第246話 不快な陰口と、悪夢
学校に着き、何時間か殆ど授業とはいえない、そんな授業を受け、昼放課になりました。
オリエンテーションと言うのでしたっけ?各教科の説明とか、学校の案内がされていました。
(いやあ、疲れはしないけど、なんか疲れたような気がするな)
心中で意味の分らない事を呟きながら、食堂で、質素な食事を前に座っていた。
(いやぁ、この質素さ。良いねぇ、このパサパサしてそうで、固そうなパン。良いねぇ)
と食事に感想を漏らしながら、余り物を突っ込んだ様なスープに付け、食べた。
・・・・本当は別の物もあるんだよ。本当に本当だよ。
一部、お金が掛かる物もあるけど、殆どは無料だったんだよ。
でもね、でも、他の奴はさ、見栄だけ張った料理みたいでさ、好きじゃなかったんだよ、見た目とか色々が。
(あぁっ、・・・美味しくはないな。不味くもないけど・・・可も不可もない。完璧な料理だな)
心中で呟きながら、パンを千切り、スープの中に突っ込み、食べた。
何か、ちょっと下品かもだな、食べ方。
っで、そのあとは、特に何も語ることはなく、
「ごちそうさま」
と声を漏らし、教室に戻り、殆ど定位置とかしている席に腰を下ろした。
(あぁ、眠い。まじめに眠い)
心中で呟きながら、呆然と教壇を眺め続けた。
・・・・何か、不快な声が聞こえ始めた。
(あぁ、きっしょ。マジで、きしょい)
前、聞き耳を立てていたときに、コソコソ声でクソみたいな事を話していた奴ら、を覚えているだろうか?
私には、現在そいつらが、知らない複数の名前を出して馬鹿にしてる声が聞こえてくる。
(うっわ。キっしょ。多分、他クラスでしょ。きも。本人が居ないところで、悪口言ってるのって)
心中で思いながらも、彼女らが言ってる悪口に耳を澄ませることにした。
…………
っで、授業も終わり、放課後になりました。
授業以外は、ずっと彼女らの話を聞いていました。
非常に、ヒッジョーに、気持ちが悪くで、どうでも良いお話でした。
要約した例を挙げるとするならば、
『平民の分際で、同じ学び舎に居るなんて吐き気がする』
『平民なんて、猿と一緒に居たくない』
『身の程をわきまえない商人が、気持ちが悪い』
『自分の事を貴族だと勘違いしてる、騎士爵以下の人間が気持ち悪い』
『平民、下位貴族は、畑仕事でもして欲しい』
とかとか、本当にキモい発言とか、謀反起こされても可笑しくない発言をしていた。
(あぁ、キッモ。本当にキモい。あいつら、馬鹿なのか?貴族なんて平民に支えられてる、ちょっとだけ偉い人間なのに、それが平民を馬鹿にするなんて)
心中で呟きながらも、嫌気が差し、教室から出て行こうと立ち上がったところ、
『あのブランドー令嬢も気に入らない』
と声が聞こえてきた。
(あっ、はーん。私の事、馬鹿にするのか?報復してやらぁ、何してやろうかなぁ~、あいつの鞄の中に虫・・・ゴキブリでも入れてやろうかなぁ)
小さく悪いことを思いながら、彼女の話を聞いていると、
『元兵士の家の分際で、身の程を弁えず、皇子殿下と婚約しているなんて────』
と言った内容が言われてたり、容姿を多々馬鹿にされていた。
(・・・何て言うかね、スッゴいあの子達が惨めに思えてきたよ。だって、ただの政略だって言うのに、それに私の容姿は、完全無欠で、あの子立ちの目が可笑しいわけだし)
心中で思い、彼女らに一瞬、憐憫の視線を向けたあとに、教室から出て行き、学院から出て、校門の辺りに歩いて行った。
っで、特に知り合いとすれ違わず、家に到着!
あぁ、暇だ。マジで暇。頭可笑しくなるで。
「あぁ、暇だ。暇。暇々暇々」
同じ言葉を、何度も繰り返し漏らし続けていると、
「気持ち悪いよ」
先生に言われてしまった。
「だって、暇なんですもん。しょうがないじゃないですか。本当に暇なんですよ」
ベッドの上に寝っ転がり、自分のおでこに腕を乗っけ、目を瞑りながら返すと、
「だったら、魔法の勉強とか、学校の勉強とかすれば良いじゃ無いか」
無粋なことを言ってきた。
「言いかもですけどぉ・・・・何か、嫌なんですよねぇ、なんか。そういう気分じゃないって、そんな感じで・・・」
私が目を泳がせながら言うと、
「・・・じゃあ、知らないよ。君の勝手に言えば良いじゃん」
呆れたように言われてしまった。
「・・・先生、何か遊びましょうよ」
呆れられはしているが、暇なので私が言うと、
「遠慮しとくよ」
と返答をされてしまった。
「何でですか?」
天井を真っ直ぐ見ながら言うと、
「やることがあるからね」
と回答をされた。
「何をやるんですか?」
「仲直りさ」
「仲直り?」
「うん、その通り」
(仲直りって、どうして?なぜに?誰と?)
分からないので、問いかけようとすると、
「秘密だよ」
と言われてしまった。
「えぇ、教えてくださいよ。先生」
私が天井を見ながら言うと、
「言うわけないよ。だって利益がないもん」
適当に返され、どっかに行ってしまった。
(もう酷い)
心中で呟きながらも、眠いので瞼を閉じた。
すると、結構すぐに眠気が、濁流のように押し寄せ、私の意識を飲み込んでいった。
だが、まあ、気持ちよくは眠れなかった。
何たって、悪夢を見てしまったのだから、しょうがないだろう?
「・・・・うるさいな。黙ってよ、私は私だし、そっちには行かないよ」
夢の中で私の足を掴み、引きずり込もうとする、そんな複数の人型の泥に対し、私は声を出し、私の腰辺りまで頭部のような物をあげていた泥を蹴散らした。
嗚呼、煩い。やめろ。大嫌いだ。
ちょっとした語句の説明。
作者が愛知県民のため、一般的に『お昼休み』や『休み時間』と言われる物が、『昼放課』『放課』となっています。ごめんね。名古屋弁になっちゃうんです。無意識で。どうしても。お許し下さい。
『お昼休み』→『昼放課』
『休み時間』→『放課』




