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第363話 永劫不変ですか、へぇ、はい、行きましょうか

「レイ、レイー、来て下さい!」

 珍しい休日に嬉しく思いつつ、聞きたいことがあるので、闇の精霊のレイを呼んだ。

 そして、約八秒後、

「あっ、あの、すっ、すいませっん、遅れました」

 若干上ずった声が聞こえてきた。


「いえいえ、構いませんよ。久しぶりですし」

 記憶が正しければ、最後に呼んだのは一年前だと思います。

 呼ぶ必要性がありませんでしたからね。


「えっ、えーと、そっ、それで、本日はぁ?」

「聞かせて欲しい話があるのです」

「・・・?」

「三年前くらい前、大精霊の話を少し話してたでしょう。ふと、気になったので教えて欲しいなー、って」

「かっ、構いませんが、私は殆ど知りませんよ?」

「そうなのですか?」

「ええ、はい。私が生まれたのは、大精霊様が全員お亡くなりになったあとなので」


(・・・マジかぁ)

 少々残念に思いつつ、

「それでは、どうして大精霊の話を知っていたのですか?」

 と問いかけると、

「知合いの・・・種族がよく分らないおじさんに教えて貰ったので」

 危なそうな返事がされた。


「・・・あのっ、それって大丈夫なおじさんなんですか?」

「たぶん、大丈夫なおじさんだと思います」

「へっ、へえ」


(少し怖いな)

 恐怖を抱きつつ、

(その人・・・人?・・・おじさんにも話を聞きたいな)

 と思ってしまったので、

「そのおじさんは今も生きてると思いますか?」

 生存確認をした。


「・・・生きてると思います。あの人は、自分の事をエルフとドワーフのハーフと言っていたので、嘘じゃないのなら」

「へえ、何か怪しいですね」


 疑いつつも、

(うん、行く価値はあるな)

 と笑みを漏らし、

「レイ、そのおじさんが住んでる場所って分かりますか?」

 質問をした。


「住んでる場所、ですか?」

「はい、分かります?」

「えーと、西にある山の麓の森にいました!」

「何処です?そこは?」

「・・・ええーと」

「分かんないんですね。地図見れば分かります?」

「・・・たぶん」


(分かんなそうだな)

 声に調子に感じつつ、

「えーと、・・・はい、どうぞ」

 何故か本の束の下にある地図を掘り出し、手渡した。


「分かります?」

「・・・・・・うーん、たっ、たぶん此処です」


 レイが指した場所を見て、

「他国か」

 小さく漏らしつつ、

(ホーグランデン帝国で他国だし・・・。大丈夫かな?別に指名手配されてるわけじゃないし、まあ、大丈夫だよな。うん、たぶん。だいぶ遠いけど、行けないことはないよな。今週は土日休みだし)

 二連休であることから、馬車を利用すれば行けないことはない、と考えた。


「レイ、それは確かですね?」

「えっ、あの、たぶんですけど、はい」

「それじゃあ、行きましょうか」

「えっ?」

「あっ、予定とかありました?」

「いえ、ありませんけど・・・」


(まあ、唐突だしな)

 少し申し訳なく感じつつ、

「それではそうですね。・・・えーと、また呼ぶのでその時に来て下さい。仲介お願いしたいので」

 とお願いをすると、

「はっ、はあ」

 分かってるのか分かっていないのか、どっちか分からない返事をしつつ、彼女は部屋を去って行った。


「先生──────」

「やあ、何か呼ばれそうだったから、来てあげたよ」

「・・・えっ、こわ」


 恐れていると、

「それで何んだい?」

 と問われた。


「えっとですね。昨日、『もう子供ではないのだから、遠くに行きたいなどと宣うことはない』と言った手前言い辛いのですが、私に変身して貰っても構いませんか?」

 恥ずかしさを忍んで、お願いをすると、

「うん、良いよ」

 良い返事を貰えた。


「あっ、ありがとうございます!」

「良いよ。それで、君は何処に行くつもりなんだい?」

「えっとですね。此処です」


 机に置かれた地図を指さしながら言うと、

「だいぶ辺鄙なところだね、何をしに行くんだい?」

 と疑問を呈された。


「聞く話によると、此処に『原初の精霊』と呼ばれるものについて、知っている者がいるらしく、話を窺いたいな、と思って」

「へぇ、原初の精霊ね」

「先生はご存じですか?」

「会ったことはあるね。でも、変人集団ってこと以外の記憶はないや」

「変人なんですか?」


 素っ頓狂な声で返すと、

「うん、大昔に世界が二つに割れてた頃、武力じゃなくて話し合いで世界を繋ごうとしてた、馬鹿な変態達だよ」

 哀愁を感じさせる声を出された。


「・・・先生、ふと気になったのですが、『世界が二つに割れていた』ってどういう事です?」

「そのまんまだね。えーと、何て言うか、今の神、ヒルビアの理が支配してた世界、それと別の神の理で支配されてた二つの世界があったんだよ」

「へえ、その理ってどんな違いがあったのです?」


 さらに気になった事を問いかけると、

「えーとね、大きな違いはヒルビアの理は『万物流転』まあ、全てのものは変わっていって、最後には滅びてなくなっちゃうって奴、それで別の神の理は『永劫不変』全て変わらないし、滅びることもない、って奴」

 との説明をしてくれた。


「万物流転に永劫不滅ですか。・・・そう言えば、その別の神様の世界はどうなったのです?私が知っている限りでは知り得ないのですが?」

「うーんとね、滅んだよ。いや、詳しくは滅ぼされたよ」

「えっ、何処に?」

「ヒルビアの理の世界は、不変と不滅を嫌ったんだよ。だって、神の教えに反してしまうからね。全てには変化があり、また終わりもある、という教えに」


(どうやって滅ぼしたんだ?死なぬ兵を死ぬ兵が倒せるのか?)

 疑問を含まらせつつ、

「その別の神様ってなんという神様ですか?」

 と問いかけると、

「さあ?覚えてないよ。それに、名前があったかも定かじゃないしね」

 先程までとは異なり、なにも考えてない暇そうな顔で返し、

「あっ、もうこんな時間だよ。早く行った方が良いんじゃないかな」

 とはぐらかすと、私と全く同じ顔の少女が目の前に現れた。


「あっ、はい、分かりました、行きますよ」

 少し消化不良感を感じつつ、適当な変装をして、ワープ魔法で目的地に近く、馬車が止まりそうな場所を精査し、ブランドー侯爵家領の中心都市に飛ぶのだった。

高等部編の予定

敵対キャラの登場と味方の登場、それとドロップアウトもやりたい。

モンド先生の正体関係もやりたいなーとは思う。

あと、作品における最終目標の提示もやりたい。

まあ、出来ずに次部前半でやる可能性が高いけど。

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