第57話 先公の教育
前回、『異世界令嬢はテンプレを望む』ってのを考えたと書いたはずですけど、
地味にこの主人公、テンプレ望んでないね、気付いてなかった。
どっちかというと俺ツエー展開望んでた。
『異世界令嬢は、俺ツエー展開を望む』
に変えた方が良いかもしれませんね
「先生、精霊とか神がいたら木って生えなくなるんですか」
私は、先生の発言で気になった事を問いかけると
「強い奴の近くだと生えなくなるよ、
木も萎縮しちゃうんじゃ無いかな、強い奴はヤバい魔力してるし」
とまた気になることを言ってきた。
「ヤバい魔力って何ですか」
私がそう問いかけると
「精霊とかの化け物は変な魔力をしているんだよ、
そう言う奴らのは本当にヤバいんだ」
と面白い事を言ってきた。
「そうですか、そんな奴もいるんですね」
私は、適当に返して
「それじゃあ、やりますか、先生」
と先生に言った。
すると、
「ちゃんと狙いを定めてよ、
僕に撃つんじゃ無くて、木に打つかもしくは虚空に撃ってくれよ」
と必死に焦ったように言って来た。
「どうして、そんなに焦ってるんですか」
私がそう問いかけると
「魔法を喰らったら流石に僕も痛いからね」
と私を警戒しながら言って来た。
(酷くね~か、そこまで警戒するなんて)
こう思いつつも
「先生って神様なのに私程度の魔法でも警戒するんですか」
私が煽るようにそう言うと
「君には、変に魔法の才能があるせいで僕も怖いし、
現に君の魔力の質的に危険なんだよ」
と少しずつ離れながら言われた。
「どうして、離れるんですか」
私が先生に近づきながらそう言うと
「やめろ、僕に近寄るな、そこで止まれ、命令だ」
と先生は、叫びながら走って逃げていった。
「どうしてですか、良いじゃ無いですか、止まってくださいよ」
逃げる先生に対して私は、そう叫びながら追いかけた。
「やめろ、そこで止まるんだ、魔法を撃つぞ」
と言う脅しが聞こえてきた。
「あはは、私がその程度の虚仮威しが効くと思ってるんですか」
私がそう言い先生に近づこうとしたら私はクルッと足を振り上げるようにすっころんだ。
「痛い、マジでやったの、あんた正気か」
私は、先生が魔法を本当に使ってくるとは思っていなかったので少し切れた。
「馬鹿だね君、僕は君に忠告はしたんだ」
そう言い私に更に魔法を撃ってこようとしてきた。
「ヤバ、あんたふざけんな」
こう言い私は、転がり先生の攻撃を回避した。
私が先程までいたところにはクレーターが出来ていた。
(あれ、これやばい、この神ガチだ)
そう思いながら私は、全力で立ち上がり魔法を打ち返そうとした。
すると、パーンと言う音と共に私の額に小石がぶつかった。
「いったー、あ~」
私が悶えながらこう叫ぶと
「自業自得だ、馬鹿野郎」
と先生は、怒ったような声で言ってきた。
「私も悪かったと思いますけど、普通本気で撃ってきますかね」
私が少しだけ目に涙を浮かべながらそう言うと
「責任を転嫁しないでくれるかな、
それとも、君はもしかして更に魔法が欲しいのかな」
と目が笑っていない表情で言って来た。
「すいません、本当、すいません、それだけは勘弁してください」
私は、先生にそう言いながら土下座をした。
避けれる自信があったのなら反撃をするのだが、
先生の魔法は、多分本気じゃ無い、次は避けれない
と言うことが何となく分かってしまったから私は、反撃もせずに煽りもしなかったのだ。
「そうか、そうか、分かれば良いんだよ、それじゃあ」
そう言って離れようとした先生に対して私は、
「先生、逆に離れた方が危険なんじゃ無いですか」
と土下座した状態でこう言った。
「どう言う事だい」
先生は、如何にも訝しむかのように言って来た。
(どうして、そんなに疑ってくるんだよ)
そう思いつつも私は、
「先生、私は、魔法の操作ができません、
貴方も分かると思います。
もし、遠くに離れてしまったら、私が操作を間違えて先生に飛ばすかもしれません」
こう言うと
「君は、遠くに行ったら偶然に装って魔法を飛ばすって事かい」
と怒ったように私の考えを察してきた。
「まあ、簡単に言えばそういうことです」
私が先生の言葉に同調するかのようにそう言うと
「分かったよ、屑が、君に従ってあげよう」
と口汚く言って来た。
「あはは、先生、口が汚いですよ」
私がそう言うと
「ははは、そうだね」
と一切笑ってない感じに言われてしまった。
(こっわ、本当に怖いな)
そう思いつつ私は、先生を持ち上げた。
「よし、早速やりますか」
私がそう言うと
「君、魔法の書を持ってきたかい」
と問いかけられた。
「持ってきてませんよ」
私がこう言うと
「どうして持ってきていないんだい、
君、もう感覚が分かったのかい」
と問いかけられた。
「もう、分かりましたよ、先生」
と私がそう言うと
「凄いね君、馬鹿なことを除けば君を尊敬するよ」
私の腕の中でそう言った。
「馬鹿って酷くないですか」
私が文句を言うと
「事実だろう」
と笑い声で返された。
「先生、本当は私の事一切尊敬していないでしょ」
私がそう問いかけると
「僕は、君の魔法の才能だけを尊敬しているんだ」
と“だけ”を強調して言われた。
(酷くね、まぁ、魔法は、転生特典なのか知らんけど、
一回やれば基本出来るようになるけど)
私がそう思っていると
「早くやれよ、君は会話をするために出てきたわけじゃ無いだろう」
と馬鹿にするかのような声で言われてしまった。
「あぁ~、そうですね、分かりました」
私は、そう言い魔法を行使した。
少し前の先生の呟き(先生がどれだけ警戒しているか書いてます)
「地味にあの子の魔法は怖いな、
何故かよく分からないけど壁に反射するし、
早いし、火力も最初の割には高いし、練習すれば最高位の精霊でも殺せるんじゃ無いか」
そう言い少し先生は、顔を引きつらせました。




