第321話 ぐぅ、クソぉぉぉぉおおおお!
若干、文章おかしいかもー。
大丈夫な気もするのだが、大丈夫じゃない気もする。
さて、貧民街を見つけることが出来ました。
そして、盗品商を探そうと色々な人に話を聞きました。
結果としては、居場所を聞き出す事が出来ました。
ですが、報酬としてお酒三本と紙巻きタバコ、噛みタバコを四ダース程あげました。
お金を持ってなかったので、これしか払える物が無かったのです。
あっ、あと情報を教えてくれた人は、私にアヘンを買わそうとしてきたりもしました。
(私、そんなに押し売りに弱そうな見た目かな?)
疑問に思いつつも、暴行騒ぎとかを起こすのは不味いかな、と思ったりしたので逃げ出しました。
っで、その後は、
「おい、おめぇ、ヤクもってないか?」
だったり、
「てめぇ、ワシラの島荒らしてるんじゃねぇ」
単純に、
「ぶち殺すぞ、おどれ」
と言われたりもしました。
・・・治安、悪過ぎはしませんかね?
ていうか、私は何でクスリを売ってる人だと思われてるんですかね?
私が売ろうとしてるのは、ただのタバコとお酒なのですが・・・。
まあ、そんなことは忘れておいて、盗品商についてです。
どうやら、貧民街の東部の一際治安が悪いところにあるそうで、私に麻薬を買わせようとした人情報ですと、死んでも文句は言えないそうです。
無法地帯という訳ではないのに、文句が言えない、というのは不思議でしかありませんが、まあ、そんなことはどうでも良いので、構わないでしょう。
追われたとて、最悪ワープで逃げれば良い話なのでね。
ええと、まあ取り敢えず、盗品商がいる東側のとりわけ治安の悪い方に歩いて行きました。
方角がちょっとだけ違うかも、っと心配したりもしたが、徐々にヤバめの人が増えていってたので、確信することができた。
こっちの方であっている、と。
さて、明らかに進むべきではない雰囲気の場所に向かって行っていると、
「そう言えば、詳細な場所、聞き忘れてたな」
とやらかしを感じつつも、
(取り敢えず、どうでも良いか)
嫌ではあるのだが、周りの人に聞けば良いか、と適当に歩を進めた。
…………
はい、時々ヤバ目の人に追われたり、殴られそうになり、逃げたりしつつも数時間ほど探索しました。
出来たら早々に逃げ出したかったのですが、数時間も経ってしまいました。
吐瀉物みたいな物やら、色々とこの世の不浄を詰め込んだ景色に徐々に馴れました。
まあ、匂いには馴れずに吐き気を催しますがね。
ええと、結果はですね、見つけることが出来ました。
ここら辺には、たぶん儲からない為にか、それ以外の店がなかったので、たぶん見つけた店が私が探している盗品商だと思います。
あっ、名前は『月桂樹商店』です。
(うーん、なんだか少しだけ怖いな)
厳かなわけではないのだが、一見すると一見さんお断りの雰囲気の良い古物商に見え、入るのを少し躊躇った。
だけど、入らなければこれまでの努力が水泡に帰すので、
『コンコンコン』
と扉を叩いた。
(・・・これで良いのかな?私、こっちの文化が分からないから、勝手に入って良いのかが分からんのだけど、前世と同じで扉を開けて入って良いのかな?)
前世と現世の違いがあるかも知れない、と思いながら待っていたのだが、何時まで経っても扉が開かれることはなかったために、
(あっ、これは前世と同じなのか・・・恥ずかしい。恥ずかしすぎる。どんな顔で入れば良いんだ)
とても恥ずかしくなった。
「しっ、失礼しまーす」
若干上ずった声を出しながら、扉を開くと、店主はこちらを一瞥した後に、手に持った本に視線を戻した。
(本って高級品じゃないのか?)
疑問に思いつつ、クッソほどに強いヤニの臭いに顔をしかめた。
(臭い、くっせぇ、マジでくせぇ。タバコ?)
この臭いの元だと思われる店主の方を見ると、暗くて詳細には分からなかったが、タバコよりも大きな煙を発する物体を見つけた。
(・・・葉巻か)
現実で吸っている人を初めて見たので驚きつつも、
「あの、物を買い取って貰えないかな?」
と声を掛けた。
「なにを買い取れ、と?」
「酒五本と噛みタバコ、紙巻きタバコ計四十本程度、それとガラス細工」
「現物と言い値は?」
「十五万、現物はこれ」
五本の酒瓶とタバコ達の山、数個の結構造形を頑張ったガラス製のコップを置く。
店主はそれらを一瞥すると、一言漏らした。
「高すぎる。出せて三万だ」
「高すぎる、なんて事はないと思いますが。タバコは一箱一千、酒は一瓶一千二百で貴男は売っているでしょう?」
タバコと酒に掛けられた値札を指す。
「あの値段で言えば、最低四万六千は払うべきでは?」
「収支がゼロになるから無理だ」
「そうですか・・・。タバコ四十箱と酒五本で、三万でどうですか?」
頑張ったガラスのコップが安く買いたたかれるのは嫌なので、あれだけを別に交渉することにした。
「そのガラスがないんなら、四千六百だ」
「四千六百、ですか・・・内訳は?」
「タバコで四千、酒で六百」
(・・・タバコ一箱で百、酒一瓶で百二十か・・・暴利では?)
暴利に文句を言いたくなりつつも、今の所は買い手の方に優位がある為に文句は言えなかった。
「そうですか・・分かりました。一端、このガラス細工を売る」
「どうも」
一端、ガラス細工の値を考えるのが面倒になったので売ることにした。
・・・これで二万五千四百、あと十二万四千六百くらいか、高いな。
「タバコは一箱で百、酒は一瓶で百二十、この認識で間違いない?」
「勿論だ。何時もその値で商売をやってるんでね」
「そうですか、絶対にその値を下回ることはないか?」
「嗚呼、神に誓って言おう」
「それでは、追加します売る物の量を。タバコを最初に提示した物と合わせて一千二百十本、お酒を三十本です。いけますか?」
(ああ、これ絶対に暴利働かれてるな)
何となく分かったのだが、買い手市場のためにどうしようもなかった。
「嗚呼、勿論行ける。だが、どうやって出すんだ?」
「少し待ってください。ただいま持ってきます」
(・・・さて、一千二百十本もタバコは創っていたかな?お酒は、数百本あるから大丈夫だけど)
記憶を辿ってみたのだが、流石にタバコは足りていなかった。
(創るしかないな)
数個の木箱に既に創ってあるタバコとお酒を入れ、九百本ほどのタバコを創り始めるのだった。
…………
そして四十分後、
「準備できましたよ」
とお酒とタバコの入った木箱を頑張って、悲鳴を上げながら運び終え、店主に声を掛けた。
「どうも、数えるから、適当に待っていろ」
「さいですか」
と言う事で、適当に店内を見渡し、五十分。
「確かに買い取った。これが、金だ」
投げられた袋を掴み、中身を開ける。
銅貨が十五枚入ってた。
・・・あんだけの労力がたったこれだけか。
若干悲しくなった。
「どうも」
(ぐぅ、絶対に詐欺だ)
心中で恨めしげに思いつつも、もう結構遅い時間なので、急いで店から出ると、
「今後ともご贔屓に」
嗤った声が聞こえてくるのだった。




