第254話 自己犠牲の最強技
学校が終わり、家に帰った私は、お昼休みにカイル皇子殿下に教えて貰った図書館で借りた本を読んでいた。
本を読み進めている中で、
(地味に、本当によく知ってたな。皇子殿下)
純粋に凄いと賞賛する気持ちが湧いてきた。
何故ならば、私がお昼頃に行った図書館。
あそこは、結構人気の少ない場所にあった。
(あそこ、外から見た大きさよりも、中から見た大きさの方が大きく感じたんだよな)
心中で図書館のことを思い出し呟きながら、
(・・・・もしかしたら、私がハブられていた何か、案内みたいなのがあったのかもな)
や、
(小等部に行ってたからかな)
と皇子殿下が知っていた理由を考え続けた。
数分間考え、
(まあ、いいや。どうでも良いか)
と思ってしまった私は、考えるのをやめ、再度本に集中した。
本を読み続け、数十分。私はふと考えた。
(地味にさ、本読んでるよりもさ、魔法開発の続きした方がよくね)
と。
昨日、ちょいと作って、あとは放置していた結構火力の高い直進しか出来ない魔法。
(いやぁ、何かちょっと怖いな・・・・)
音やら、跳弾の可能性やらが捨てきれないために、強い恐怖感に苛まれる。
そんなこんなで数分間。
頭を悩みに悩ませ、
「よし!明日やろう。何か、最近気分悪いし」
と呟き、明日にぶん投げることにした。
「はあ」
溜息を吐きながら、ベッドにダイブする。
何故か更に気分が悪くなった気がする。
何故だろうか?
少し頭を悩ませた。
結果、理由は何となく分かった。
多分、アレだ。アレ。
そりゃあ、12歳だもんな。
女性特有のアレかな、と考え数秒後、
(・・・・いや、でも待てよ。出血とかしてないし。これって、ただの精神的な問題なのでは)
と言うことに気付いた。
・・・・月経ならば、出血があるはずなのだ。
なのに私にはそれがない。
私が知らないだけで、月経の可能性もあるが、分からない?
ちょっと頭を悩ませた。
精神的問題なのか、もしくは月経・・・身体的な問題なのか。
数分の間、私は頭を必死に回し続け、
(これは多分、精神的な問題だな)
と結論づけ、精神的に疲れている要因を考え始めた。
(一体何だろうか?疲れる要因。疲れる要因)
頭を回すと、何個か心当たりがあった。
私はその中で、最もありそうなのを心中に浮かべた。
(” 学校に慣れてない” だよな。あるのは。だって、まあ今まで、基本的には誰にも縛られる規則はなかったし、身内の目しかなかったのに、今は縛られる規則も多いし、身内以外の目が沢山あるもんな)
さて、原因は分かった。
それならば解決法を思案しよう。
(う~ん。解決策)
頭を回した。約1時間ほど。
結果としては、
(うーん。無理)
と言う結論を得ることが出来た。
「さて、終わり!解決できてはないけど」
声に出しながら呟き、手持ち無沙汰になってしまったことを、
(やることがねー。本読む気分でもない。例の魔法を作る気分でもない)
と心中で嘆いた。
嘆き続け、数分間。
私は、
(適当に面白い魔法作るか。構想だけ固める形で、撃ちはしないけど)
昨日作っていた魔法の続きを作るのではなく、適当な新たな魔法を作ることにした。
(どうしようかなぁー)
心中で呟きながら、先程まで読んでいた本の中の、
『戦時下における兵士の自己犠牲とその精神』
という章から着想を得ることにした。
(” 自己犠牲” フフフフ良い言葉だ)
心中で不敵に笑い続きを呟く、
(どうせ使わないのだし、最高火力の自爆技にしよう)
と。
(そうだな槍の魔法の火力を強化して、私に飛んでくるようにするか。何処に飛ばそうと、私の所へ、私の体を貫くために帰ってくる魔法。自爆わざとしては面白いな)
私はそう考えながら、槍魔法の強化方法を考える。
(うーん。現状はただの鋭い槍だ。・・・・・裂傷を付けれるように、槍にゴツゴツとして結晶を突っ込むか。ついでにそうだな・・・・時間を掛けて殺す技ってのも良いな。・・・破傷風を貼り付けるか。多分、治療法は確立されていない)
私は邪悪なことを考えた。
だが、まあ、
(地味に、破傷風は流石にやり過ぎな気がしてきた。邪悪すぎ)
と考えたので、破傷風菌を想像して貼り付けることはやめた。
そして、色々考え、カシワギに付けたA魔法、B魔法に似た魔法を作ることにもなった。
作る魔法はそうだな・・・・C魔法と名付けよう。
C魔法の役割は、撃った魔法の誘導。
確実に私の元に返ってくるように必要な魔法だ。
(C魔法の構想は出来たな)
三分くらいでCの魔法を適当に完成させた。
そして自爆魔法の戦法は完成した。
多分、絶対に成功することなどないし、自分のアドバンテージを捨てる戦法だ。
しっかりと説明をすると、まず自分の体の中央辺り、おへそから直上に進んでいき、頭までの範囲にC魔法を置いて、私がどうにかこうにかして相手の側に近寄り、抱きついたりして槍の魔法を展開させて、自分事敵を貫き殺す。
そんな絶対に出来ないだろうし、やる必要のない戦法だ。
戦法と魔法を用意し、1,2分後、
(・・・・地味に私、この作戦普通に出来るかもな。いや、自分が死ぬことを許容できるのなら、私向けの作戦だな)
と言うことに気付いた。
私なら敵の側に近寄り抱きつく、此処までを容易に出来てしまうからだ。
何故それが容易なのか。
それは私にはワープ魔法が使えるからだ。
そんなこんなで、作戦が出来てしまうかも。
と考え続けていると、唐突にとんでもない悪寒がしたので、考えるのをやめ、すぐさまに布団を被り眠りについた。
夜ご飯も食べていないが、きっとどうにかなるはずだ。
夜には起きれるはずだ。
自爆技について。
あれは現時点で最強の技ですし、今後も最強であり続けます。
主人公が魔改造を続けるからです。
作中では、一度使う予定がある程度なので、忘れて貰っても大丈夫です。
あっ、地味にこの時点で、主人公を無傷で倒すのは難しくなっています。
遠距離から、音より早いすごい速さで主人公の急所を吹き飛ばせる程度は必要です。
一発でも外したら、多分自爆攻撃を受けます。




