第276話 授業と食堂
(あぁ、眠いな。凄い眠い。具体的には、もうちょっとで気絶するくらいには眠い)
心中で呟きながら、退屈な授業を受ける。
(はあ、疲れた。・・・あと、何限あったっけ)
と考えつつ、欠伸をかみ殺し、
(もう嫌だぁー。あと四限もある)
嫌気を感じながら、色々と文句を叫ぶ。
勿論、しっかりと教鞭を振るう先生の声を聞きながら。
(・・・頑張るかあ。そして今日はすぐに寝よ)
今から頑張るぞ、という意思を持って思い、その後も適当に授業を受けた。
・・・・頑張りはしました。真剣には受けていませんが、頑張りはしました。
本当ですよ。本当。本当に、眠らないように頑張りました。
(あっはあ。やっと終わった)
意味の分らない事を叫びつつ、二限目が終わったことを喜び、
(次の授業は一体何だ)
変なテンションで聞き耳を立てる。
それで判明した。体育だと言うことが。
(あっ、次、体育か。・・はあ、最悪)
変な元気なテンションは、全て吹き飛び、最悪だ、と思う黒い気持ちに心が支配された。
・・・何て言うのか、私、先生が苦手。
(脳筋過ぎて、あの先生、嫌い)
心中で苦手な理由を呟きながら、色々必要な物を取って、更衣室に歩いて行った。
それで普通に服を着替えました。
特に何も問題はありませんでした。
誰とも話すことはなく、ただ呆然と何も考えずに着替える。
ただそれだけです。
TS転生。と言いましょうか、そう言うのだったら、もっと何らかの反応をすべきなのでしょう。
ですが、女体になれたのか、それとも性欲が枯れたのか、私は特に何も思わないですし、興奮もしないのです。不思議な事ですが。
あっ、ちなみに私は、性欲が枯れているためにだと思います。
だって特に男の人を見ても何も感じませんからね。
(・・・面白い説思い付いた)
グラウンドに移動しながら、色々と考えていると浮かんできた。面白い仮説が。
(もしかしたら、前世の男としての意識、それと今世の女としての意識。それが混同してよく分らないことになってるのかも知れないな)
内容を呟き、
(まっ、どうでも良いか)
考えても意味がないように思えたので、私は今まで考えていたことを意識の端に追いやった。
(さて。それじゃあ、頑張るか。体育。頑張って倒れないようにするぞ)
意識を入れ替えるために宣言をし、私はグラウンドに早足で向かっていった。
…………
っで、特に語るべき事はなく終わりました。
強いて言うことがあるとするならば、疲れた。スッゴい疲れた。
程度の事だと私は思う。
(やっぱり剣はちょっと苦手、というか運動が苦手だ)
色々運動に対し、思うことをつぶやきながら、更衣室に歩を進める。
(はあ。眠い。更に眠気が増えた気がする。あと三限か)
こめかみを揉みながら、
「んっ、く」
と周りに人が不思議な事に居ないので、若干声を出して欠伸をした。
(もうちょっと頑張るか)
あと一時間でお昼の放課が訪れるので、出来るだけ力を振り絞って頑張ることにした。
(さて、次は何かな)
気になりながらも、更衣室に入り服を着替えました。
そして、教室に戻ってきて数学の授業を受けました。
雑談は楽しかったです。
っで、数学が終わり、やっと、やっと訪れました。
お昼の放課です。
(やっしゃー。頑張ったぞ。私、頑張ったぞー)
欠伸をしながら、ルンルンな思いを外に出さないように、冷静に食堂に向かい、何時ものご飯をおばちゃんに貰いました。
「あれ」
でも、貰ったお盆には頼んだ覚えのない物が載っていました。
(サンドイッチなんて頼んでないんだけどな。誰かのと間違えていないか)
おばちゃんを疑った私は、受け渡し口の所に戻り、
「あの。すいません」
と声を掛けた。
「なんだい。何か問題でもあったのかい」
愛想良くおばちゃんは、私に問いかけてきた。
「あの、これ。これを私は、頼んだ記憶はないのですが、このお盆の上に載っていたのです。誰かのと間違えている、もしくは誰かのを間違えて載せてしまっているのではないですか」
サンドイッチを指して言うと、
「サービスさ。それは」
そうすぐに返された。
「サービス?どうしてですか」
純粋に気になった事を問いかけると、
「あんた毎回、毎回同じ物を食ってるだろう」
と言ってきた。
(よく覚えてるな。私の事なんて。もしかして皆のこと覚えてるのかな)
感心して思っていると、それにと言葉が続けられた。
「沢山食わないと成長しないよ」
おばちゃんは私のつま先から、頭の先を舐めるように見て言ってきた。
(むっ、心外なんだが)
癪に障った私が、
「小さくないですよ。私は」
彼女を諭すように言うと、
「へぇ~そうかい」
なんだか悟ったような声だった。
(馬鹿にしてない。私の事)
若干、そう思い、
「私は、本当に普通程度の身長なんです。皆が高すぎるだけで、本当なんです」
拗ねたような口調で言うと、
「ハッハ。そうかい。そうかい。高くなると良いね」
と言われてしまった。
(心外だ。私は、一四四センチとちょっと低いだけで、普通くらい何だよ。本当なんだよ)
小さく思いながら、ムスッとした視線を向けていると、
「まあ、その為にも、それをちゃんと食うんだよ」
おばちゃんはサンドイッチを指差しながら言ってきた。
「そうですか。分かりました。・・・ありがとうございます」
私は若干拗ねながらも、しっかりと御礼を言った。
サービスで貰えたのだ、ちゃんと御礼をしなかったら色々と終わってるように思えるからね。
その後は、私は大人しくご飯を食べました。
いつものご飯は若干、冷めてはいましたが美味しかったです。
サービスで頂いたサンドイッチは、非常に、ひじょーに美味しかったです。
やっぱり何時もと違う物を食べたから美味しいのでしょうか?
それとも、サービスして貰ったと言う、気持ちや思いが美味しく感じさせているのでしょうか?
私はどちらのおかげなのか、それを判断することが出来ませんでした。
まあ、でも、だからと言っては何ですが、確実に言えることを言わせて頂きます。
先程も言ったとおり、美味しかったです。・・・それだけです。
「今度、もっとちゃんと御礼しよ。・・・何かあげようかな」
私は小さく呟き、お盆を返し、御礼の言葉をおばちゃんに述べ、その後、
(何送ろうかな)
と考えるのだった。
主人公の得意、不得意魔法を書いていなかった気がするので書きます。
前提として、氷魔法みたいな上位魔法は一切才能はありません。一つを除いて。
5段階評価で書きます。
火:0 水:3 土:0 風:2 闇:4 光:3 聖:0 創:5
って感じ。上位の魔法はまだ秘密。モンド先生関係で発覚するよ。
ヒント、てか答えは、モンド先生はなんの神様?って感じ。




