第250話 地獄のペア分け
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総合評価250となりました。
読者の皆様、本当にありがとうございます。
完結までの流れも粗方考えたのでこれからより一層精進して参りますので、応援、ご支援をお願いいたします。続いて目標は、275です。
(ふひぃ、ホンマ眠いわ)
心中で呟きながら、次の授業のために更衣室から出た。
次の授業は体育のため、外のグラウンドに移動しないといけない。
(はあ、退屈)
心中で思いながらも、適当に足を動かした。
そう言えばの話なのだが、昨日創っていた例の魔法は、結局創りきることは出来なかった。
さしもの私も、木を破裂させる魔法は怖かったのだ。
流れ弾を壁に当てたり、跳弾したものが、自分に跳ね返ってきたりするのが。
(流石に死ぬんだよな。あの火力的に、防御魔法で防げるかも分からんわけやし)
心中で呟きながらも、延々と適当に足を動かし、
(それにしても、私、悲しい奴だな)
辺りから聞こえてくる話し声に思った。
(何で私には友達が出来なかったんだろうな)
考えようとしたのだが、
(まあ、スタートダッシュが出来なかったというのと、人に話しかけられなくて、待ちの姿勢だったのが原因だっただろうな)
一瞬で答えが分かってしまった。
私は悲しいよ。こんな自己分析がすぐに出来てしまうなんて。
(地味に次、体育かぁ、嫌だなぁ。嫌い何だよなぁ、体育。良い思い出がない。前世では、運動できなくて倒れたし)
ふと心中で思いはした物の、逃げることは出来ないので大人しく、グラウンドに歩を進め数分間、やっと着くことが出来た。
(疲れたわ。なんでなん。なんでこんなに、無駄に広いんだよ。意味が分らないよ。もっと小さくても良いじゃん。小等部から高等部まであって、それに加え研究室も付属してるからさ、大きくなるのかもだけどさ。一個一個別の校舎創れば良いじゃん)
心中で色々と文句を喚きながらも、適当に皆が集まっているところに歩いて行った。
(・・・・何か、さっきまでは気にならなかったんだけどさ。知らない人が多いな。いや、別にね、クラスの人の顔を覚えていないわけじゃないんだよ。本当に顔を合わせたことのない人が多いんだよ。何でだ?)
心中で違和感に声を上げていると、
「1のA集まれ」
とオリエンテーションで挨拶をしていた先生に、号令が掛けられたため、適当に先生の前に集まり並んだ。
ちなみに、この先生は男だぞ。
多分、脳筋だと思う。
「よし、集まったな」
体育の先生は、私達を見渡すと小さく声を漏らし、
「今日はお前らに、細剣の授業を行う。貴族の嗜み兼護身術にもなるから、ちゃんとやれよ。・・・まあ、殆どの奴は出来ると思うが」
と私達に声を掛けた。
(細剣・・・レイピア?だよね。レイピア・・・えっ、短剣とか長剣とかじゃなくて、レイピア・・・・レイピアなの?えっ、私、長剣と短剣だよ。今までやってたの。えっ?マジで言ってるの?私、レイピアのこと、何にも知らないんだけど。えっ?マジで)
焦った。凄い焦った。
具体的には、汗が体中から噴き出し、服が心配になるくらいには焦った。
まあ、表情には一切出していないが。
私が焦って、結構緊張を抱いていると、
「出来る奴が多いだろうが、復習の意味を込めて、今回はお前らの一個上の学年。2のAの生徒達を呼んできた。挨拶をしろ」
と先生は言ってきた。
(えぇ、先輩が居るのかよ。此処で恥かいたら、今後の学生生活に更なる暗雲が立ちこめる気がするんだけど)
心中で思いながら、
「宜しくお願いします」
と他の人達に合わせて、適当に頭を下げた。
・・・・地味に気になるのだが、そう易々と頭を下げて良い物なのだろうか?
皇子殿下も下げてるし、大丈夫なのだろうか?色々と。
心配でしかないのだが。
挨拶が終わり、先生は、
「よし、お前ら。2のAの奴と、二人一組でペアを組め」
と命令が下った。
(よし、ペアね。ペア)
此処まで考えた所で、
(・・・・ペア?ペアって、あのペア?あっ、お腹痛くなってきた。私以外の皆は仲良くて、私だけあぶれて、先生と組んだり、適当な班に入れられて浮いたり・・・・あぁ、お腹痛い)
若干の腹痛を感じた。
いやあ、トラウマが、トラウマがぁ~。甦ってしまいますね。
本当に辛いです。あぁ、泣きそう。
さて、私が心中で嘆いている間にも、クラスメイトに方々は、順調にペアを組んでいました。
(待って、待ってくれ。頼む。時よ止まってくれ。お願いだから)
私が心中で、特大級の焦りを持つほどには、順調でした。
(あぁ、ヤバい。誰と、誰と組めば)
同級生にも友達が居ない私には、勿論上級生に友達が居るはずがなく焦りが加速していく。
(ロナルド君、マリーちゃんは違うクラスだよな。終わったくね)
心中で一種の諦めが湧いてきた。
(はあ、終わった終わった。私の学校生活ジ・エンド。あぁあ、楽しくなかったなぁ)
心中で思いながら、虚ろな目で楽しそうに、ワイワイとペアを作っているのを見つめる。
すると、あぶれている上級生を見つけた。
(黒髪・・・いや、微妙に栗毛か。・・髪色は置いといて、もしかしてあの子。私と同類では)
心中で思い、私は彼女に結構急ぎ足で近づいていった。
多分、私の目はキラキラと輝いていたと思う。知らんけど。
「あの、先輩」
私は辺りを、絶望したように見つめている彼女に声を掛けた。
「っ、あっ、えと」
彼女はアタフタした。
(地味に私の知り合いの女の子、こんな感じの人多いよな。マリーちゃんとか、アンリマさんとか)
と思いながら、
(あっ、ネックレス。だいぶ前に私を助けてくれた紳士と同じ奴だ)
彼女の掛けている、確か宗教的な意味のあるネックレスに心中で声を漏らし、表情は笑顔で、
「先輩に、ペアの子は居ますか?」
こう問いかけるのだった。
あっ、地味小話。ネタバレかもだから、ちょっと空白開けるね。
主人公は、この中等部編で、改宗する予定。
理由は、今回登場したキャラクター関係の騒動で。
場合によっては、殺人もするかも。




