第278話 大賢者様...ハッハッハ! 誰だ
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二話投稿やっぱりしません。
理由は、修正が進んでいない現状を鑑みてです。
先生から、大賢者様のお話を聞いた翌日。
(図書館の先生が、大賢者様かどうかを確認して、その後、大賢者様だったら、お話ししよう。話した挙げ句、人違いでした、で話を打ち切るのは酷い印象を受けるし)
と思いながら、学校に登校し、普通に授業を受けていた。
そして三限まで終わり、
(よし次の授業が終わったら、速攻ご飯を食べて、行くぞー図書館へ)
心中でこう叫びながら、体育の授業を頑張った。
頑張って、頑張って、
(あぁ、死ぬ)
と呟くくらいには疲れた私は、
「ふぅ」
溜息のような、深呼吸のようなどちらとも言えない呼吸をしながら、更衣室に入り、自分のロッカーを開く。
そして、
「うっわぁ」
感嘆のような言葉を漏らすことになった。
さて何があったのか、それを説明する前に、良いニュースと悪いニュースがある。
まず良いニュースだ。
私の服が色鮮やかで、奇抜なデザインになった。
っで、悪いニュースだ。
私の服がインクで汚され、刃物で穴を開けられたり、切られたりしていた。
「ハッハ」
乾いた笑いを漏らしながら考える。
(いじめか?マジ、いじめか。バカじゃないか)
笑ったように呟きつつ、当たりの人や物を見渡した。
(うん。他の人は特に何もなさそう。って事は嫌がらせか、いじめで確定だな)
うーん。と私は悩む。何故ならば、
(私、何かしたっけな?)
私は誰にも、特に何もしていないのだから。
(私、この学校に来てから、人とはなすことなんて殆ど無かったしな。話したとしても、断ることとか、挨拶をすることとかだけだし・・・)
心当たりを思い出していると、お茶会の誘い程度しかなかったので、
(まっ、まさか、私が断ったお茶会の主催者か)
あの時、一人寂しそうに本を読んでいたとき、話しかけてくれたあの子のことを思い出す。
そして、
(ないな絶対に)
と思うことになった。
何故ならば、あの子は、この国家に四つしかない・・・いや、今は三つしかない大公家の子女なのだ。
現状、帝国には、『ヴィルヘルム』『ファイアウェル』『リードフォード』っていう大公家があって、私に話しかけてくれたのは、ファイアウェル大公家のフォルティナ・ファイアウェルさんだ。
ちなみに、なくなった大公家は、『バレンタイン大公家』という。
ちょっと前の戦争で、爵位を皇帝陛下に返上して、一家で魔王を殺しに行ったらしい。
武闘派だよね。
今は、バレンタイン大公家の領地は、ブランドー侯爵家の名前の由来に、ちょっとばかし関係のある事でおなじみ、『ブラッド公爵家』が管理してたり、色々やってるよ。
ブラッド公爵家は、財政破綻で有名な領地なのに凄いよね。
さて、いじめ・嫌がらせに話を戻して。
(大公家がこっちに喧嘩を売る意味なんてないし)
と呟き、それに、私は言葉を続けた。
(それに、あんな優しそうで、よい子そうな子が、私にそんな事をするはずがない)
のほほんとした表情、仕草を思い出し言い、
(それじゃあ、誰なんだろうな。私にこんな事をするの)
色々頭を悩ませても思い付く心当たりはなかったが、取り敢えず考えないことにした。
あっ、そう言えば入学したときとかに、色々陰口言ってた令嬢達は、違うと思うよ。
あの子達、掛け口は叩くけど、性根はまじめなのかちゃんと授業は受けるし、最近陰口減ってるし、平民とか、商人とか、位の低い貴族とかと仲良さそうに話してたり、聞く話によるとお茶会も開いてるらしい。
多分、精神がちょっと大人になったんだと思う。
(うーん。それにしても、悩ましいな。これからのことが悩ましい。話しかけれるかな。先生に)
若干ストレスにより胃痛がするが、無視をし、随分と奇抜な見た目の服を掴み、魔法で収納し、記憶から全く同じ物を創り出し、それを着て食堂に急ぎ足で歩いて行き、何時ものご飯を食べた。
(数日前に貰ったのサンドイッチ美味しかったし、何時か頼もうかな)
心中で思いながら、頑張って高速で食べたご飯のお盆を返し、走りと歩きの丁度真ん中みたいな速度で、
「ハッァハァ」
息を切らしながら、一端教室に戻り、借りた本を持ち、ちょっぴり走り、図書館の扉の前に立った。
「ハァ、ふぅ」
深呼吸をし、息を整え、私は大人しく図書館の中に入り、
(何処かな。先生)
図書館を見渡しながら先生を探すと、
(あっ、あそこだな)
本の山が形成されているところを見つけた。
山に近づいていき、
「あの、先生。本を返却しても宜しいでしょうか」
と声を掛けると、
「うん。本を頂戴」
読んでいた本から視線を移さずに、こちら側に手を差し伸べてきた。
その手に本を渡しつつ、
「先生。うかがいたいことがあるのですが、構いませんか」
彼女の横顔を見ながら言うと、
「なに」
面倒くさそうな声で返されてしまった。
「先生。先生は、大賢者様なのですか?」
色々話して嫌われるのは嫌なので、すぐに話を切り出すと、
「うん」
と短く返事が成された。
(えっ、へっ、案外呆気なく答えてきた)
と思いつつも、
「大賢者様。お話────」
ちゃんと話そうとしたら、
「話したいのなら、早く出てって、此処はお話をするとこじゃない」
食い気味に言われてしまった。
「あっ、えっ、はっ、はい」
ちょっとだけ語気の強かった発言に、そう返事してしまった私は、
(これ以上は更に嫌われそうだな、てか私、何か嫌われることしたっけ)
心中で呟きながら、図書館の外にとぼとぼと出て行くのだった。
いじめっ子さんは、今後も結構関わり続けます。
具体的には、最終部の始まりまでは関わり続けます。




