第45話 成功、初のリボン結び成功
ガチの命の掛け合いの戦いをあと、何話か後に書きます。
頑張ります。
(ハンカチで私の手を包んで結ぶだけでどうしてこうなったんだ)
私は、そう思いながらもう、5回目くらいになるメイドさんのやり直しを見ていた。
(どうしてだろうな、やり方はあってるはずなんだけどな、どうして、こんなに独創的な見た目になるんだ)
私は、その事が気になりつつももっとわかりやすく教える方法は、ないものかと考えていた。
ミスに気付いた私が
「メイドさん、そこ違います」
こう言うと
「すいません、お嬢様」
と直ぐに謝罪の声が聞こえてきた。
(これは、多分私が気付いてないミスがあるな)
そう思い先程よりもちゃんと全ての動きを見逃さないように目に集中力を向けた。
(今のは私のやり方と違うだけで別に構わないよな、
これか、いや、これも別に良いのか)
私は、メイドさんの結ぶ際の手の動きを見つつ心中でそう呟いた。
そうして、6回目が終わった。
そして、私は、何処が違うのかを理解することが出来なかった。
(あっれー、これ本当にどこか分からない、
えっ、なんで、なんでこんな独創的な見た目になってしまうんだ)
私がそう驚いていると
「あの、お嬢様、最後にもう一度チャンスを下さらないでしょうか」
結べないのが悔しいのか泣きそうな声でこう言ってきた。
「別に何度だってやっても構わないけど」
私がそういうと
「今度こそ絶対に成功できるのでお願いします」
と芯の強さを感じるような声でそう言ってきた。
「っわ、分かりました」
(どうして、こんなに真剣な声で言うんだ)
そう思いながら私は、こう言った。
(腕上げ続けるの辛いな、これは、明日筋肉痛かな、
まぁ、流石にそんなわけ無いか、流石にねぇ~、上げてるだけだから)
私は、そう思いつつもメイドさんの動きに注目していた。
先程よりも独創的な見た目をしているのは事実だが、
本来しようとしている結びには近づいて言っている。
(あれ、そう言えばこれってリボン結びだよね、
どうして、こんな形になってるんだ)
そう思いつつも理解をする事が出来なかった私は直ぐに諦めることにした。
(頭では、理解してるけど体が付いていかないのかな)
そう思いつつ
(何故か、少し焦ってるように見えるな)
こう思った私は、
「焦らなくても良いよ、落ち着いてね、何時間でも付き合うから」
と出来るだけ焦らせないように優しい声で言った。
「分かりました」
更に緊張したかのような声でそう返してきた。
(やば、掛ける言葉間違えた)
そう思い私は、アワアワしそうになるのを我慢し観察を続けた。
数秒間私が観察を続けていると私の手の甲には不格好ながらもちゃんとした独創的では無い、普通の結び目が出来ていた。
「出来ました、お嬢様」
メイドさんは、嬉しそうに笑顔でそう言った。
「凄いですね、メイドさん」
私も何故か出来たのが嬉しくなってそう言うと
「はい、お嬢様、出来ました」
と出会ったって以降見たことも無い可愛らしい笑顔でそう言った。
(何で今まで出来なかったんだろう)
私は、そう思いながら嬉しくなって笑っていた。
ふと
(もう、血も固まってるけど解かなくても良いかな折角やってくれた訳だし)
私は、そう思った。
(そう言えば御礼を言ってないな)
こう思った私は、
「ありがとうございます、メイドさん」
と俺の言葉を心から言うと
「あっ、こちらこそありがとうございます、
お嬢様のおかげで結ぶことが出来るようになりました。
それと、すいません、お時間をお掛けしまして」
まだ冷めやらぬ興奮があるのかそう言った。
「いえいえ、大丈夫です、メイドさん
私が頼んだことを全力でかなえてくださったわけですし」
と笑いながら言うと
「そう言ってくださると嬉しいです」
こう笑顔で返してくれた。
そう言えば、と言う思いで私は、気になった事を問いかけた。
「メイドさんは、どうして、あんなにえ~と、
独創的な結び方を出来るのでしょうか」
と聞くと
「えと、それは」
メイドさんは、言い辛そうにこう返事を返してきた。
「教えてください、メイドさんお願いします」
私が上目遣いという生まれて前世から含めて初めて使うお願い方法をした。
「わっ、分かりました」
と言葉に詰まったようにメイドさんは言い話し始めた。
「えと、私が、リボン結びをきちんと他の方のように結べないのは、私の手が不器用なのが原因なんです、このお城にいる従者の皆様は、手先が器用なので教えを請うことによって他の方に迷惑を掛けてしまうのでは無いかと思い貸してくださった教科書でしか勉強が出来なくて、きちんとしたやり方も分からなくて」
と理由を教えてくれた。
「そうなの、それは、まぁ、しょうが無いわね」
私は、そう言いメイドさんの言うことに納得することにした。
(それだけであんな形になるとは思えないけど、
きっとメイドさんの言うとおりなんだろう、多分)
と自分を納得させたからだ。
(あっ、そうだ、あのことも聞こう)
そう思った私は、出会ってから一度も聞いたことの無い事を聞くことにした。
「メイドさん、聞いていなかったのですが、貴方の名前は、なんて言うのでしょうか」
と問いかけた。




