表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【休載中】テンプレ尽くし(笑)の異世界貴族令嬢  作者: 朝日 橋立
第二部スタート! 帝国立ルノー学院 中等部 編
289/385

第285話 嗚呼、疲れた。疲れたよ私。今日凄く眠れそう。

 正教会から舞踏会への招待を受け、アリアさんのお話を聞いた私は、

(予想が当たったな)

 心中で呟きながら、色々と考える。


(断るのも不味い。受けるのも不味い。ハア、クソだな)

 現状に文句を叫びつつ、

(正教会の敵も味方も多すぎるのがいけないんだ。クソが)

 と全ての元凶への文句も叫んだ。


(一体全体どうするべきなのか。相手に悪い印象を与えず、回避する方法)

 頭を悩ませながら、

(立場が不味いよな。中立って立場もだし、もともと正教会から支援を受けたお父様の立場も)

 立場についても多少文句を漏らす。


(はあ。不味い、不味い)

 と呟きつつ、

「アリアさん。招待を受けた日付、それは分かりますか」

 彼女に問いかけると、

「一ヶ月先だそうです」

 と答えてくれた。


(六月か。何か優先的に行わなければならない用事、それを入れる事は出来ないかな)

 と心中で考えた私は、

「アリアさん。六月の招待を受けた日。その日に何らかの重要な予定はありませんか」

 そう問いかけると、

「なかったはずです」

 と返答が返された。


「そうですか」

 短く返事をしながら、

(いっそのこと反正教会の貴族にでもなってやろうか)

 正気じゃないことを考えたりもしたが、

(まあ、やんわりと断るのが良いだろうな)

 という結論に至った。


 何故なら、それ以外には選択肢が見つけられなかったから。

 正教会への誘いに乗ったら、そっち寄りの貴族としてみられるだろう。

 それで調整のため、皇帝寄りの舞踏会とかに参加でもしたら、次は多分正教会の心中は最悪な物になるだろう、多分皇帝側も擦り寄ってきたとかで最悪なものになるかも知れない。


(嗚呼。難しい)

 と叫びたくなるのを我慢しつつ、

「そう言えば使者が来ていたのですよね」

 彼女の発言を思いだし問いかけると、

「はい。そうです」

 と肯定をしてきた。


「その方ってまだ居るのでしょうか」

(うん。私の聞き間違いじゃないね。良かった)

 と思いつつも問いかけると、

「はい。います」

 直ぐに返答をしてくれた。


「断りの旨を伝えたいので、その人の元へ案内していただけますか」

 断ることを決めた私が言うと、

「そうですか・・・」

 と彼女は言い、何か反対の言葉を続けそうだな、と思ったので

「あっ、ちょっと手紙も書きますので、部屋の外で少し待機していてください」

 相手の言葉を遮るように言った。


「お嬢様────」

 アリアさんは何かを言おうとしたが、

「はいはい。後で聞きますで、出て行ってください」

 彼女の背中を押し、部屋から追い出した。


「ふぅ」

 小さく息を漏らしながら、

(多分、断るのは不味い、って事を言おうとしてたんだな)

 彼女の言おうとしていたことを考え、

「分かってるよ。それくらい」

 独り言を漏らして、

(でも、受けた方が不味いだろう。正教会に味方してる大部分は、商人と平民だし)

 それに、心中で言葉を紡いだ。

(正教会に味方してる貴族なんて殆どいないんだぜ。金に、地位に目が眩んだ貴族、盲目に完全に信じ切っている貴族、もしくは反体制派貴族。そんなのに味方して貴族から爪弾きにされたくはないんだよ。怖いんだよ)

 と。


 心中で色々考えつつも、

「よし、書くぞー。早速」

 紙をそこら辺から取り出し、

(六月はまだ休みが始まっていないよな・・てことは、勉学に集中したいから、ってので断るか。八月に休みに入るから、そこでまた誘われそうだけど、また何とか理由を付ければ良いか)

 と考えながら適当にやんわりと断る文章を書いた。急いで。


「えーと。封筒。封筒」

 書き終わったところで、呟きながら探した。

 だが、見つけることは出来ず、

(ないな。多分)

 その事に気づき、

「あの。アリアさん。封筒と封蝋ってありますか」

 扉を開き、近くに待機していた人に声を掛けた。


「えっと、はい。直ちに持って参ります」

 アリアさんはそう返すと、廊下を駆けて行ってしまった。


「・・・待つか。帰ってくるまで」

 それ以外にやることはないので呟き、近くの壁にもたれ掛った。

 ただ立っていたら、多分ないとは思うけど、痛くなるかもしれないから。足が。


(はあ。眠い。てか、お腹空いた)

 頭の中から思考を一端掃き捨て、何も考えていないと、空腹を感じ、心中で呟いた。

「そう言えば、何かお菓子とか、食べ物貰おうとしてたんじゃん。忘れてた」

 小さく呟きながらも、

(多分、今は無理だよなぁ)

 色々と対応することがある為、そう思い、

「はあ。面倒くさい」

 頭を少し掻きながら呟いた。


(何か、もう)

「はあ」

 色々と思うことはあるのだが、取り敢えず溜息に全て込め、直接呟いたり、思ったりはしないことにした。

 何か、ボロが出るような予感があるから。


「まだかな」

 アリアさん遅いな、と思いながらつぶやき、

「そりゃあまだか」

 自分を嗤うように言葉を漏らす。

 彼女が封蝋と封筒を取りに行って未だに、二分程度しか立っていないのだ。当然だろう。


(疲れたな。何か、スッゴい疲れた。今日はよく眠れそう。悪夢見ないと良いな)

 そんな事を考え続け、数分が経ったところで、

「お待たせしました。お嬢様」

 若干息を切らしたアリアさんが、戻ってきた。


「ありがとうございます」

 彼女に御礼を言い、私は持ってきて貰った物を受取り、手紙を封筒に入れ、封筒を閉じ、

「終わりました。それじゃあ、行きましょうか。案内お願いしますよ」

 とアリアさんに頼むのだった。

ヒルビア正教会派、皇帝派の内訳。適当に作った。好きな人もいるかなって思って。

ヒルビア正教会      皇帝派

6割:平民         5割:貴族

3割:商人         3割:商人

1割:貴族         2割:平民

地味に正教会って大丈夫なのかな?

キリスト教関係で。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ