第245話 勉強とか、睡魔とか、色々辛いね。うん
退屈なホームルームも終わり、馬車に詰め込まれ、家に帰ってきました。
まあ、家と言っても、勿論帝都にある方の家です。
「あぁ、疲れた。眠い。マジで緊張した」
部屋に帰った私は、誰にも聞かれないように小さく声を漏らし、ベッドにダイブした。
『ボフンッ』
と鈍い音と共に、良い匂いがした。
(シーツ干したのかな。確か、ダニの死臭だっけ)
心中で、前世で聞いた雑学を思い出していると、
『コンコンコン』
扉が叩かれた。
私は急いで、ベッドから飛び上がり、自分の身なりを確認して、
「どっ、どうぞ」
扉の鍵を開きながら、こっちに来てから毎日、毎日お世話になりっぱなしのメイドさんに声を掛けた。
(・・・地味に、この人の名前ってなんだっけ、来た最初の日に、名乗ってた気がするんだけど、寝起き過ぎて覚えてねーんだよな。立ちながら殆ど寝てて)
心中で、彼女の名前を頑張って思い出そうとしながらも、
「どうかしましたか?」
彼女に問いかけると、
「侯爵様から、お嬢様への手紙です」
と言われ、家紋をちょっと簡略化した封蝋がされた手紙を渡された。
「あっ、ありがとうございます」
彼女に御礼を言うと、
「恐縮です」
短く返し、部屋から出て行った。
(わざわざ、手渡しをしなくても、机に置いておけば良かったのに)
心中で思いながらも、机からペーパーナイフを取り出し、手紙を読み進めた。
まあ、結構長かったので纏めると、
『・私が心配。
・アルも心配していたが、元気に育ってる。
・アンリマもアルと同じ。
・お母様が、身籠もったと言う朗報がある』
という感じの内容だった。
(お父様、お母様凄いなぁ。子供三人養える財力があるって、流石お貴族様だ)
と思ったり、
(男の子かな、女の子かな。・・女の子が良いなぁ、姉弟の中で、一人だけ女なんて嫌だよ)
と思ったりした。
あっ、あと何時もお世話になってるメイドさんの名前も分かりました。
アリアさんと言うらしいです。
ソースはお父様の手紙で、
『そちらには、エミリーのお付きとして、アリアが居るが心配です』
的な感じで、書かれていたから、多分、アリアさんのはず。
「・・・勉強するか」
小さく呟いた。
手紙で書かれていた、新しい家族のことを考えるも良いのだが、そんな事をしてもなんら生産性がないために、勉強することにした。
「予習、予習。・・・取り敢えず、頑張って一年生の内に中等部の範囲終わらせるぞー」
小さく目標を呟いた。
現状、殆ど中等部の範囲は、元騎士団長のエーゼフさんに教えて貰った。
あの人凄いよね。馬鹿な私にも分かるように教えてくれた。
「頑張るぞー」
再度呟き、適当に机の上に積み上がっている参考書を手に取り、適当に読み進めた。
・・・そう対して難しいわけではないのだが、如何せん教科と習う物が多い。
数学、物理、科学、国語、古典、社会、歴史、地政、法学、軍事学・・・その他諸々の副教科って感じ。
(いやぁ、やっぱり多いな。これ三年間で完全に詰め込むのは、流石に無理だと思うんだけどなぁ。私の記憶力があっても、流石に時間が足りないし)
心中で呟きながら、色々な教科の参考書や、教科書を読み進めていった。
っで、そのあとアリアさんにご飯に呼ばれ、見栄えを良くしようとしたのだろうが、空回りをし逆に汚い、成金的になっているご飯を食べた。
やはり、正直言って食べたい、といえるような味ではなかった。
ホンマ、不味いわぁ。どうにかして欲しいわ、まじめに。
そのあとは、お風呂に入り、歯を磨き、色々やって、部屋に帰ってきました。
「ふぅ、勉強するか」
やることもないので取り敢えず呟く。
(そう言えば、気になるんだけど、こっちって図書室あるのかな?領地の方は、全部読んじゃったんだよなぁ、たかが知れてる蔵書数だったし)
心中で呟きながら、図書室の有無を考え始め、
(明日アリアさんに聞こう)
と考え、普通に勉強に戻ろうした。
したのだが、
「やあ、学校の勉強も良いけどさ。魔法もしてくれないかな」
背後から先生に、声を掛けられてしまった。
「・・・」
一瞬、無視しようかと考えながらも、
(今の所、結構先の方まで、勉強し終わってるし・・・別に問題ないか。てか、どっちかというと、魔法の方を勉強するべきか)
と考え、
「分かりました。それじゃあ、教えてください」
先生に頼みました。
…………
っで、まあ、魔法の練習をしたわけです。
そして案の定というべきでしょうか、気絶して終わりました。
沢山の形や、数を出してそれを同時に操作する、と言う物だったのですが、あれを考えついた奴、馬鹿だろ、としか思えません。
だって、普通に脳みそ焼ききれそうになりますし、そのせいで意識が持ってかれそうにもなりました。
・・・・馴れたらいけるのかもだけど、同時に10,20とか動かすのは、頭可笑しすぎる。
出来る奴、バケもんだろ。
・・・よーし、出来るようにしよ。そして、俺ツエー的なのをやりたい。
さて、ふざけたことを置いといて、私はもう起きなければなりません。
何故なら、学校があるからです。ですが、凄く、凄い眠いです。
「あぁ、ねっむ。眠い。本当に眠い。気絶しそう」
と呟き、頑張って這うように動くくらいには眠いです。
(はあ、明日からはもっと早く寝よ)
強烈な睡魔に溜息を漏らし、私は頑張って立ち上がり、アリアさんに着替えさせて貰って、普通にご飯を食べて、馬車に乗り込みました。
あぁ、眠い。辛いわぁ。
あっ、面白い例え話思いついたので書きます。
主人公は一体何者なのか?
これを簡単に動物で表すと、『イタチ』です。




