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第322話 調べ物!頑張るぞー!あっ、嬉しい報告

 十五万ほど手に入れました。

 ルナに十万、レイに五万をあげました。

 私の努力が一瞬に水泡に帰したようで、非常に何とも言えない気持ちになりました。やっと払えた、という喜びと悲しみで。


 あっ、払ったときルナには、

「本当に準備したんだ・・・これ、偽物とかじゃないよね」

 と変な疑いを掛けられ、レイには、

「えっ、ほっ、本当に宜しいのですか?・・・これを貰ったら、何かあるとかはないですよね?」

 私の事をなんだと思っているのか、と問いかけたくなる事を聞かれたりした。


 ちょっと悲しみが倍増されたりもしたけど、私は元気です。

 うん、きっと、うん。元気です。

 そう思わないと、色々と辛くなるのでね。


 ・・・それで、本日はですね。

 少しだけ調べ物をします。

 一回調べたけども、頓挫した事、私の魂について、です。

 その為に今日は、学院に登校しました。

 休みだろうと毎日開いてるのでね。


 前回はたくさん考えて、怖くなってやめてしまった為に、『可笑しい状態ではない』という結論で終わりましたが、今回は時間も有り余ってるので、きっと私のことについて分かるはずです。うん、きっと、きっとね。


 …………


 えーと、その後ずっと帰る時間まで図書館に籠り、魂についての本を読みました。

 結果は、一切合切なにも分かりませんでした。

 まだまだ本は多いので、希望はありますね!

 明日の私、頑張れ!


 …………


 ええと、二日目です。

 どうやら、『あり得ない』というのが多数ですが、仲には『可能性はある』っていうのを見つけました。

 まあ、今の所は、可能性だけで実例を示しているのは見たことがありませんが。


 …………


 三日目。

 報告出来る発見はありませんでした。


 …………


 五日目。

 三日連続で何も報告できないと思われましたが、二つ嬉しい報告が出来ました。


 一つ目は、協力者が出来ました。

 詳しい理由は不明なのですが、私の手伝いをしてくれるらしいのです。


「何を調べてるの?」

 私が本を読み進めていると、その声が静寂を切り裂きました。

(誰だろうか?この子)

 と思いつつも、私は若干飽きていたので会話をしました。


「えーと、・・・魂、というのですかね?人の根幹について調べていて・・」

「魂?」

「うん。何て言うのか魂って物は、人には何個あるのかが気になって」

「一つじゃないの?」

「調べてみたら、複数個ある可能性もあるらしいので」


 こんな感じで会話を続けていき、

「私も手伝って良いかな?」

 と彼女から提案されました。


「勿論です。でも、どうして?」

「ただ気になったから」

「気になった、ですか」

「ええ、そうよ。・・・あっ、私『アッシャンプテル・エム』だよ。アッシュとでも呼んで、宜しく」

「どうも、えっと、『エミリー・ブランドー』です。宜しくお願いします」


(アッシャンプテルって長いな。名前。・・・ていうか『エム』って何だ?・・いや苗字か。・・・貴族かな?でも、聞いたことがないな)

 彼女の名乗った姓に疑問を抱き、

「あの、貴女は貴族なのですか?苗字がありますが」

 と質問を投げかけた。


「えっ、違うよ」

「それじゃあどうして苗字を?」

「平民でも苗字がある民俗の出身でね、私」

「そうなのですか?何という国なのですか?」

「ずっと戦火の絶えない『ヴェノーリア共和国』ってあるでしょ、あれよりも東にある小さな民俗出身なの」

「へー、そうなのですか」


 適当に返事をし、そんな民俗がある事に驚いた。


 ・・・・あっ、『ヴェノーリア共和国』は、我らがシャール帝国の東にある大きな共和制の国だよ。

 まあ、実質的な支配領土はたぶんブランドー侯爵家領より少ないけどね。

 聞く話によると、元々は支配領土も大きな、シャール帝国も緩衝地帯の為に傀儡国家を作る位には強かった国らしいのだけど、『共和制』というよりも『民主制』に近かったらしく、衆愚政治と化していって、革命やら反乱やらが巻き起こって、斜陽と化したって感じの国。


 まあ、えーと、そんなこんなで私に協力者が出来ました。

 これが嬉しい報告の一つ目。


 っで、嬉しい報告の二つ目です。

 アッシュが興味深い本を見つけました。

 タイトルは『異端者』って言う奴です。

 制作したのは『ヒルビア正教審問会』というよく知りはしないが、ヒルビア正教会の傘下組織だ。


 内容は、異端者についての説明と解説、それと処理の方法。

 此処で言う異端者と言うのは、一般的な大衆と異なる性質を持つ人々です。

 例えば、精神病の人、あとは悪魔憑きと呼ばれる人とかね。


 っで、複数の魂を持つ人に対する記述はね、第6項の『忌み子』に書いてあります。

 曰く『この現世に生まれるべきではない存在。処理方法は、目を隠し、磔に処し、火を付けるべし。悪魔憑きの性質も兼ね備える可能性があるため、その際には谷に突き落とすべし』らしい。

 短い文章しかないのだが、一応はこの世界の主要宗教の出版なのだから、たぶん現実に存在しているのだろう。たぶん。


「よく見つけれましたね、こんな直ぐに」

「えへん、凄いでしょう」

「ええ、本当に凄いです」


 と見つけて貰ったことを凄い、凄いと褒め立てた後に考察を少ししました。


「この記述から考えて、確かに存在している、と考えるのが妥当でしょうか?」

「うん、たぶん。その次のページには、見ない方が良いけど、具体的な処理方法の手順が絵としてあるし」

「・・・そうですか」


(コッワ、そんなのあったのかよ。開けなくて良かった)

 安堵をしつつ、

「けれど、この複数の魂がある状態の原因、それと悪影響などは具体的に示されていませんし、まだまだ分らない事もありますね」

(もし、危険な状態ならすぐに解決しないといけないからね。うん。ちゃんと調べないと。・・・先生に相談するか?・・・_______いや、構わないか)

 なんだか、相談する必要性はないように感じた。


「・・・アッシュさん、明日も協力、お願いできますか?」

「うん、勿論」

「ありがとうございます」


 という感じに、二つの嬉しいことと五日目の進捗報告は終わりです。



 …………



 ・・・『原因』『悪影響』取り敢えず、この二つは知っておきたいな。

 最悪、自分で調べるしかないだろうか。自分と同じ状態の人を探していって。

 ・・・いや、それは難しいか。楽観主義で考えても無理だ。


 アッシュと別れ、少し自分一人で調べてみた。

 そして、分かったことは二つ。

 一つは、統計上私と同類の存在は殆ど現れない、という無情な事実。

 一つは、大賢者様曰くアッシュが持ってきた『異端者』などという本は図書館に置いていないという事実。


 元々、私の事を観察していて、読んでいる本の種類から推測したのか、それともあんな本を常時持ち歩いている狂人のなのか、若干だけど怖いなって思いました。

はい。新キャラ『アッシャンプテル・エム』の登場です。

一応、登場したキャラクターは今作で一番名前が凝ってるキャラだと思います。

珍しく『Aschenputtel・M』みたいな日本語じゃない言葉での表記も作りましたしね。

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