第284話 お腹空いたなぁ。 はあ?
うーん…今日から一日二話投稿します。
理由は、一旦二話投稿したら、一ヶ月くらい休んでもお釣りがくるかな、って思ったからです。
いつも通り一時の投稿と、十二時の投稿です。
発言が変わりまくっててごめんよ。
「はあ」
私は溜息を吐きながら、学校の廊下をゆっくりと歩く。
四限までが終わり、現在は昼放課だ。
(悩ましい。非常に悩ましい)
昨晩、お父様、それとマリーちゃんのお祖父さんであるユーレン元伯爵へ宛てた手紙が、私の頭を悩ませていた。
・・いや、ユーレン元伯爵はそこまで、頭を悩ませる原因じゃないか。
たいした内容は書いてないし、あの人とたいした関わりはないし。
「はあ」
再度溜息を吐き、私は心配事を頭に浮かべる。
(大丈夫かな。馬鹿な娘、愚かな娘、失態を犯した娘とか思われて、見限られたりしないよな)
と。
「はあ」
先程から数えて三回目。
今日全体では、何度目なのかが分からない溜息を再三吐き、
(悩んでてもしょうがないよな。それに、もう手紙出しちゃったわけだし、今更後悔しても後の祭りだし)
胃がキリキリするし、色々と辛いのだが、どうしようもないので考えないことにした。
「・・・お腹空いた」
先程まで、適当な場所を歩き、考えを纏めていたために、未だご飯を食べていない、その為空腹感を感じた。凄く。
(お腹空いた。グーってなりそう)
お腹が鳴らないように祈りながら、食堂に歩みを進めていると、如何にも悩んでいる様子の担任の先生、マティアス先生がいた。
(何か久ぶりに見た気がする。さっきも見たはずなのに)
謎に感じたことを呟きながら、
「どうしたのですか先生」
何に悩んでいるのかが気になったので、私は彼に声を掛けた。
(地味にこの人に声かけるの初めてかも)
話しかけられた記憶はあるのに、話しかけた記憶はないことでそう思っていると、
「あっ、えっ、嗚呼、何でもない、大丈夫だ」
最初は若干混乱したように返事をしてきた。
(何で驚かれているのでしょうか。私が話しかけたこと、それがそこまで驚愕のことだったのでしょうか。ちょっと心外です)
文句を漏らしながら、
「そうですか。先生が悩ましそうにして居たので、気になってしまいました。何か悩み事でも」
と問いかけると、
「まっ、まあその通りだ」
肯定の返事をした。
「答えなくても良いのですが、何を悩んでいるんですか」
無理に聞き出すのも良くない、と思いはする物の気になるので問いかけると、
「何と言おうか・・・」
先生は悩ましそうに瞼を閉じた。
(何かそこまで難しい話なのかな)
若干聞いたことを後悔しながらも、先生の返答を待っていると、
「・・まあ、言っても分からないだろうし、秘密だ」
考え終わった先生は言い、
「あっ、言いふらすなよ」
と言葉を付け足した。
「はい。分かりました」
(何か聞かれたくないのかな)
と感じつつも彼に返事をして、適当に一言二言話した後、私は食堂へと急いで向かって行った。
何故なら、先生と話して居たために、もうお昼ご飯を食べる時間が殆ど残されていないからだ。
(嗚呼、ヤバい。やべぇ。マジやべぇ。間に合わない気がする。いや、気がするじゃなくて、絶対に間に合わない)
懐から懐中時計を取り出し、その文字盤を見ると、そう思わざる終えなかった。
もう五分程度で昼放課が終わってしまうから。
(くっ、いけるか。お昼抜きで)
と悩みながらも、食堂の扉の前から離れ、教室に向かって早足で歩いた。
ウジウジ悩んでいたら、確実に授業に遅れてしまうから。
頑張って、頑張って急ぎ足で歩き続け、教室に入り席に着いた。
そして、
(次から悩むときは、お昼ご飯食べた後にしよ。じゃないとご飯抜くことになる)
これからのことを決心した。
色々と後悔しながらも、次の授業の準備をした。
そうして数分後、授業が始まった。
私はお腹を鳴らさないように頑張った。
具体的には説明できないだが、スッゴい頑張った。
頑張り続けたおかげかお腹は鳴らさずに済んだ。
けれど様子がおかしかったのか、先生に心配されたり、周りから心配の目線を感じたりした。
(いやあ、恥ずかしいです。本当に超恥ずかしい)
周りに見られていることや、多分そのせいで顔が若干赤くなって居るであろう私、それらを想像すると非常に恥ずかしかった。
ああ、お腹痛くなりそう。
心中で恥ずかしがりながらも、授業はしっかりと受けた。
もう既に理解している内容ではあったのだが、テストとかそう言った物で有利になるかなー、と思ったからである。
…………
そんなこんなで空腹を我慢し、頑張って、頑張って授業を受け、私は家に帰ってきた。
「ただいま」
小さく呟きながら、直ぐに自分の部屋に入った。
(はふぅ。疲れた。お腹空いた)
椅子に座りながら呟き、
(何か食べ物貰えないかな)
と思いながら直ぐに椅子を立ち上がると、
『コンコンコン』
扉が叩かれた。
「あっ、はい」
と返事をして、ちょっと歩く速度を上げ、扉を開き、
「どうかしましたか。アリアさん」
扉を開いた人物に問いかけた。
ありがとうございます。彼女は御礼を言うと、一言二言言葉を交わし、
「お嬢様宛ての御手紙です」
と本題が切り出された。
(手紙。誰だろう。お父様か?・・・な訳ないよな)
現実的に考えて、お父様やらユーレン元伯爵さんやらは物理的な距離が遠すぎて、未だに手紙は届いていないはずだ。
(一体誰だ。皇子殿下か)
分からなかったので、
「誰からでしょうか」
アリアさんに問いかけると、
「ヒルビア正教会からです」
と返答がされた。
(正教会さんね。へぇ。マジか)
驚きながらも、
「どういった内容かご存じですか」
彼女に問いかけると、
「それを届けた使者によりますと、舞踏会への招待、らしいです」
と返答が成された。
「どうするべきなんでしょうか」
判断に困るので問いかけると、
「参加はやめた方が良い、と私は進言致したいのですが、・・・・」
と曖昧な返事をしてきた。
「どうして曖昧なのでしょうか」
「その、何と言いましょうか・・・」
「教えては頂けませんか、それでなければ判断に困ります」
分かりました。と彼女は返事をして、
「侯爵領とは違い、この帝都では正教会のお誘いを断ってしまうと、少し不味いことになってしまうのです」
と教えてくれた。
(宗教の力が強いのか・・・いや、当然か。貴族や皇帝も追い出そうとしてるわけだし、それに多分たいして医療も発展していないだろうし)
と思いながらも、
(不味いことになる、か。正教会の味方が多すぎる故に、私が干されてしまうのか、はたまた正教会の敵が多すぎる故か、それとも中立としての立場が問題か)
色々考えながらも、
「そうですか・・分かりました。・・詳しく教えてください。それから判断します」
目の前に居るアリアさんに言うのだった。
新しく書く小説の題材決まった。
魔法なしタイプの転生。
現実とちょっと違う世界の現実でいう北西航路関係のお話。




