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第380話 イジメ、ですかね?ダメですよ。

ギリギリセーフ、時間なくて雑だけど、許して!

「あっ、お久しぶりです」

 痛む尻を撫でながら、目の前で胡座をかくモンド先生に言うと、

「うん、久しぶりだね」

 と返事をしてくれた。

 その声からは、特に怒気は感じなかった。

 どうやら、先生のお腹に落ちたことは怒っていないようだ。


 少しの安心をしつつ、

「・・・先生はどうして部屋にいるのです?」

 強く感じた疑問を呈した。


「そりゃあ、君の身代わりをしてるからね」

「えっと、本日は学院に登校する日でしょう?」

「風邪の演技をしたのさ」

「・・・ああ、なるほど」

「僕が行く必要性はないだろう?」

「確かに」


(これで変な心配せずに済むな)

 先生の選択に感謝をしていると、

「それで、どうしたんだい?」

 と意味の分からぬ問いかけをしてきた。


「何がです?」

「僕からは、君の足がないように見えるんだけど」

「ええ、少々選択を間違えまして、失ってしまいましたよ」


 あっ、そうだ、と

「足って直せますかね?」

 可能かどうかを問いかけた。


「うーんと、無理なわけではないね」

「へぇ」

「まあ、君の判断によるかな」


(・・・うーん、どうするべきか)

 少々悩み、そして、

「実際の足に限りなく近い義足、って作れます?」

 と問いかけた。


「君の想像次第かな。というか、直さないんだね」

「戒め、と言いましょうか、なかったことにしたら、自分の過去の失敗を忘れる気がして」

「君、案外記憶力が良いから、大丈夫だと思うけど」

「いえ、なんというか、度々よく分らないことに『大事』なはずの記憶が、消し飛ぶことがあるんです。それが怖いんですよ」

「忘れるほどのことだから、大事ではないと思うけど・・・」


「確かにそうかも知れませんけど・・・」

 少し納得をすることができなかった。

 思い出すことはできないのだが、何らかのことを忘れてる気がする。


「それで、今すぐやるかい?」

「いえ、魔力がないので無理です」

「貸そうか?」

「あっ、それじゃあ、やります」


 と返事をして、数秒後に魔力が回復した気がした。

 感覚的なもので分かりづらいが、少し元気になった感じだ。


「さて、やりますか」

 独り言を呟きつつ、適当に創り出していった。

 そして、血管だったり、健だったりと記憶にある限りの像を思い浮かべ、魔法を行使した。


「うん、まあ、できましたね」

 少々断面のグロさに驚いていると、

「・・・なんだか、予想以上に魔力が減ってるね。接着は僕がやったげるよ」

 と声が掛けられた。


「あっ、お願いします」

 グロくて見るのが嫌だったため、頼んだすぐ後に、

「・・・なにか変な魔法があるね」

 呟くような声が聞こえてきた。


 何を言ってるのか、と問おうとしたが、

「痛いと思うけど、耐えてね」

 という言葉に遮られ、

「はぁ? 何言って───ッツ、あっ、ぐっ」

 苦痛に喘ぎ声を漏らすことになった。


 一体どうして、と痛みに悶えながらも考えていえると、

「実に面白い魔法だな。とても乱雑な延命、いや応急措置かな?」

 と考察する声が聞こえてきた。


(考えてないで、さっさと終わらせてくれ)

 薄れ不明瞭な意識で考えると、意識が霧散してしまった。

 どうやら、痛みに耐えることができなかったようだ。


 …………


「・・・痛い」

 魔力が足りない感覚、あと足の痛みがまだあった。

 だいぶ抑えられて、成長痛くらいではあるが。


(先生、何処だろう?)

 辺りを見渡してみた。

 けれども、何処にもいなかった。

 どうやら、出かけてしまっているらしい。


 掛けられた布団を剥がす。

 すると、目に映る足はついていた。

 叩いてみると、痛覚もあった。

 私の魔法は完璧だったようだ。

 その為に、未だ魔力が回復しない、などという事実が突きつけられてしまっているのだが。


「はあ」

 溜息を漏らし、立上がってみる。

 そして、感覚的に動かせるのを確認していると、扉が叩かれた。


「はい、どうぞ」

「失礼します。おはようございます。お嬢様、お体の調子は如何でしょうか?」

「おはようございます。アリアさん、絶好調ですよ」

「それでは、本日は登校なさいますか?」

「えっ、あっ・・・勿論です」


 アリアさんの発言に、

(ああ、マジか、一日気絶してたのか)

 と気付きたくない事実に気付いてしまった。


(まあ、頑張るか)

 時間を浪費した感、というのが拭いきれないが、切り替えた。

 そして、着替えたり、久しぶりのご飯を食べたりして、学校に登校をし、面白うない授業や取り巻きの上っ面の言葉に飽き飽きとした気分を味わった。


(どうやら、少々刺激に触れすぎたようだ)

 と後悔をしながら、周囲を見渡した。

 今は昼休みだ。頑張って、取り巻き達を撒き、昔私に嫌がらせをした伯爵令嬢を呼び出した林に来ていた。


 葉が結構落ちている木を見つめ、

「・・・そういえば、あの伯爵令嬢どうなったんだろ?」

 と言葉を漏らした。


 確か『アレナ・サヴィア』とかいったあの令嬢さんは、一年生の夏休みが終わったあと、学院に帰ってきていない。

 伯爵令嬢が退()()したということで、大いに噂になっていた。

 正教が処分した、とね。真実は定かではないが。


(果たして真実は)

 と考えていると、

「やっ、おやめ下さい!」

 女性の叫び声が聞こえてきた。


(なんだろう?イジメかな)

 気になり野次馬根性で近づいていった。

 すると、そこには中等部一年生一人を足蹴にし、声を上げる中等部三年生の集団が見えた。


(さて、助けるべきかな・・・)

 見捨てる方が変な諍いを起こさずに済む、と考えた。

 けれども、

「何をしているのです?」

 おかしな正義感が沸き起こり、無視できなかった。


「えっ、貴女は、エミリー様ですか」

「ええ、そうですよ。それで、何をしているのです?」

「申し訳ありません、お見苦しいものをお見せ致しました」

「あの、だから何を・・・」

「申し訳ありませんでした」


 三年生の集団は、謝りながら逃げていった。

 その様子からは、酷く冷徹な印象を受けた。


「貴女、大丈夫ですか?」

 床に這いつくばる少女に問う。

 すると、

「だっ、大丈夫です!」

 と緊張しい声が聞こえてきた。


「一応、医務室には行きなさい。顔に傷が残ったら大変です」

 少し擦り傷ができている顔を示す。

 残ることはないだろうが、適当な理由をつけ、追っ払いたい、と思ったのだ。

 変な正義感で助けはしたが、人と話したくなないのでね。


(さあ、さっさと言ってくれ)

 との思いに反し、立ち上がった彼女は歩みを進めなかった。

 そのため、

「付き添いが必要ですか」

 と問いかけ、

「いっ、いえ、結構です」

 との予想通りの返答を手に入れ、彼女を追っ払うことに成功するのだった。

本日から休載です。

予定としては、再来年2005年には復活します。

あと、練習として、今年、来年にこの物語とは違うの出るかも。

現状出そうとしてる作品のタイトルは、『バッドギア』『悪魔は笑って退場する。』の二作品です。

追記

色んなことの詳細は、明日に活動報告で書きます。

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