲完了2024/12/31