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【休載中】テンプレ尽くし(笑)の異世界貴族令嬢  作者: 朝日 橋立
第二部スタート! 帝国立ルノー学院 中等部 編
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第272話 案外...いや、何でもないです

 索敵魔法の範囲を徐々に広げていき、四分と数秒後。

「あっ、見つけた」

 相手の場所を特定した。


(反転攻勢を仕掛けるか)

 私は小さく漏らしながら、

(バレてないか。大丈夫か。こっちの魔力が相手に見られてるなら、反転で仕掛けるのはキツいぞー)

 と思い、相手の動向を窺った。


(大丈夫そうか・・・)

 と思い、魔法で狙い撃とうとしたところ、防御魔法に相手の魔法が当たった。


「チッ」

 舌打ちしながら、

(うっせ。耳が。ッ耳が。潰れる)

『キーン』

 と甲高い音に叫ぶ。


(良くもやりやがったな。私は怒ったぞー)

 ふざけたことを思いながら、

「どうなるかな」

 と声を漏らしながら、前に進むことしか出来ない魔法を沢山展開した。

 具体的には、ちょっぴり頭痛がするくらい。


(ひぃー。バカなことやっちったぁ。格好付けなければ良かった)

 頭を押さえながら思い、

「動くなよぉ」

 低く呟き、魔法を真っ直ぐと前進させた。


『ガンガン』

 と色々な物ぶつかる音が遠ざかっていく。


(うるさ。地味に、木とか、岩に穴開けて大丈夫なのかな)

 色々と心配になったが、考えないことにした。

 何て言うか、未来の自分がどうにかするはずだから。


「・・・外れたな」

 索敵魔法に映っていた人型が、大きく移動を開始したために呟き、

(追撃するか)

 と思いながら、魔法を放った。


「また外れた」

 魔法を放ち、数分経ったところで呟く。


(失敗だな。この魔法。遠距離で使えない。近中距離用か)

 心中で思いながら、

「槍の魔法で良いか」

 小さめの物を、二十個くらいだして、

「取り敢えず。真っ直ぐ飛んでいって、追尾しろ」

 命令を口に出した。


 わざわざ口に出す必要。

 そんな物は存在しないが、まあ、格好付けたかったのだ。


(・・・当たるか?・・・うーん。・・・・無理のある旋回しないといけないな)

 心中で思いながら、自動的に追尾をしていた内の三個を自分で動かすことにした。


(やっぱり、信用できないな)

 心中で思いながら、

(このまま直進させて、敵の移動方向に前回りをさせよ。っで、避けられたら、百八十度転換で猛追するか)

 と考え、三つを大回りで、多々ショートカットをしながら進めていった。


(うーん。相手が早い)

 魔法を動かしながら考える。

「ちょっと加速させるか。えーと・・・とりま倍くらいになれ」

 適当に速さを倍増させ、相手の動向を見る。


(何処に向かってるんだコイツ)

 蛇行しながら、時々直角に動いたりしている人型に思い、

(先回り難しいな)

 と考えたりしていると、一瞬強い魔力を察知し、

『ドン』

 鈍い音が耳元で響いた。


「チッ」

 舌打ちをしながら考える。

(速いな。相手の魔法。こっちの魔法の何倍だ?てか、この距離で一瞬しか分からないのかよ)

 と。


(うーん。・・・・あっ、いけるな)

 数分間、相手の動きを見続け、適当に魔法を操作し続けていると、相手の前に直接操作している魔法が訪れた。


(案外速かったな。最悪、四時間くらいは粘る覚悟あったのに)

 心中で思いながら、相手を挟むように魔法を反転させる。

 が、まあ、案の定避けられた。


(まあ、そうだよな)

 と思いつつも、

(横に逸れたか。んじゃ、百八十度回す必要ないな。九十度くらいか)

 色々考えながら、操作している魔法の目の前から迫る魔法の幾つかも直接の操作に切り替え、

「当たってくれよぉー」

 小さく呟きながら、昔から操作していた物、それと先程から操作し始めた物をぶつけ、前者の方を無理矢理に直角に曲げた。


「よし、成功。それじゃあ、もっと速度上がれ」

 無理矢理に曲げた魔法の速度を出来るだけ挙げ、飛んでいる人型を猛追した。


(逸れるかもな。逸れたらちょっと面倒いな)

 若干の心配を抱きつつ、

(波状攻撃、飽和攻撃頑張るかぁ)

 次のことを考えていると、

『バーン』

 という爆音と、

「ぎゃーあ」

 間抜けな叫び声が響いた。


「・・・えっ、マジ。当たったの?あっけな」

 驚愕を抱きながらも、

(・・・・・あれっ、これ私の方に飛んできてない)

 近づいてくる音、それと索敵魔法が示す近づいてくる人影に思う。


(えっ、ちょっと。へっ。えっ。マジなのか。ヤバクネ)

 焦りながらも、ちょっと走ろうとしたところ、

「ぐべっ」

 張っていた結界魔法に鼻をぶつけた。


(あっ、へっ、えっ。あっ、そうじゃん。忘れてた)

 結界を解き、全力で走った。

 徐々に近づく音、魔法で示される人型に焦りながら。


(ヤバい。ヤバい。ヤバい。死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ)

 心中で声を叫びながら、

(ハハハ、自分の魔法にぶち抜かれて死ぬなんて嫌だなー)

 と考え、若干自嘲気味の笑い声が漏れる。


(あっ、ヤバい。これマジで死ぬかもな)

 自分の足の遅さを恨みつつも、もう此処に到達しそうな人型に思う。


(あぁ、無理やな。最後にジャンプとバリア)

 結界魔法を張り、飛びながら目の前に転がると、その瞬間、耳が壊れそうになる音が響き、私は宙を若干舞った。


「うえぁ」

 変な声を漏らしながら、受け身を取る。


(クソ。大丈夫か地面は)

 落ちる地面を確認しようとしたところで、

「ぐっ」

 砂と砂利に腕やら、足やらを擦りながら着地した。


「痛ぇ。ジンジンする。血出た」

 心中で思いながら、ヒリヒリと痛む腕を動かしながら、結界魔法にぶつかったであろうピクピクと体を動かしている人型に近づいていき、

「やあ、調子はどうだい。私は最悪だ」

 ふざけたことを言いながら、

(ちっちゃい女の子)

 思いつつも、彼女の手と足を縛った。


 っで、適当に布と消毒液を創り出し、擦ったところの手当てをしつつ、彼女が目を覚すまで待つのだった。

主人公が一瞬しか敵の攻撃を察知できなかった理由、説明します。

魔法は、基本的に最初から決まった魔力に線を辿って飛んでいきます。一部例外を除いて。

主人公は頑張って、その魔法を見る事ができるようになったと思います。

索敵魔法にはそれが組み込まれて、なんとなく魔法の線や塊がわかるようになっています。

ですが、敵さんの線を辿る速度が、単純に早すぎて察知出来ませんでした。


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