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第40話 先生のお願い

今回も2000文字です。

行けました。

多分これからも行けると思います。

 私は、魔法で作り出した石柱によってへこんでしまった床を直すために魔法を使っていると、

 頭に熱が籠もり爆発しそうになっているような感覚を覚えていた。


(あと、もう少しだ大丈夫、まだ行ける)

 私は、自分を洗脳するかのように何度も何度も何度も頭の中でその言葉を反芻し続けた。


 そうして、どうにか、ホントどうにかして、木材を作ったところで私は、頭を床に突っ込ませるようにして膝から崩れ落ちた。


「先生、助けて下さい」

 私は、床とキスをしながらそう言うと

「本当に魔力を全部使って木の板を作り出す馬鹿がいるとは思わなかったよ」

 と全力で馬鹿にするように言って来た。


「私は、馬鹿じゃありません、

 あと、先生、馬鹿にする前に助けて下さいよ」

 と鈍痛が響き続ける頭を叫びたいのを我慢しながら先生に顔を向けて言うと

「どうしようかな~、助けてあげようかな~」

 そう私を煽るように言って来た。


(ふざけるなよ、助けてくれても良いじゃん)

 そう思いながら

「お願いですよ、使う前に魔力をくれるって言っていたじゃ無いですか」

 私が、そう言うと

「僕が、何時そんな事を言ったのかな」

 と惚けるような声を返してきた。


(いやいや、言っていたでしょ)

 私が、そう思いながら少し前のことを思い返した。


(まず私が、

『分かりました、やります、やりますから、倒れた後に魔力を下さい』

 こうお願いしたはずだ、確かその次に先生が、

『君、そんなにいらないだろう』

 そう返してきたはずだよね)

 そこまで考えて私は、

(あれ、そう言えば、先生、了承してなくね)

 その事に気付いた。


「あっ」

 私が、そう呟くと先生は、嗤ったような声で

「ちゃんと確認を取ってない君が悪いんだよ」

 と言って来た。


「あっ、あの、えと、え~と、あの、

 先生、その、ちょっ、ちょっとお願いしたいのですが」

 私が、そう言うと

「なんだい、言ってみたまえよ、魔力は、上げないよ」

 と大分うざい言い方で返してきた。


「あっ、あの~、その、

 魔力は、良いので私の代わりに床に出来ているへこみを直して貰って良いですか」

 そう、少し涙声になりながら頼むと

「どうしようかな~、してあげようかな~」

 とふざけたような返事をしてきたもののしてくれそうだなと思っていたところで

「でも、それって、僕に利益が無いよね」

 こう、嘲笑うように言って来た。


「お願いです、本当にお願いします。

 一生のお願いです、ホント、マジでお願いします」

 と頭を床に擦りつけながら令嬢とは、思えないようなことを言うと

「君がそんな風に頼んでくると良い気分になるよ」

 こうマジでふざけたような事を言ってきた。


 少しだけ、ほんの少しだけ殺意が湧いてきて睨んでいると

「そんな、殺気を出すって事は、僕は、君をこのまま放置してても良いって事なのかな」

 と笑いながらそう言った。


「お願います、それだけは、それだけは、止めて下さい、

 せめて、本当にせめて、床だけ直して下さい」

 と出ていただあろう殺気を収めつつ言った。


「そこまで言うなら、僕のお願いを聞いて貰う代わりにやってあげよう」

 とデジャブを感じるような事を言って来た。


(これ、前もこんな事あったような気がするな)

 そう思いつつ、

「分かりました、それでも良いので床を直して下さい」

 提示されるお願いも不明なまま私は、それを飲んだ。


「もう、しょうが無いな」

 先生は、煽るようにそう言い不思議な魔法を使い瞬きくらいの時間で床を直していた。


「先生、今何の魔法を使ったんですか」

 こう私が問いかけると

「秘密だよ~、それよりもだよ、君にお願いを言うよ」

 とはぐらかすようにこう言ってきた。


「お願いですか」

 私が、内容に今更恐怖を感じそう呟くと

「君には、いや、やっぱいいや、

 それじゃあ、え~と、そうだ、この黒い石柱どうにかして貰えるかな」

 と一端何かを言おうとしたところで別のお願いに変えてきた。


「分かりました、けど、どうすれば」

 私が、そう言うと

「う~ん、君に僕の魔力を少し上げるから、魔法を使ってどうにかしてくれないかな」

 そう言った直ぐ後に私の全身にあった痛みが、殆ど無くなった。


「魔法を使ってですか、何の魔法を使えば良いんですか」

 私が、そう立ち上がりながら、問いかけると

「それは、自分で考えてくれないかな」

 と言い私をジーと見つめ返すだけだった。


(う~ん、どうしようかな)

 こう考え続けても思い付かなかったので

「どうすれば良いのか、ヒントを下さい」

 こうお願いをした。


「ヒントか、分かった、ヒントなら教えてあげよう」

 先生は、少し迷うような仕草をした後にそう返事をした。


「ヒントか~、そうだな、

『闇魔法』、『影』この二つが言えるヒントだよ」

 とヒントとは言えないようなヒントをしてきた。


『闇魔法』と『影』

 この二つの単語を私は、頭の中で反芻させ、前世と今世で見てきた本の内容を思い出し始めた。


(そう言えば、闇魔法の中には、影を操ることの出来る魔法があったような)

 前世の知識でそう思った私は、今世で読んだ闇魔法の魔法書の内容を思い出し始めた。


(影を操る闇魔法・・・)

 目をつむり思い出していると記憶が甦ってきた。


(確か、影を自分から分離させ飛ばす魔法)

 これが出てきたが、多分関係ないので別のを考え始めた。


 その後も、『影に質量を持たせる魔法』、『影を消す魔法』、『影に触れた生命体を消し去る魔法』ここいらのことを思い出し

(違うよな)

 その度にそう思い選択肢を潰し続けてた。


 すると、良さそうな魔法を思い出すことに成功した。

 それは、

『影に物を収容する魔法』

 と言う、如何にもと言う物だ。


 その魔法を思い出した私は、使うことを即決した。


 決めて直ぐに私は、魔法を使うために頭を回転させ始めた。

(影を巨大な倉庫だと思えば良いか)

 そう考え魔法を展開した。


 すると、自分の影がまるで悪魔のように伸びていき石を段々浸食していくように見えた。

(どっちも色が黒いから分からん)

 そう思いつつ見ているといつの間にか石は消え、

 私は、自由落下を始めていた。

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