表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
320/385

第315話 馬鹿ですね、本当に私

 ええと、ルナを仲間(手駒)にするために色々と仕掛けようとしたのですが、失敗をしてしまい、足を滑らせ、押し倒されてしまいました。

 ですけど、私は口八丁に脅しとか、言葉とかを並べたり、嘘八百な訳ではないが、嘘をついたりもして彼女に交渉を持ちかけました。

「私の仲間にならないか?」

 と。


 ・・・これからは、レイとか場合によっては、自由解放軍の旧知の友にでも現場で動いて貰おう、私は咄嗟の状況に弱いし、体格的に見ても一般の人より小さいし、うん。

 今回の失敗を次回にしかそう、と考えたりをしてルナの返答を待ち、三分間が経った。


「それでどうしますか?私のお勧めは、こちらの仲間になることです」

「・・・貴女は私に何をさせたいの?」

「えっとですね。諜報か情報調達です」

「何時まで?」

「何時かは未定ですが、まあ、貴女を利用する必要性がなくなったらです」

「・・・」

「まあ、でもそこまで難しい事はお願いしませんよ。断りたければ断って貰っても構いませんし、一部の命令を除いてね」


 そして、質問は終わったのか、彼女は今一度考えるように目を瞑り、

「・・・分かった。分かりました」

 分が悪い、と思ったのかこっちに下ってくれた。


(案外簡単に諦めてくれた。もう少し抵抗されると思ったのに)

 若干の驚愕を感じつつ、

「あのっ、どいて下さいます?」

 とお願いした。


 すると、今回はどいてくれた。

 いやあ、良かった良かった。抵抗できないから、このまま殴られると思ったわ。


 茶色く土で背部が汚れたであろう制服に意識を悲しくなるので向けず、

「えーと、こっち側来てください」

 彼女の手を引いた。

 人気がない方に。

 勿論、隷属の魔術を保険に掛ける為に。


 そして、入り組んだ道を散々に歩き、夕方なのに薄暗い行き止まりで足を止めた。


(適当に歩いたけど、案外良い感じのところに来れるもんだな)

 と自分の才能に自惚れつつ、魔術の準備の為に彼女の手を離した。

 そして、彼女ルナの姿形は目の前から蒸発した。


 ・・・やらかした。失敗だ。

(レイの時とおんなじだ。油断しすぎた。相手の戦意を挫いてないのに。・・誘い込まれたと言おうか、馬鹿なことに自分で迷い込んだと言おうか・・・)

 後悔をしつつも、道の奥に走り、

(索敵魔法、使うか)

 相手の位置の特定を急いだ。


 そして、

「見つけた」

(近づいてきてる。やっべぇ)

 非常に不味い事になった気がする。


 けれども、相手は魔法が使えなそうだ、という事も分かった。

 奥の手として隠しているのなら別だが、先程の消えた瞬間の混乱に打ち込まれなかったことや、無防備に背を晒していても飛んでこない事を考えれば、使えないと考えるのが妥当だろう。


「良かった」

(私の優位が完全に崩れたわけではないな)

 一切楽観できない状況ではある物の、安堵を少しだけした。


 ・・・何時仕掛けるべきだろうか?

 もう既に仕掛けても良いか?

 ・・・うん、たぶん良いな。

 雑ではある物の、わざわざ取り押さえられたとしても利益はないので、今すぐに動くことにした。


 目と鼻の先に壁が迫っているのを確認し、足を止めた。

 若干、走ったために息は上がっているが、問題はないだろう。


「ルナさん。忠告しましょう。痛い思いしますよ」

 と一応の忠告はしたのだが、返って来たのは沈黙であった。

(・・・今、かな?一番良さそうなのは)

 数秒間、返答を待つような様子で立ち止まった。


 そして、肩を掴まれたタイミングで、索敵魔法との併用で位置を完全に特定し、透明なルナに飛びかかるようにしてお腹の辺りで馬乗りになり、

「死なないで下さいよ?」

 拳程度の大きさの魔法を十個ほど、私達を囲むように展開し、猛進させた。




 そして、

「ッイテテ」

 若干自分に掠ったために声を漏らしつつ、

「さて、大丈夫ですかね?」

 目の前で失神でもしたのか、伸びている少女を見つめるのだった。


 …………


 色々あって、ルナを気絶させる、という当初の目的を達成しました。

 なので、私よりも体重の重い彼女を頑張って引っ張り、ワープの魔法で家に帰ってきました。


「先生、ありがとうございました」

「どうも。っで、その子が君の目的のこかい?」

「ええ、そうです。変な能力を持った子です」

「・・・気になるのだけど、その子は気絶してるんだよね?」

「たぶん、脈はあったので。痛みか、恐怖で気絶してる、はずですよ」

「本当に?」

「じゃあ、試してみます?」


 家に帰って早々、あるはずもない可能性を先生に言われ、試すことになってしまった。

 ・・・そうだな、魔法を頭の近くにでも撃つか。


 今回は真っ黒な闇で出来た槍を創り出し、床を可能な限り壊さない速度で放った。


『ドンッ』

 と鈍い音とともに、

「ぎゃっ」

 変な叫び声も聞こえた。


 ・・・まさか、本当に意識があったとは。信じられない。

 なんで、意識があったのに抵抗をしなかったんだ?馬鹿なのか?


「・・・先生、疑って申し訳ありませんでした」

「良いさ。全然ね」


 創造魔法で縄を創り出し、目の前で恐怖に震える少女を見つめる。

 逃げられても大丈夫だ、とは思うが、一度騙された、その事実が癪に障ったので、奴を縛ってやろう、と思ったのだった。

作品に関係ない余談

新作作り始めたので、こっちにちょっと影響あるかも。

ネタバレしたら一気に面白くなくなる作品なので内容は書かないけど、短めの十三話くらいの奴。

あとこっちの作品での催促。

よければ、感想を頂けないだろうか?

現在の感想、質問と参考になる言葉だけなので、簡単な感想が欲しいれす。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ