第255話 先輩を探すぞ!
昨日の夜ふざけて作った自爆魔法に対して、若干の恐怖を抱きながら寝た私は、
「あ゛ぁ゛あぁ゛」
後悔をしていた。
何故ならば、現在変な時間に起きてしまったからだ。
朝?深夜?どちらとも言えない3時に。
本当は頑張って眠るべきなのだろう。
だが、私に何故か眠気がなかった。
先程の睡眠の質が良かったのだろう。
「クッ。クそぅ。どうする。起きるか?頑張って寝るか」
私は必死に頭を回した。
前世の経験上、こんな時間から起き続けたりしたら、学校は睡魔に襲われる地獄と化す。
だが、まあ、現状眠気は零に等しい、と言うより零なので眠ることは出来ない。
(あれっ、これ詰みか?)
少し気付くことが出来たが、諦めるというのは気分ではないので、
(いや、でも。やれることはやろう)
と考え、
「スゥーフゥー」
深呼吸をして、瞼を強く閉じて、布団の中に入った。
そのあとは、ただひたすら無心であり続けた。
それで結果を言おう。
眠ることは出来た。
太陽が出始めた頃に。
「お嬢様。起きてください」
私はそう言う声と扉を叩く音に起こされた。
起きて感じたのは、凄い眠気だった。
「・・・・あっ。..はい。・・・分かりました」
多々飛ぶ意識を必死に手繰り寄せながら言い、ベッドから頑張って降りて、部屋の扉の鍵を開いた。
「失礼します。お嬢様」
私が扉を開けると、すぐにアリアさんが部屋に帰ってきて、着替えさせられ、その後はご飯を食べて馬車に詰め込まれて、うたた寝のような物をしながら、学校に着いた。
(はぁ、ねっむ)
私はそう思いながらも、必死に若干感覚が薄い四肢を必死に動かして教室に歩いて行き、そして椅子に適当に腰を下ろした。
そこからは結構、だいぶ地獄だった。
どうしてかというと、意識が殆ど無いような状態で、授業を聞き続けていたからだ。
多分、先生に寝てしまったことはバレてはいないと思うのだが心配だ。
今日の四限までの授業の記憶が、全くと言って良いほどには存在しない。
(あぁ、あぁ゛はあぁ、やらかした。マジでやらかした。ハァ。ふぅ。はあ。やらかした。はあ)
心中で後悔の言葉を呟き、現実でも項垂れる。
一応、今日は先輩との約束がある為、早くご飯を食べて会いに行かなければならないのだが、馬鹿な私は項垂れていた。
(早く。ご飯。食べないと)
一分くらい項垂れ続け、流石にこのままでは駄目だと思い、心中で漏らし、
(きっと。きっと大丈夫だ。大丈夫なはずだ。世の中大丈夫なはずだ。それに、習っていたのは既に勉強し終えているところではないか)
と心中で開き直るように叫び、
『ガタッ』
椅子の音を鳴らせるように立ち上がり、食堂に歩を進めた。
っで、まあ、ご飯を食べ終わり、私は先輩を探していた。
理由は、一昨日先輩に、レイピアを教えて貰う、という約束をしていたからだ。
(地味に気になったんだが、先輩に会うのってお昼の放課なのかな。放課後の可能性もあるけど・・・・いや、決めてないよな。絶対に。・・・あれっ、地味にあれって先輩が社交辞令的に言った発言なんじゃ)
私はこう思い始めてしまい、立ち止まった。
(さて、どうした物か)
心中で迷い始め、迷いを抱いて数秒間。
(よし。教室に戻ろう。最悪、バックレても良いだろう。多分、責められることはない)
と考え、教室に戻るために歩を進めると、
「あっ」
と言う先輩の声が、背後からしてきた。
(いつの間に居たんだ)
と思いながらも、急いで振り向いて、
「あっ、先輩。こんにちは」
こう言いながら、彼女に頭を下げた。
「うっ、うん。こんにちは」
先輩は難しそうに言った。
(・・・地味に、私も名乗ってなかった気がする。これ互いに互いの名前を知らないんだよな)
と思い、
(どうやって話切り出せば良いんだ)
こう思いながら、
「あの、先輩。レイピアの事を教えて貰うのって、今日でしたよね」
だいぶ適当な切り出し方をした。
(友人、知人がいないから話の切り出し方本当に、本当に分からないわ)
心中で思ってしまったが、
「うん。そうだよ」
彼女はそう言い、
「今からやる?」
と問いかけてきた。
(今から・・・・もう昼放課終わるよな)
心中で時間的に思った私は、
「う~ん。そうですね・・・・放課にしませんか?何処か場所でも決めて」
彼女に言うと、
「うん。分かった。何処か場所借りられないか、先生に聞いてくるよ」
了承してくれた。
(ありがてぇ)
心中で思った事を、
「ありがとうございます・・・・先輩」
丁寧に言おうとして、名前が分からないので変な事になってしまった。
「どういたしまして」
彼女はそう言うと、
「バイバイ。またね」
手を振りながら歩いて行ってしまった。
(あの人。名前なんだろう。本当に)
と思ったが、もう聞くことは出来ないので、私は大人しく自分たちの教室に戻っていった。
(うーん。まだちょっとあるな)
と思いながら、本を開き読み込んだ。
やっぱり本は良い。
戦争、戦時下について面白い視点で語られている。
戦争、絶滅戦争、パルチザン、奇襲、生物兵器、裏切り、魔法戦その他諸々の正邪、善悪等々、一概に決め語ることなどが出来ない面白い事がある。
やっぱり本は良い。大好きだ。
著者、作者独特の表現、語り、構成が大好きだ。
愛していると言うのは過言だが、likeとloveのギリギリの線に立ってる感じだ。




