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第347話 ・・・馬鹿なのか?それとも、知性があるのか?どっちだ?

今回、自分でも驚くほど会話がつまらないです。

弁明は後書きでします。

 熱い紅茶を啜りながら、綺麗な長いブロンドの髪を揺らし、こちらを見つめる少女を見つめ返していた。


(なっ、なんだよ。・・・恥ずかしい)

 興味深そうに見つめられるのに、羞恥心を抱いていると、

「どうです?美味しいですか?」

 質問をされた。


「美味しいです」

「そう?嬉しいわ。お菓子食べる?」

「良ければ貰いたいです」


 貰わないのもどうかと思ったので、彼女に言うと、

「あっ、軽食はいらないかしら?」

 忘れていたかのように問いかけられた。


「大丈夫です。来る前に少しご飯を食べましたので」

「分かったわ」


 彼女は私に言うと、再度ベルをならし、執事を呼んで口を寄せ、長い間声を掛けていた。

 私が、何をそこまで話すことがあるのか、と疑問を抱くほどに。

 そして、部屋を去る執事を視線で追いかけようとすると、それを邪魔するかのように、

「少し待ってて下さいな」

 こちらに笑顔を向けた。


「わっ、分かりました」

 返事をしながら、

(はっ、話を振ろう)

 決心をした。


「あのっ、フォルティナ様。幾つか質問宜しいでしょうか?」

「ええ、構わないわ」

「まず、一つ目です。どうして、私とフォルティナ様の二人きりでお茶会をするのですか?」

「お茶会になにか理由は必要かしら?」


(私の質問しようとしたことが通じなかったか?分かり易く質問したと思うのだけど・・・)

 なぜか通じなかったことに、変に遠回りをし過ぎたのか、と自分の過失を疑い、次は端的に知りたいことを質問しよう、と決めた。


「・・・フォルティナ様の御友人を呼ばないのは何故ですか?」

「前回呼んだとき、断られてしまったじゃない」

「はい、諸事情で、・・・申し訳なく思います」

「フフフ、謝らなくても良いわよ。怒ってないもの」


(それじゃあ、どうして昔の話を出したんだ?)

 疑念を向けていると、

「それで、私考えたの。もしかしたら、人がたくさんいるのが苦手なのかもしれないと。だから、私と貴女の二人きりでだったら、参加してくれるんじゃないかなーって」

 回答が成された。


「そうなのですか?ご配慮頂き、ありがとうございます」

「どういたしまして。でも、たぶん余計な配慮だったでしょう?」

「いえいえ、余計ではありませんよ」

「そう?それなら良かったわ。・・・少し前の舞踏会で、たくさん人と話していたようだから、全然苦手ではないのかもって思ってたわ」

「そうだったら良かったのですがね・・・」


(事実として人と関わるの苦手なんだよな。人見知りだから。・・・それにしても、そんな他人のことを観察できる目があるなら、なんで最初に質問した内容の意図を読み解けなかったんだ?)

 少しだけ俯き、目の前に置かれた紅茶の水面を見つめていると、

「ごめんなさい、暗い雰囲気にしてしまったわ」

 慌てたように謝罪がされた。


「こっ、こちらこそ、ごめんなさい」

 自分の発言の過失、それと謝らせてしまったことに謝ると、暗い雰囲気に加えて、少々気まずい雰囲気が出来上がってしまい、

(あっ、もしやフォルティナ様が謝って、それで話終わらせようとしたところなのに、無駄なことしてしまったのでは?)

 自分の多大な過失に気付いた。


「・・・」

(さっ、さて、どっ、どうしよう?どうしよう、どうしよう)

 焦燥感に駆られ、変なことを口走らないように気を付けつつ、顔を上げられないで居ると、視界にスコーンが映った。


(はっ、えっ、なに?)

 フェードインをした方を向くと、お茶を持ってきた人と同じ執事さんがいた。

 先程の頼んだお菓子が届いたのだろう。

 ・・・スコーンってお菓子なのかな?パンじゃないの?


 無駄な疑問を抱いていると、

「さっ、さあ、食べて下さいませんか?」

 フォルティナの声が響いた。

「あっ、はい」

 少し適当な返事をして、置いてあったマーマレードで、少しだけ茶色がかった白い生地を染め、口に含んだ。


「どうです?美味しいでしょう?」

「はい、美味しいです。このジャムはどこで購入に?」

「それはシェフが自作したものだったはずだわ」

「へえ、凄いシェフさんですね。とても美味しいです。高級品と見紛うほどに」

「フフフ、伝えておくわ。きっと喜ぶわ。彼の侯爵の娘に褒められた、とあらば箔もつくでしょうし」


「ハハハ、お願いします」

 少々苦笑いをしながら返し、

(色々と考えれる知性はあるよな。・・・それじゃあ、どうして最初の質問を勘違いしたのかが、本当に分からないな。・・・正直、薄っぺらで冷たいように思える)

 雰囲気が少しだけ和やかになった所で、少々の間黙ってスコーンを口にし、そして、

「フォルティナ様、二つ目の質問です」

 質問を続けた。


「何かしら?」

「どうして私と茶会を?」

「さっき答えたとおり、茶会に理由はいらないでしょう?」


(うーん、少し質問の仕方を間違えたか。・・・さっき感じた知性は勘違いか?)

 自分の馬鹿さを嗤いたくなりつつ、

「フォルティナ様が私とお茶会をして、何か利益があるのでしょうか?」

 端的な質問に変えた。


「利益?」

「はい、利益です」

「そんなもの必要かしら?」


(少々難儀かも知れない)

 彼女の目的の露呈に払う労力が大きなものになる予感がした。


「フォルティナ様は大公様であり、私は侯爵家の娘です。ならば、なにか目的があるのではないのですか?」

「うーん、強いて言うなら貴女と仲良くなるため?」


(何で疑問符が付いたような声音なのだろうか?)

 少しの戸惑いを感じた。


「仲良くなって何かあるのですか?」

「さあ?」


(後先を考えていないのか?・・・信用する値打ちのない馬鹿な善人か)

 一時恐れを抱いたことを恥じつつ、少し軽蔑を抱きながら、

「失礼なのは重々承知ですが、本気で仰っていますか?」

 と問いかけた。


 すると、肯定するかのように微笑を浮かべ、

「フフフフ」

 気色の悪い笑いをあげた。


「どうかしましたか?」

「フフフ、ごめんなさい。少し、露骨だなって」

「何がですか?」

「たぶん”馬鹿な女”って思ったのでしょう?」


(・・・なんか、気味が悪いな)

 先程までの穏健な様子からは打って変わり、気色の悪い笑顔浮かべ、こちらを威圧するかのように声を出すフォルティナに思う。


「なんのことでしょうか?」

「隠しても無駄よ。だって、貴女の目、私のこと大変に軽蔑しているのが分かり易い、冷たい目だもの」


(はあ、なるほど、なるほど。よーく分かった)

 彼女の発言の理由が分かり、少しの緊張感と共に、

「演技、だったのですか?なんのために?」

 確認を取ると、

「ええ、演技に決まってるでしょう。愚かな女だったら、既に勘当されてるわ」

 という正解を告げる回答が成されるのだった。

会話がつまらない弁明です。

ふと思ったんですよ。演技をしてるキャラクターが、謎めいた分かり易い発言をするものなのだろうか?普通に考えて、バレないようにしながら、薄っぺらな会話で見定めるのでは、って。

だからこうなりました。一応、伏線を張って読めるラインにはしましたが、ごめんなさい。

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