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第327話 イカサマ・・何時か、使うかもなー。

 はい、色々とあって屋敷から出ることは出来ない私です。

 今はアースベルトに新聞届けてと頼み、部屋で待機しています。


「何か、遅いな」

 一分くらい経ったのに今だ来ない奴に声を漏らす。

 この屋敷は一分も歩けるほどに広くはないのに不思議だ。

 ・・・いや、歩けるのかな?私、全容を知らないから分からないんだけど。


「逃げられたか・・・」

 前科があるので疑いを抱き始めていると、

『コンコンコン』

 と扉が叩かれた。


「どうぞ」

「失礼します。お嬢様」


(やっと来たか。遅かったな)

 変な返事をされたときには文句が言えなかったので、

「遅かったですね。申し開きは?」

 文句を言ってみることにした。


「いやあ、それが新聞持ってこうとしたら、何に使うのか、と問い詰められてしまって」

「・・・信用問題ですか」

「アハハ、まあ、はい」


(聞かなければよかった)

 若干の後悔をしながら、

「それで、結局持って来れたんですか」

 未だに聞けてない結果を問いかけると、

「持って来れましたよ」

 と答え、何枚かくれました。


(あっ、いけたんだ。無理だからこんなに遅かったのかと思ってた)

 若干驚愕しつつも、

「ありがとうございます。持って来れたんですね」

 お礼を言うと、

「騎士の体力、舐めないで下さいよ」

 笑ったように言って来た。


(あっ、振り切ってきたんだな)

 と思いつつも、

「そうですか、ハハハ」

 適当な相槌を打ち、

「お礼と言っては何ですが、お茶でも飲みます?お茶菓子はありませんが」

 一応何らかの事をやっていたというのに、邪魔してしまったので言うと、

「喜んで承ります」

 嬉しそうに言ってきた。


「あっ、言い忘れてましたけど、冷めてても良いですか?」

「勿論、大丈夫です」


(良いんだ)

 温かいのではないと嫌だ、と要求されるかなあ、と思いながら言ったのだが返答に驚いた。ここら辺は弁えてるのね、と。


 お茶を無駄に多く用意されたティーカップの中に注ぎ、

「はい。どうぞ」

 と彼に手渡した。


「ありがとうございます。それじゃ、頂きますね」

「どうですか?美味しいですかね」

「・・・苦くて渋っ────いえ、えーと、美味しいです」

(本音、隠せてねーよ)

「苦くて渋いようにして貰ってるので、本音を隠さなくても構いませんよ」


 すると、私の返答を聞いた彼は、どうして、と言った顔で質問をしてきた。

「どうして、わざわざそんな手間を掛けてるんだ。・・・あっ、ですか?」

 敬語を付け忘れて。


「紅茶の茶葉って、結構高いでしょう。飲む量を少しでも減らそうかな、と思いまして」

「それなら、珈琲とかの安めの物を飲めば良いのではありませんか?」

「まあ、確かにそうですけど・・・。どっちかというと、珈琲よりも紅茶が好きなので」


(なんかこのままだと色々と面倒になりそうだな)

 少しだけ悪い予感がしてきたので、

「あっ、そういえば話は変わりますが、私が頼み事をする前に、貴男はナニをしていたのですか?トランプと、ペンらしき物を持って」

 ふと、気になった事を問いかけてみた。


「あっ、へっ、えっとですね」

「ナニカをしていたのですか?」


 彼は返答を迷っているように見えた。

(トランプとペン・・・。イカサマか?・・・いや、流石にそんな事はしないだろう。コイツが紳士なら)

 若干の疑いを向けていると、

「すっ、少しばかり下準備を」

 との返答が返ってきた。


(下準備とな、一体なんの?)

「イカサマのですか?」

「はい、・・・いいえ、間違いです。してません」


(あっ、コレは黒だ)

 呆れとともに、

「カードですか・・・。止めるつもりはありませんが、やめることをお勧めします」

 と言うと、

「どっ、どちらを?」

 バカみたいな返答が帰ってきた。


「どちらもですよ」

 身を滅ぼされたら、色々と迷惑を被る人がいるのだ、と忘れて欲しくないものだ。

 ・・・ふと、気になったのだが、一体どんなズルをしようとしてたのだろうか?


「それで、どんなイカサマをしようと?」

「・・・印をつけたりしようかなーと」

「典型的ですね」


(なんかにイカサマの種、流用できないかと思ったが、コレは無理そうやな。・・・でも、イカサマか。・・いいこと思いついたかも。使うかわからないけど、公文書の偽造とかのイカサマ)

 現状の未来では、使うことのなさそうな手を思いついた。

 もし、政に介入することがあって、使えそうだったら使おう、って。


「・・・あっ、私、新聞読むので、紅茶飲み終わったら帰って下さい。声は掛けなくても構いません」

 彼とお話をしていても良いのだが、折角貰えたのならば、直ぐに読みたいと思ったのです。

 それに、話していても彼の嫌な部分が更に露呈するだけかな、と思ったのでね。


「えーと」

(なになに~?)

 新聞を開き、読んでいく。


 そして、

「へぇー」

(・・・そうなんだ。・・・良かった、と言おうか)

 昔、奴隷として連れられた領地で、少し前に言ったら崩壊していたアーレー男爵領に新領主が出て来て、復興へと足を進めていたらしい。

 私的には、あの領地には良い思い出はないのだが、良かったな、と思います。


(新領主は『ヘルメル・フォン・アーレー』・・・この似顔絵、どっかで見たことがあるな・・・何処だっけかな?)

 前領主の息子だという青年の顔に見覚えがあり、記憶を呼び覚ましてみる。

 けれど、その顔からはかつて不思議な印象を抱いた死人『ノラ』を呼び起こされるだけで、具体的に誰であったかは思い出すことは出来なかった。


「うーん」

(何だか、見たことがある気がするんだけど・・・誰だっけ?)

 その後も、知り合い達の顔を思い浮かべ続けた。

 まあ、結局誰だかは分からなかった為に、別の記事を読み始めたのだが。


 …………


 さて、記事を全て読み終わり、

「お父様達、もう来たかな」

 夜の帳がおり始めた空に呟き、メイドのアリアさんを探した。


 そして、

「来ましたか?お父様達」

 と質問をした。


「未だにいらしていません」

「・・・そうですか。分かりました。・・・あっ、話はだいぶ変わりますが、アリアさん、これから朝に新聞を貰えませんか?」

「構いませんが───」

「それじゃあ、お願いしますね。それでは」


 なんだか面倒な答え辛い質問をされる気がしたので、私は自室に逃げていくのだった。

《嬉しいご報告》

えっとですね。結論から言います。

総PVがですね、十万をこえました。誠にありがとうございます。

ダレているの加えて、文章力も終わってる作品を読んで頂き、ありがとうございます。

閑話、とかは思い付かないので、出すことはないです。たぶん。

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