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第299話 あれ?肥えました?気のせいですかね?

「センセー、先生ー、居ますかー?」

 学校から返ってきた私は、部屋で声を漏らす。

(出て来て貰わないと面倒なんだよな)

 と思いながら。


「センセー、センセー」

 呆けた老人のように、

(はあ、面倒い。さっさと来て下さいよ)

 心中で悪態を吐きながらも、同じ言葉を繰り返す。


「面倒臭いな。本当に」

 目頭を揉みながら呟き、

(・・・自分で作る、もしくは誰かから買うしかないな)

 先生に頼る、以外の案を考える。


 ・・・私が何をしようとしているか、それを説明しよう!

 えーと、・・・私は昨日、嫌がらせをしてる連中のトップの執事、奴に主人を連れてこい、そしてこっち側の為に動け、という命令の手紙を渡した。


 渡した日。まあ、昨日は、これで十分だろう、と思ってたのだ。

 けれども、今日になってよくよく考えると、もしかしたら奴が、執事の野郎が想定以上に忠誠心が強く、私の思い通りに動かないのではないか、と心配が湧いてきたのだ。

 それ故に自衛の手段を得ようと画策し始めたのが、少し前。


 そうして、どうやって自衛をしようか、と沢山考えた。

 何て言ったって、魔法は私の年齢では違法行為のため、自衛では使えないし、剣とかは大の苦手だし、それに加えて体格差で押し負けるから使えない。


 それならば、と色々考え続けた。

 っで、結果としては、使っても本当にギリギリ、頑張れば揉み消せる銃を使おうと思ったのだ。

 あっ、勿論『銃』と言っても、所謂自動拳銃とか回転式拳銃とか、自動小銃とか、機関銃とか、短機関銃とか、そう言った近代的な物では決してないですよ。


 何と言い表して良いのか、難しいことなのですが、所謂『大海賊時代』の時の海賊が使っていたようなタイプの銃、まあ、フリントロック式の銃です。

 勿論、マスケット銃みたいな大きな物ではなく、小さな拳銃のタイプです。


 何故こんな物なのか、それを説明すると、前世で所謂『銃』とされている物は、大概構造が複雑ですし、私は作り方を知らないですし、現代技術で手に入るのはそれくらいだったからです。

 あっ、あとは、クズでも死なれては、私の精神衛生上多分、多少は困るはずなので、殺傷能力が比較的弱めな銃は何か、と考えた結果です。


「・・・まあ、こんなもんかな」

 先程まで並べていた誰に説明するでもない説明の羅列、それを切るように呟き、

「先生、居ませんか」

 と言葉を漏らす。


 少し前、自分で作ろうか、誰かから買おうか等と考えたりもした。

 だが、当然に一般貴族の私はフリントロック式の銃の構造、作り方なんぞ知るはずがありません。

 それに、自分で買いに行くのも色々と問題になるかもですし、買うためのお金もありません。

 その為、私が唯一頼れる人?・・・いえ、神様を頼ろうと思ったのです。


「せんせぇ、せんせぇ、ハハ」

 同じ言葉を繰り返していると不思議と乾いた笑みが漏れた。

 理由は、ふと考えた物が、結構面白かったからだ。


「くひ、くふふふ」

 自分でも気持ちの悪い、と思う笑い声を漏らしながら、

(捨てられた売女って、ハハハハ)

 考えた事を思い浮かべる。


「ハァハァ、死ぬ、死ぬぅ」

 何故か止まらない笑いにふざけ、

「ハア、キッモ」

 自分の考えた事に言葉を漏らす。


 純粋に気持ちが悪かった。

 なんというか、ただ気持ちが悪かった。

 自分の事を商売女だ、と例えた事もそうだし、『捨てられた』なんぞと考えている事実、それも大変に気持ちが悪く、醜悪で、どうしようもなく穢らわしかった。


「嗚呼、ハア。なんだか嫌な気分」

 吐き気を催す、とまでは行かない物の大変に気持ちが悪く、自己嫌悪の思いが強くなった。


「・・・今日は良いかな」

(あと数日はあるわけだし、寝ようか)

 やる気も無くなったし、大変に嫌な気分だったので今日は諦めることにした。


「寝よ」

 短く声を漏らし、ベッドに入った。

 そんなところで、

「なんだい?」

 久しぶりに聞く声があった。


(・・・遅いな。諦めてからかよ)

 と思いつつも、

(諦めるのやっぱなしで)

 ベッドから飛び起きつつ、先程の諦めの言葉を翻した。


「先生、お久しぶりですね」

 久しぶりに見る先生に言いつつ、

(若干丸くなってる気がする。太ったのかな・・・てか、先生のあの身体って、肥えるのかな)

 先生の姿形に思ったりもしたが、

「ああ、久しぶりだね」

 と言う声を聞いた。


「なんでずっと空けてたんですか?気になるのですが」

「言わなかったっけ?旧友の墓参りだよ」

「先生、前回あったときに『忙しい』って言ってましたけど、墓参りって忙しくなる要素ありますかね?」

「・・・まあ、何というか、親しき仲にも礼儀あり、だよ。詰めないで欲しいな」

「そうですか、分かりました。・・・あっ、あと気になるんですけど、先生太りました?」

「・・・何を言ってるんだい?」


 と感じで先生と問答をし、一通り終わると、

「それで、どうしたんだい?呼んだだろう」

 本題を切り出そうとしてきた。


「はい、ええと、理由としましてはね」

(何か若干言い辛い)

 と思いつつ、儘よ!と心中で叫び、

「この国の法律上、公で私は魔法を使っての護身が出来ないので、護身のために銃を手に入れたい、と思ったので先生は持っていたりとかしないかな、と」

 先生に本題を言うのだった。

先生が肥えたかどうか、それを説明しましょう!

生活が乱れてたのでちょっと太りました!!

でも、太って見える大きな要因は、諸事情により毛をちょっと伸ばしたからです。

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