表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【休載中】テンプレ尽くし(笑)の異世界貴族令嬢  作者: 朝日 橋立
第二部スタート! 帝国立ルノー学院 中等部 編
263/385

第259話 不思議な夢。夢であって欲しいな。

 ・・・・・・・・今、何時だ?



 私は眠りから覚めた。

(微妙な時間に眠ったからか)

 納得しつつも、瞼をゆっくりと開けた。

 私の部屋は真っ暗だった。

 多分、未だに夜だったのだろう。


(眠りが浅かったかのか)

 心中で呟きながらも、

「はあ」

 溜息をついて、無駄にしっかりと目覚めてしまった事に苛つきを覚えた。


「さて、何をした物かな」

 小さく呟きながら、ベッドからゆっくりと降りて、近くにあった適当な椅子に腰を下ろした。

(はあ、特にやることがない)

 心中で呟きながら、暗い部屋を見渡す。

 だが、当然なことに何か新しい発見などするはずもなく、徒労に終わった。


「はあ」

(暇だ。暇すぎる)

 と考えながら、学校に持って行っている鞄を手繰り寄せ、適当に蝋燭と、置く台を創り出した。

「えぇと」

 小さく漏らしながら、火を創り出し蝋燭を点火させた。


(ハハハ。やっぱりこの創造魔法って奴は良いな)

 揺らめく炎を見ながら呟き、手繰り寄せた本から借りた本を取りだし、読んでいたところを開いて、適当に読み進めた。

 …………

「ふぁあ、眠い」

 本の3分の2ほどを読み終えたところで、流石に眠くなってしまったので呟き、本に集中させていた視線を部屋に向ける。

 ・・・・部屋は既に明るくなり始めており、蝋燭は殆どが溶けて、あと3分も持つか分からない程度の大きさになっていた。


(案外持ったな。何時間くらいだ)

 と思いながら、本に栞を挟み、鞄の中に入れ、

(面倒くさい)

 ベッドに移動することにたいして、そう思ってしまった。

 その為、私は現在座っている椅子で眠りについた。


 浅い眠りになってしまうだろうな。

 薄々感じつながらも、明日・・・今日も学校はあるので構わないだろう。

 …………

 私は不思議な事に森の中に居た。

 不思議だ。多分夢だろう。

 何たって帝都の周りには、余程の遠方ではなければ森なんてありはしない。帝都は平野にあるからね。


「・・・・」

 不思議な夢だ。不思議な感覚になる。

 ポワポワするような、押し潰されるような感覚がする。


「意味分かんね」

 自分の考えに思いながら、適当に歩を進める。

 何故か進めないといけないと思ったから。

 進めと命令をされたような気がしたから。


 一歩一歩踏みしめるように歩を進める。

 その度に何故かは分からないが、辺りの景色は、夜になったり朝になったりと素早く移り変わる。

「ハッハッハ。笑える」

 声に出しながら歩いて行くと、よく分らない平野に出た。

 そしてその平野にはこれまたよく分らないのだが、私の屋敷。私が過ごしていたブランドー侯爵家の屋敷があった。


「何故だろうか。庭もなければ、柵もない。屋敷だけポツンとあるなんて」

 と思いながら、私はその屋敷に歩を進める。

 不思議と使命感がしたから。

 進めと頭が警鐘を鳴らすように煩いから。


 屋敷に近づいていく。

 空は暗く染まったり、青く染まったりと賑やかだ。

 頭が痛くなる。あぁ、気持ちが悪い。ガンガンする。


 屋敷の扉を開く。

 内装は私の知らない建物だった。

 薄暗く重苦しい雰囲気が満ち満ちており、地面には若干汚れた赤絨毯。

 壁紙は若干剥がれ掛け、窓には光を遮るように木の板が張り付けられていた。


「はて、此処は何処だ」

 心中で呟きながら、適当にそこら辺にある椅子に腰を下ろす。

 すると色鮮やかな埃が、自己主張をするように舞い上がった。


「ケホッ、ゴホッ、クッフ」

 咳をしながら、変な色をした埃に驚いて目を見開く。

 …………

 私の視界には、見覚えのある絨毯、壁紙、ベッド、机、椅子があった。

「変な夢だったな」

 心中で思いながら、絨毯に無様に広がる自分の髪の毛を見る。


「いつの間に、机から落ちたのだか」

 と思いながら、若干眠いために思い瞼を擦り、

「ふっっん、ふぁあぁ」

 欠伸をして、私が寝て、現在は倒れている椅子を立たせ、それに腰を下ろした。


「本当に変な夢だな。病気か?」

 ちょっと自分の頭のことを心配したが、

(多分違うはず。病気はないはず。何にも)

 と思って根拠はないが、感情で否定した。


「はぅ」

 小さく欠伸をする。

 流石に睡眠時間が少なすぎるのだろう。

 嫌になるな。もっと寝ておけば良かった。


「はあ、あぁ、あぁ。はあ。つら」

 呟きながら、適当に蝋燭を見つめる。

 蝋燭に揺らめく炎はなく、既に消えていた。


(火。・・・・付けたままに寝るのは危なかったかもな)

 と思いながらも、蝋燭を置いていた台を手に持ち、魔法で空に浮かせた。

 そして、それに炎を付けた


(流石木製。よく燃える)

 燃えている燭台を見つめる。

 ・・・・見つめていると、火の粉が落ちた。絨毯に。


(あっ、ヤベ。ちょっと燃えてる)

 心中で焦りながら、急いで椅子から立ち上がり、落ちた場所を踏みつけ、急いで消化した。

(良かったぁ、本当に良かったぁ、間に合った)

 穴が空いている絨毯に目を逸らしながら思い、燭台を浮かしていた魔法に質量を持たせ燭台を握り潰した。


 既に燭台は、殆ど燃え尽きていたのか、燭台は一瞬にして潰れた。

「ハハハ」

 笑いながら、私は考える。

(やっべぇ。穴開けた絨毯どうしよう)

 と。


 この頃には既に焦りのためなのか、眠気など吹き飛んでいた。

 くっぅ。今度からは絶対に眠くても、絶対にやんねぇ。こんな事。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ