第257話 えぇと、なんというか。
夏の公式企画に参加する作品投稿しました。
『血塗れの帰路』って名前です。
宜しければ読んでください。
読んでくださったら、モチベが上がります。多分。
(先輩居るかな)
私は2のAの教室の扉の前で考える。
先輩との約束を果たすために、私は先輩に会いに来たのだ。
・・・・此処2のAに来るにはだいぶ困難な道のりがあった。
転んだり、泣きそうになるほどにしっかりと迷ったこともあった。
まあ、天才の私は頑張って此処まで来たのだが。
・・・・・・先生に道のりを聞いたりはしてないよ。本当だよ。私の努力なんだよ。本当にマジで。
私は扉の前で、右往左往をしながら、
(時間掛かりすぎたんだよな。先輩もう教室出ちゃったかな)
と心配の心を増幅させ、その心配に誘発されるように別の心配も湧いてきた。
(この扉。開けても良い物なのだろうか)
と。
(私が開けたら多分注目されちゃうよな。一年生だし、ついでに言うとこんな特徴的な髪色だし)
髪の毛をいじくりながら呟き、迷い続け一分間。
(よし。やったらぁ。やってやる。やったるんだ。やらなけりゃあ何も状況は変わりっこねぇ)
心中で叫んで、扉を開け放ち、
「失礼します」
と声を出した。
・・・・なんというのだろうか。
私が会おうとしていた先輩は、他の先輩に何かをやられていた。
具体的に説明をすると、私の会おうとしていた先輩は、床に倒れて居ていて、それを見下すかのように複数の女の子がいた。
それ以外の人は、たぶんもう帰ったのか誰も居なかった。
(・・・何やってるんだ?)
疑問に思いながらも、
(おふざけか。それともいじめか)
どちらか分からず戸惑っていると、見下していた女の子の何人かが私の顔、どちらかというと髪の毛を観察した後に、金髪の高そうな服を着た女の子が近づいてきて、教室を遮るように私の前に立ち、
「貴方は一年生の・・・・・エミリー・ブランドー様でしたっけ?」
私を若干馬鹿にしたように、見下しながら問いかけてきた。
(私、なんで馬鹿にされているのだろうか)
(この子はどうして私の事を馬鹿にしているのだろうか)
(この子は一体何者なんだ)
等々と疑問は浮かんできたが、取り敢えず気にせずに、
「はっ、はい。そうです。私はブランドー侯爵家の娘エミリーです」
彼女に返すと、
「そうなの。それで貴方はどうして此処に来たのかしら」
侮蔑的な声で言ってきた。
(何で馬鹿にされているのだか。てか、お前は一体何者なんだ。気持ち悪いな)
心中で思いながらも、
(まあ相手の方が学年上だししょうが無いか)
と彼女が私の事を侮辱する理由を考えた。
「えっ、と。その。先輩に会いに来ました」
私が彼女の問いかけに返すと、
「もう貴方の探す方は、帰ってしまったと思うわ」
彼女は言い切るように言った。
「あの先程、中を見たときには、その。探している先輩が居たのですが・・・・」
とちょっとだけ緊張しながら言うと、
「居ない、もう教室の中には私のお友達以外は誰も居ないのよ」
若干、恐怖を感じる声で私に言い、
「探しに行きなさい。きっと中庭に居ると思うわ」
反論を許すことのない断固とした声だった。
(反論しづらい。辛い)
心中で思いながら、
「あっ、あの、でも」
私が彼女に声を返そうとすると、
「いい加減にしなさいよ!」
何故か突然癇癪を起こし、私に対して手を振り上げた。
(えっ、えっ、マジで。マジで殴るの。お前、マジで私の事を叩くのか)
心中で焦り、体が強ばる。
(あっ、怖いな)
彼女の手が振り下ろされたところで呟き、強く目を瞑る。
……だが、何時まで経っても私の体に衝撃が走ることはなく、
「ちょっ、ちょっ、ちょっと、ドードー。ドードーだよ。ねっ、アレナちゃん」
と言う先輩の声が聞こえてきた。
(えっ、なに。どうしたんだ)
と思いながら、私が目を開けると、私を殴ろうとした女の腕を先輩が掴み、説得するように私の前に居た。
(えっ、スッゴ。良くあそこから此処まで直ぐに来れたな)
先輩に対して思っていると、
「ねっ、ねっ、ねっ。アレナちゃん。人を叩くなんて駄目だよ」
先輩は続けて言い、彼女の手を離した。
手を離された彼女は、結構顔を真っ赤かにして、歯ぎしりをしていた。
(これはヤバいかも)
と思いながら、ちょっと後退りをすると、睨まれた。結構ちゃんと。
(何故に。なんで私は睨まれないといけないんだ)
結構な恐怖を感じながら、彼女のことを見つめていると、
「────────────」
彼女は小さく何かを呟き、私の事を睨みながら手を振り上げた。
・・・・私の聴覚が正しいのなら、
『平民の分際で小娘の分際で』
と言っていたと思う。
(あっ、これは先輩が殴られることになるな。その場合は正当な報復をどうにかするか)
心中で思いながら、彼女と彼女の仲間達を見ていると、
「だっ、駄目だよ。アレナちゃん」
「アレナちゃん。そんな事」
「怒られちゃうよ」
等々と宣いながら、彼女の側に近づいていった。
(流石に不味いと思ったか。私の前で行うのは。・・・と言う事は、彼女らは私よりも爵位は低いか。もしくは地位が低いって説が出てきたな)
と思いながら、呆然と彼女らを見ていると、
「えっ、エミリー・ブランドー侯爵様。今回のことはなかったことには出来ないでしょうか?アレナちゃん・・アレナ・サヴィア伯爵も悪意があったわけでは無いのです」
言い訳をするかのように、私に頭を下げながら言ってきた。
(さっ、さて、私はどうするべきか)
と思いながら頭を回していると、
「私からもお願い」
会いに来た方の先輩が言った。
(・・・・どうするべきか。・・・・まあ、現状彼女らを許さなかったとして、何ら利益はないよな)
と思った私は、
「わっ、分かりました。先輩が言うのなら。・・・・えぇと、私、エミリー・ブランドー侯爵令嬢は、今回のことはなかったことにしましょう」
彼女らに宣言するかのように言い、
(・・・これで、もう良いのかな)
心中で呟きながら、
「あの、これでもう構いませんか?」
彼女らに問いかけると、
「ありがとうございます」
御礼を言ってきた。
「別に構いませんよ、御礼を言わなくても」
と彼女らに言った後に、
「先輩。あの、今日お教え頂けますか?無理なら構いませんけれど」
先輩に問いかけると、
「うん。大丈夫だよ」
彼女は言い、教室から出て、
「ついてきて」
と言い歩き出した。
(先輩もこう言うし・・・・まあ、良いか)
と思いながら私は、彼女についていくのだった。
適当な話。
主人公が探してた先輩は、宗教関係の子です。
2、3年のクラスには、一人二人います。
1年生のクラスには、皇帝陛下、大公、主要貴族が全力で圧力をかけ、宗教関係の子はいません。
現在、全力で排斥運動を起こしてます。国家規模で。




