第325話 ヨシ!決めました。
日本語下手かも
はい。本日は学院の図書館に行き、アッシュから渡された本を返そうとしました。
「あのっ、本当に汚したら申し訳ないので」
「いやいや、大丈夫だよ」
「私の心の呵責が・・・」
「ええ、呵責って、そこまでのことかな?」
「私にとっては」
というような問答をしました。
そして、結果としては、返せませんでした。
「大丈夫、大丈夫、何があっても私は怒らないよ」
「っで、でもですね───」
「私、お金持ちだから大丈夫だよ」
「いや、あのっ───」
「あっ、もうこんな時間だ!今日、ちょっと予定あるんだよね。ごめんねー」
こんな感じに逃げられてしまったのです。
(うわあ、明日返さないと)
と思ったりもしましたが、
「頑なすぎて、無理っぽい気がする」
スッゴく不可能なことをやろうとしているように感じました。
その為、
「明日も頑なに返却拒否してきたら、流石に諦めるか。しつこいって嫌われるかもだし」
若干諦め始めました。
何というのか、返したいというのも確かにあるのですが、嫌われるのは不思議と嫌なんですよね。本当に不思議な事に。
主観では関わったところで、なんら益はない人なのに、不思議な事です。
・・・もしやこれが恋心?・・・んな訳ないな。
「さて、調べるか」
何時までもふざけていたら、ここまでやってきた労力とかが無駄になるので、調べごとを始めるのだった。
自分の魂の事について少しでも分かれば良いな、と思って。
…………
さて、数時間ほど経ちました。
発見は一応ありました。
『魂が二つの状態は、霊魂が持ち主に憑いている状態に近い』
という見解です。
「いやあ」
(私、幽霊の可能性が出て来てしもうたよ。マジか・・・。まあ、死因は知らんが、前世で死んだわけだろうし、そうなのか。うん)
納得できないような、納得できるようなって感じです。
私が死んだ霊だとして、
『どうして前世とは違う世界に居るんだ』
だとかと色々と疑問が残ってしまうのでね。
それに、前世の私って幽霊になるほどの未練なんてなかっただろうし。
「うーむ、色々と疑問が残ってしまう。うーん、・・・ヨシッ、帰るか」
もう時間も結構遅いし、結論も出ることはないだろうし、今日の所は諦めることにした。
・・・死人の魂が生者の身体に取憑く、あり得そうだが、確証がないし・・・うーん。
…………
はい。そんなこんなで夕食を食べ、自分の部屋に帰ってきました。
今日はやることがないので、アッシュから貰った本で、調べ物の続きをします!
少し前に『今日の所は諦める』と宣ったような気もしないでもないですが、あれは嘘です。
私の存在が『幽霊』であるのか、はたまたそれ以外なのか。
このような状態になってしまった理由は一体何なのか、悪影響は存在するのか、等々がスッゴく気になってしまって、大変なのでね。
貰った本を一冊手に取り、タイトルを読み上げた。
「魂と人格」
と。
「よーし、読むぞー」
声を漏らし、本を開こうとすると、
『コンコンコン』
と扉が叩かれた。
「あっ、はい。どうぞ」
本を机に置き、扉の前に居る人に声を出すと、
「失礼します。お嬢様」
と直ぐに返事が返ってきた。
「どうしました?」
「お嬢様にお手紙届いております」
「誰からですか?」
「侯爵様、正教会、それと皇室からです」
「三枚も?」
「その通りです」
(三枚も届くなんて珍しい。なに用だろうか?・・・てか、皇室?なんで皇室。私、ナニカやっちまったかな。ハア、怖いんだけど)
特に思い当たる節はないので、疑問に思いつつ、
「ありがとうございます」
お礼を言いつつ、手紙を受取った。
「失礼しました」
と声を聞きながら、ペーパーナイフに手を伸ばし、手紙を開けていった。
「えーと、これがお父様・・・・ふむふむ」
簡単に纏めると、『私の弟のアルを連れてそっち行く、お母様は身重なので今回は無理』らしい。
(お母様の側に居てやれよ。身重なんでしょ)
と思ったりもしたが、到着の予定日が明日なので、もうどんな返答を書いても遅かった。
「ハア、あの人。・・・私の事よりお母様優先した方が良いだろうに」
呟きつつ、正教会の手紙と皇室からの手紙を読みました。
二つの手紙の感想を言います。
「面倒くさ」
です。
えーと、どちらの手紙も纏めると、こうです。
『パーティーを開きます。なので来て下さい』
まあ、此処までならばそこまで問題はなのですが、問題は開催する日付なのですよね。
勘の良い人には分かるかも知れませんが、何と言おうか・・・同日なのですよ。同日。
「ハアアアアァア。面倒くっっせ」
この場合、参加した側の貴族である、と主張するような物だと思う。
だって、どちらの手紙にも、もう片方を下げる言い方を若干してるし。
「どちらも参加しない、なんて選択肢はないよな。ハア」
流石にこれ以上は、許されないと思ってしまう。
私だったら、どっちつかずの不穏分子なんて、どうにかして消してしまおうと思うだろうし。
「ハア、どっちに付くべきかな?」
ヒルビア正教会はこの世界で一番大規模な宗教だ。戦力は侮れない。
かといって、奴らに与したくはない。
正直言って、信者にいじめられたりして大っ嫌いだし、それに黒い噂とかも聞くし、祖国を裏切ったしっぺ返しも怖い。
「うーん」
(裏切り者扱いを受けるのは嫌だし、それにあいつらのこと嫌いだし・・・)
色々と悩み、三十分程経ったところで、
「・・・ヨシッ決めた」
声を漏らし、
「ヒルビア正教会様 前略 お誘い頂き感謝致します。とても光栄で、嬉しく思います。 ですが、この度はお断りさせて頂きます──────」
と正教会への断りの手紙を書き始めた。
正教会は確かに怖い。
けれども、私は奴らのことが嫌いだ。大嫌いだ。
それに、裏切り者の誹りを受けたくはないしね。
ストック尽きたから休みます。
言い訳としては、テストがあった。
なんと言おうか、前回のテストで結構不味い点数とったのでね、少ししっかりと勉強していました。
連載再開は来週『10月16日 月曜日』です。週末、ちょっと家を開けるので、申し訳ありません。




