第301話 久々に会うような気がします。いえ、気がするではなく、久々ですね
今日も今日とて学校です。
登校をし、嫌がらせの手紙を捨てたり、壊されたものを直したり、授業を適当に受け、やっとこさの思いでお昼の放課になりました。
嬉しいです。
「えーと」
(今日もいつも通りのもので良いかな)
とルンルン跳ねるような心情を表に出さないように気を付けつつ、
「いつものお願いできますか?」
食堂のおばちゃんに頼んで、色好い返事を聞き、その後お盆を貰い、
(えーと、空いてる席、空いてる席)
食堂の中を歩き回った。
そして、面白い物・・・違うな、えーと、久しく会っていない人を見た。
(あっ、マリーちゃんとロナルド君だ)
ええと、そう、一年と数月話すどころか顔を合わせてすらいない、そんな専属従者の二人を見たのだ。
(なんか、仲良く話してるな。付き合いでもしてるのかな?まあ、そんな節はあったしなぁ、うん。ロナルド君も隅に置けないなぁ、おじさんは女の子含めて人と仲良くなれすらしないのに)
とふざけつつも、すぐにその場から踵を返し、座る席を探した探した。
・・・・・・いや、ね。
会わないのか、って責められそう、ていうか私の何処かではそう責める声が聞こえるから言い訳するけど。
無理だよ。流石に。
いや、普通は「やぁ、やぁ、久しぶりだね。元気してた?」つーかんじで話しかけるべきなんだけれども、久しぶり過ぎて話しかけるのが怖い。
それに仲良く話してるあの子らを邪魔するのは、なんだか気が引ける。
話に混ざれなくて浮きそうで。
それに、もし恋愛してたとしても、それは私には一切関係ないことですし。
私と彼らは業務上と言いましょうか、その上での関係なのですから、あの子達の色恋など主観ではどうでも良いことなのです。
関わっている事などありませんし、関わって徳をするとも思えません。
それに、ないとは思いますけれど、それを知ってしまい彼らの仕事上に持ち込まれてしまって、怠慢でも起ころうものなら、私は困っても良いのですが、ブランドー侯爵家全体が困ってしまうかも知れないですしね。
私が独立した自分で責任を負える人間だったら良かったのですが・・・。
・・・だから話に混ざらないのです。
屑だ、と言われるような気もしますが、職務怠慢の元となる公私の混合は避けるべきです。
まあ、勿論相談を受けたら茶化しつつ認知はして、色々と取り決めを作りますがね。
流石に聞いた上で認知しないのは違いますから。
(・・・それよりもですよ!ご飯ですよ。ご飯!今は何よりもご飯が重要なんですよ、ご飯が)
先程まで考えていた専属従者達のことを思考から外し、
「空いてないかな」
呟きつつ席を探し回りました。
・・・はい。その、えと、何と言おうか、・・結果を言いましょう!
はい。ええと、結局空いていませんでした!
運が向いていなかったのです。
(はあ、マリーちゃん達に話しかけなかった事への天罰かな。天網恢々とは言うけど・・・はあ)
自分の不運に嫌な気分になりつつ、
「どうしよう」
ご飯をどうやって食べようか、と頭を悩ませた。
昼放課は、あともう少しあるが、それでもたいした時間的余裕はない。
このままでは、不味い事にご飯を食べれずに過ごすことになりそうだ。
(さて、マジでどうした物だろうか)
未だ一切空くことのない席に、
(これ、嫌がらせでもされてんのかな)
とないはず、の想像をしつつも真剣に悩む。
けれど、結局は、
(うーん、誰かに譲って貰うしかないよな。普通に)
とこんな物しか思い付くことは出来ず、ちょっと前にマリーちゃん達が座っていた席をちらっと見てみる。
(この学校の中に居る仲で珍しくも知り合いのあの二人なら)
淡い希望を抱いたのだ。
・・・まあ、さっきの前振りで分かった事だろうが、居ませんでした。
しかも、あの二人が座っていた席には、別の人達が座って談笑をしていた。
(何故。何故だよ。もう直ぐ、って訳ではないけど、そこまで時間ないだろ、どうして、どうして談笑してるんだよ)
怨嗟のような物と共に、
(これは、知らん人に話しかけるしかなさそう)
その方法しか残されていないように思えた。
(ああ。嫌だな)
と思いつつも、近くに居る人に話しかけようとしたところで、
「えっ、エミリーちゃん」
久しく聞いてない声を聞いた。
(今日はよく会うな。知り合いに)
と聞いた声に思うと同時に、
(えっ、えーと、誰だっけ。・・いや、忘れたわけではないはずです。唯一学校で仲が比較的良いめの人だし)
若干、名前を呼びかけた人の名前を忘れていることに気付いた。
(えっ、あっ、やべ、えーと、えーと、・・・)
振り返りながら、頑張って、凄い頑張って思い出した。
そして、
「お久しぶりです。ラーラ先輩」
無事思い出すことが出来た。
(やっべぇ、本当に不味かったぁ。良かったぁ)
安堵の声を漏らしていると、
「どうしたの?さっきからずっと歩き回ってるけど」
質問をされた。
(”さっきからずっと”ね。ずっと見られてたのか)
驚きつつも、
「席が空いてなかったので、探していたのです」
返事をすると、彼女は辺りを見渡した。
「あっ、本当に空いてないね。席譲ろうか?」
「お願いします。あの、気になるのですが、どうして今日はこれ程までに食堂に人が集まっているのでしょうか?普段は、見ない人も多く見ますが」
「さっ、さあ?」
「・・・そうですか。ありがとうございます」
(何で言い淀んだんだ)
疑問を抱きはしたが、不信感を募らせる時間は惜しいので、ラーラ先輩から席を譲り受け、私はご飯を急いで食べました。
どれくらい急いで食べたかというと、喉を詰まらせそうになるくらいに急ぎました。
ラーラ先輩に心配され、少し、いえ、だいぶ恥ずかしかったです。
主人公、成長したんで主人公体型やらの説明。
第一部から若干ながら変わっているため。
身長:142.3cm 同年代よりだいぶチビ
体重:38.8kg 痩せ型、ご飯・菓子を食うよりも勉強・魔法をしてたせい
髪色:銀髪 理由は後の編で
髪型:腰まであるロング パーマも掛かっていないタイプ
目色:二重の碧眼 遺伝
胸のサイズ:控えめAくらい
格好:大概は白い服、制服 着てる服は基本は、ゆったりした服、ダボっとした奴
趣味:魔法・勉強・読書・睡眠
性格:快楽主義、若干の差別主義
身長〜格好は作者の癖。




