第241話 試験の日。はっ?意味が分からねぇ、馬鹿じゃないの?
「お~い。お~い」
気持ちよく眠っていると、耳元で大きな声が聞こえた。
「・・・なんですか、先生」
微妙に起きて、声を返すと、
「復習しなくて良いのかい?」
と言ってきた。
(復習、復習、復習・・・・あっ、そうか、今日。あぁね。了解、了解)
心中で察した私は、
「今って何時ですか」
声を早くして問いかける。
多々、寝起きのせいで終わっている滑舌の所もあるが、たぶん先生なら大丈夫だろう。
なんたって、結構付き合ってる期間長いし。
「今?今は・・・5時半くらいだね」
先生は思い出すように、唸り声を上げながら教えてくれた。
「そうですか。分かりました。ありがとうございます」
お願いを聞いてくれたこと、教えてくれたことに対する御礼を言うと、
「どういたしまして。ところで勉強しなくて良いのかい」
先生は首をかしげながら言ってきた。
「・・・・ちょっとします」
私は先生に返した後に、ベッドから落ちるように立ち上がり、
「あぁ、ねむ」
小さく呟き、その辺にある椅子に適当に座り、ちょっと前に纏めた要点やら、重要な点が書いてあるメモ帳を取り出し、適当に読み続けた。
覚えている内容だったので、特になにも新しい気付きはなかったし、楽しくもなかった。
ただ精神的に安心感を得れるだけだった。
…………
っで、そんなこんなで時間が経ち、
「お嬢様。お着替えの時間です」
と冷たい声が聞こえてきた。
この声は屋敷に居るメイドさんの声だ。
「あっ、はい。分かりました」
私は彼女に返しながら、扉を開いた。
そして、入ってきたメイドさんに、学校の制服を着させられた。
そのあとは、家の料理より豪華で、不味い料理を食べた。
正直言って、こんな料理をまともに出せる人間の味覚、感性を疑わざる終えない。
何て言うか、味は殆どしないし、食感がキモいし、何か若干臭いし、見た目も成金趣味で私は好きではない。
こんなんだったら、タイヤのゴムを囓った方がマジだ。
不味い料理を食べたあとは、馬車に乗せられた。
乗せられる前に、
「エミリー頑張れ」
と今日このあと帰らないと、お仕事がヤバいらしいお父様は言い、頭を撫でてきた。
「勿論ですよ。安心してください」
私は彼にそう返した後、自分の体を馬車に投げるように乗った。
久しぶりに聞く煩い車輪の音が、自慢げに中に響いた。
本当に煩い。気分が悪くなりそうだ。イライラする。あぁ、吐きそうだ。
「はあぁ」
小さく溜息を漏らす。
最近、ていうかだいぶ前から、何故か憂鬱な気分になるし、イライラする。
生理なのかも知れない。はあ。
…………
馬車に揺られ数分間の後、馬車が段々と速度を落とし、完全に止まった。
(あぁ、やっと到着したか)
そう思っていると、馬車の扉が開き、今まで小さく聞こえていた、辺りの喧噪が馬車の中に入ってきた。
(あぁ、煩い。どうしてこんな煩くなるんだ?意味が分らない)
心中でそう思いながらも、御者のおじさんの手を取りながら、馬車から降りた。
本当は婚約者がいる身分として、誰かも分からない人の手を取るのは良くないかもだが、まあ、構わないだろう。
目の前には、陽光に照らされた、大きな石煉瓦の校舎があった。
(デカいな。前世でも似たようなの見たことあるな。イギリスとか、アメリカの有名な大学みたい)
心中でそう思いながらも、何処に行けば良いのか分からなかった私は、立ち往生をした。
(さて、どうした物かな)
心中で思いながらも、顎に手を付けていると、
「お嬢様、行きますよ」
何故かアースベルトの声がした。
(何でこの人がいるんだ。意味が分らない。どうして?)
何も知らない私は、そう思いながら、
「どうして貴方がいるんですか?」
と問いかけると、
「えっ、護衛兼従者の仕事をやれって、侯爵様に言われてるんですが」
彼は私が、知らなかったというのに驚いたように言ってきた。
しょうがないだろう。本当になにも知らないんだから。
「そうですか、分かりました。それでアースベルト。私は何処に行けば良いか分かりますか?」
彼に問いかけると、
「校舎の正面玄関です。行きますよ」
と返答をしてくれた。
「そうだったんですか。分かりました」
適当に返しながらも、
(正面玄関って何処だろう。人の流れに任せればいけるかな)
と思いながら、アースベルトを連れて、適当に人の流れに任せ歩いた。
そして、無事正面玄関に到着した。
正面玄関に入り、アースベルトが色々と何か、受付の人と話し、どっかに行き、私は講堂的な場所に通され、係員のお姉さんに言われた席に座った。
この時点で、結構な人が入っていた。
席の殆どが埋まっていた。
けれども、物音はするが、話し声はなく静かだった。
たぶん緊張しているのだろう。
…………
そんなこんなで時間が経ち、席が殆ど埋まり、用紙が配られ、試験官が
「始め」
と叫び、試験が始まりました。
(さ~て。さ~て)
心中で呟きながら、用紙と睨めっこし、適当に間違えながら問題を進めていった。
(簡単だな。まあ、何か全部、覚えたからだろうな。計算系も簡単だし、所詮はまあ、小中程度だな)
と思いながらも、適当に問題を進めていって、一つ分からない大問が現れた。
(なんだこれ?倫理の問題って馬鹿か?何でこれが最後の大問なんだよ。アホか?いや、まあ、前世の大学もこんなのあったには、あったけどさ。私、受けてないんだけど、分らんのやけど)
そう、何故か、知識・技能、思考・判断それらが一切、関係しないであろう問題があった。
(倫理、倫理。無理かも・・・ヤバいかもな。どの大問に点数が、割り振られてるか分からんし、この大問の配点大きかったら終わるぞ)
心中で呟き、今まで故意に間違ったところを急遽正答に変え、再度最後の倫理の大問に戻り、問題文を見た。
だが、まあ、結局分からなさそうだったので、適当に埋めることにした。
(この倫理って、まともな道徳性とか、モラルとかを見極める奴だよな。これ結構ヤバい感じかも。てか、人によって異なる物を出すなよ。馬鹿か?)
心中で呟き、問題文を見た。
問題文には、
『貴方は戦争後の講和会議に出席する政府代表です。戦時中に強姦、虐殺など人道に反する行いが行われました。貴方は、敵国加害者に対し、裁判、処置を求めるべきでしょうか?それとも和解、赦しを与えるべきでしょうか?その理由を述べなさい。また、人道に反する行いをした自国の兵士に対し、貴方は罰則を与えるべきでしょうか?その理由を述べなさい』
と書かれていた。
試験問題は、戦争関係の倫理問題です。
別に正解はないです。
お願い
以降学院編が本格的に進行していきます。
不適切な表現が多くなる可能性がある為、その際はご報告お願いいたします。
秘密ではありますが、題材が題材なので、エスカレートし過ぎてしまう可能性があります。お願いいたします。




