第291話 十六枚の手紙。多くね?
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次の目標は、間が短くなりますが、350ptにする事にします。
宜しくお願い致します。
「うーん。多い」
私は如何にも悩んでいる声を、先程帰って行ったレイに書かせた物を見ながら漏らす。
・・・だって、一六人だぜ。
多すぎるだろ。嫌がらせをしてた人。
私、嫌われすぎ。
「・・・うーん。とりま手紙書くか」
悲しい気持ちはあるが、何時までもウジウジと考えていても、意味はないので、書き始めることにした。
そこらに積んである紙を手に取り、しっかりとレイに書かせた個人情報を見る。
そして、
「えーと、あれ、この名前、見たことある・・・違う、聞いたことあるな」
既視感のある名前を見つけた。
(アレナ・サヴィア伯爵令嬢さん。・・・顔にも見覚えはあるな。どの関係の人だっけ)
記憶を辿ってみると、
「あっ、あの人だ。先輩、ラーラ先輩をいじめてた人だ」
と思い出した。
(嗚呼、嗚呼、あの人か。あの人なら、私に対して嫌がらせをしても可笑しくないな。てか、あの人、正教会の信者だったのか。てことは、ラーラ先輩と内輪揉めをしてた訳か。・・・正教会の中でも、平民と貴族の軋轢はあるんだな)
違う地位同士の者を同じ所に入れると、必然的に起こってしまう問題なんだろうな、と思いながら手紙を書き始め数分後、二枚目の手紙が書き終わった頃、一つの疑問が湧いてきた。
その疑問、それは
「聖書だか、経典だかに人間は全て平等だぜ、って内容なかったけ?それどうなってるんだろう」
という内容だ。
(例外って扱いなのかな?それとも、また別の宗派だとかで、教えが断ってるのかな?)
と思い、思考は解決に向かっていくと思ったのだが、
「あれ、よくよく考えると、あっちの国。えーと、ヒルビア正教会の総本山の、えーと、神聖ローマ帝国的な奴、えーと、確か、神聖ホーグランデン帝国の方も貴族制度あったような」
このことを思い出し、解決に向かいかけていた思考は、段々と絡まり始めた。
「うーん。平等思想はあるけど、それを成立たせるほどの力がないのかな。もしくは、あってもそれを行う気がないとかかな」
人類皆平等の思想を宣うのに関わらず、貴族と平民の差を作っている理由を考えた。
けれど、
「分からん」
結局は理解しきることが出来なかったので、
「・・・まあ、多分、前世で言うキリスト教みたいに、社会秩序の為とかなんだろうな」
と適当に結論づけ、
「よーし、頑張って手紙、書いてくぞー。三枚目」
手紙を書き始めた。
(・・・あと、十四枚もあるのか。多いなあ)
面倒くささを感じつつも、頑張って手紙を書き続け、
「・・・はあ。面倒臭いなあ」
つい言葉を漏らしてしまった。
「くう。面倒い。本当に面倒い」
一度、文句を漏らしてしまったために、口が緩んでしまったのか、沢山の文句の言葉が漏れ出した。
・・・まあ、面倒臭いのは事実な訳なのでしょうがないよね。うん。きっとそうだ。私は悪くない。
「はあ。何か、気分が良くなる物ないかな」
若干・・・結構嫌な気分になってきたので、
(うーん。本かな?・・・いや、でも一度読んだら、ずっと読んでしまいそうだし・・・)
手を止め、気分転換できる物を思い浮かべてみる。
結果としては、
「お酒とタバコかな。さっき作ったし」
これくらいしか思いつけなかった。
そう言えばの話なのだが、前回お酒を飲んだときには勘違いしていた事がある。どうやら、お酒とタバコは別に年齢的に駄目とかはないようだ。
理由としては、お酒は水の安全性が保証できず、それに加え水が高価な物である為。
タバコは最近こっちに入ってきたために、未だに法整備が進んでいない為。
「よし、やろうか」
と考えを言葉に出したところで、前世の事がフラッシュバックした。
タバコを勧められ、断ることが出来ずに吸ってしまい、ゴホゴホと咳を吐きながら不味さや、頭のクラクラとする感覚に苦しんだことを。
「・・・タバコはやめよう」
小さく漏らし、お酒を飲むことにした。
「えーと。これって何のお酒だっけかな?適当に作りすぎて分からないんだよな」
お酒の種類を考えつつも、コップを作り出し、瓶を傾けた。
コップの中には、透き通った茶色い液体がなみなみと注がれてた。
「うーん。ブランデーか、ウィスキーの類いかな」
と予想をしながら、ちょっとだけ口を付けてみた。
「っく」
胃から熱い物が広がっていく感覚を覚えながら、
「美味しいけど・・・飲むの辛いな」
と純粋な感想を漏らした。
果物由来に思われる味とか風味は、美味しかったように思えるけど、けどもね、私は多分苦手だ。
理由としては、多分アルコールの度数が高くて、スッゴい辛い。
「何かで割らないと無理だな。これは」
若干、酔ってしまったのかクラクラする感覚があった。
「・・・手紙書くか、気分転換は出来ただろ。多分」
正常な判断を出来る理性が、まだギリギリではある気もするが、存在するように思えるので書くことにした。続きを。
「えーと、こうで、えーと。えーと」
よく分らない声を漏らしつつ、頑張って手紙を書き続けた。
眠気が凄く湧いてきたりしても、頑張って書き続けた。
ふと、
(これ、今日全部書き切る意味ないよな)
と冷静に考えたりもしたが、
「知らねぇ、んなこと」
理性をかなぐり捨てたように漏らし、書き続けた。一心不乱に。
そうして、深夜三時頃、
「よし、終わった」
全部か着きることが出来ました。
スッゴい疲れました。辛いです。眠くて。
「はあ。よし、寝よ」
と呟きながら、ふと机をも渡すと飲み忘れていたお酒を見つけた。
「あっ、嗚呼、忘れてた」
少しだけ量は減ってはいる、けれども未だになみなみと注がれたお酒を見ながら呟く。
「一気飲みは、・・多分死ぬから、やめとこ」
急性アルコール中毒で死ぬ姿を思い浮かべつつ、チビチビとお酒を飲み続けるのだった。
やっぱり美味しくはあります。
けれどもやはり、アルコールがきついです。
身体が馴れていないんでしょうね。やっぱり。
ちな、今回の酒はコニャック。
高級なお酒です。
あっ、ちなみにホーグランデンは、オランダ語だったはずです。
何か、ヒルビア正教国と書いたような記憶もあるのですが、まあ、良いだろうと思い、神聖ホーグランデンとなりました。
ちな、シャール帝国とルノー学院は、フランス戦車が由来。




