第239話 (第二部開始第1話) さぁ、帝都へ!時間はないぞ!!
はい。連載再開です。宜しくお願い致します。
本日は3話投稿です。明日も3話投稿です。明後日からは、1話投稿です。
まぁ、私は色々あって12歳になりました。
マナーも良い感じになって、歴史の勉強とか、計算の勉強とか、古文、国語、理科、戦略とか、何とかかんとかも良い感じに出来るようになりました。
武術は・・・・未だなお、お師匠様に、
『お前、ホント才能ないな』
って言われるくらいには。
才能は、まぁ、ないかも知れない。
前世から、殴り合ったり、斬り合ったりと暴力は苦手だったしね・・・あっ、それに体格もあるんだろうね・・・あっ、そういえばだけど、私の身長は140センチくらいで、聞く話によると同年代より小さいらしいよ。
ちな、お母様の身長は150センチ、お父様は170センチ、お師匠様は180センチくらいって感じだよ。
お母様もだいぶ小柄だよね。
遺伝かもね、おの低身長は・・・伸びて欲しいな。てか、伸びろ。伸びたら神様を信じてやる。前世も、今世も低身長なんて嫌だよ。悲しいよ。悲しすぎる。
・・・前世では、161センチくらいでした。
良く、チビって馬鹿にされました。友達に。あいつホントクズ。
「はぁ、嫌なこと思い出した。・・・きっと、きっと今世こそは、高身長になるんだ。最低でも169センチくらいには」
椅子から立ち上がり、声を出すと、
「君、何を言っているんだ。馬鹿じゃないのか」
女の子・・・そうですね・・・・使っていた仮名で呼びますか、アリスの姿をしたモンド先生は、私を馬鹿にするように言ってきた。
「・・・その姿でいるのは、やめて貰って良いですか。なんかキモいです」
私は再度、椅子に座りながら言うと、
「どうして?」
と分からないように、肩を上げた。
「だって、誰か入ってくるかも知れないでしょ」
「君の従者は、全員学校に居るだろ?」
「・・・お父様達が入るかもでしょ」
モンド先生の言うことを説明すると、ロナルド君、マリーちゃんは、私より1歳年上なのです。なので、昨年から、学院に通うために帝都に行きました。
なので私は去年より、基本従者は居ませんでした。
まあ、アースベルトが殆ど従者のようになっていた節はありますが・・・・
あっ、別にお父様達が付けてくれなかった、そんなわけではありませんよ。
「エミリー。従者は欲しいか?」
とお父様に直接聞かれたことはあります。
ですが、
「いりません」
私は即答したのです。
理由としては、いくつか存在します。
が、面倒臭いので省き、一つだけを説明すると、
『初めての人と話せるか分からない』
ってのが理由です。
何たって私、コミュ障陰キャなんですよ。精神の根っこの部分が。
「そうかい。そうかい」
私が色々考えていると、そう適当に返事をする声が聞こえ、先生は黒猫の姿に戻った。
「ありがとうございます。てか、先生、よくその姿で居ますけど、気に入ったんですか?」
「なわけない」
「えぇ、それじゃあ、どうして?」
「青髪が突然、押しかけるかもだろ」
「そうですか・・・アンリマさんを気にいっ」
「それ以上言ったら、許さないからね」
「認めたような物ではそれは」
私の返事を聞いた先生は、逃げ出した。何処かに。
「逃げ出さなくても・・・てか、逃げ出すって認めたような物じゃん」
小さく呟きながらも、机に溶けたように頭を降ろした。
(はぁ、この3年間、殆ど何もなかったな。このまま学校でも平和であって欲しいな)
心中で呟き、
「はぅ」
小さく欠伸をすると、
『コンコンコン』
と扉を叩く音と、
「エミリー。準備できたかい?」
優しく問いかける声があった。
「あっ、はい。出来ました。お父様」
私は優しい声に返しながら、
(まっ、準備すること何て一切ないんだけどね。強いているなら、着替えるくらいか?)
と思いながら、扉に近づき開いた。
「もう馬車の準備は、終わったよ。忘れ物はないかい」
彼は何故か、頭を撫でながら言ってきた。
「大丈夫です。勿論!」
自信満々に答えると、
「そうか、それなら行こうか」
彼は私の手を持ち、歩いて行った。
(あっ、先生。持って行ってない。てか、先生を持っていっても構わないのか?)
と呟きながら、私は立ち止まり、驚いているような表情をしているお父様に、
「あのぉ、お父様。その、猫は学院に持って行っても構わないでしょうか?」
申し訳なさそうに問いかけると、
「良いと思うけど・・・あっ、そういうことか」
彼は納得したように声を上げ、
「探してきなさい。僕はあの猫ちゃんには嫌われてるから。・・僕は玄関で待ってるよ」
と言いながら、去って行った。
「ありがとうございます。お父様」
私は彼の背中に言いながら、適当に居そうな場所を適当に走りながら回った。
ついでに言うと、今の私はドレスだ。
なんか、もうドレスでは走らねぇ、って言ったことがあったような気がするが、そんな事は関係ねぇ、今は多分、時間がないんだ。しょうが無いだろう。だって、待たせてるわけだし。
…………
えぇと、なんというか結局、すぐに見つけることは出来ませんでした。
っで、先生が何処にいたかというとですね。
先生は私の部屋にいました。
(あちゃぁ~。私の部屋だったか、盲点だった。灯台もと暗しってやつだ)
心中で呟きながらも、
「先生、行きますよ。籠の中で良いですか?」
と問いかけながら、彼に近づくと、
「あっ、そうかい。分かったよ」
微妙に考え詰めたような声を出してきた。
「どうかしたんですか?先生」
気になったので問いかけると、
「君って、学院の理事長って誰か知ってるかい?」
彼は問いで返してきた。
「確か、不老不死の大賢者様でしたっけ?」
記憶を頼りに言うと、
「うん。合ってる」
彼は申し訳なさそうに言い、
「僕、あの子に嫌われてるんだよねぇ」
と続けた。
「先生が、ガキと思ってるからじゃないですか?」
「その程度であの子が、嫌いになるわけがないだろ」
「それじゃあ、どうして嫌われてるんですか?」
「う~ん。それは言いたくないな・・・」
「本当に嫌われてるんですか?」
「うっ、うん。本当に嫌われてるよ」
「どうしてそう思うんですか?」
「僕、だいぶ前、20年くらい前に彼女に会ったんだよ。っで、会った瞬間に、魔法を撃ちまくられたんだよね。そこの土地が蒸発するくらいに」
先生はだいぶ、結構ヤバいことを言ってきた。
(待って、私、結構ヤバい神様と関係あるのでは)
と思いながらも、
「そっ、そうですか」
小さく返し、
「とっ、取り敢えず行きますよ」
先生を持ち、玄関に走って行くのだった。
第2、3話でお師匠様が、主人公にお父様が活躍した戦争を教える、的な事を言っているのを覚えている人もいるかもなので、余談。
「お師匠様!」
十歳になった私は、お師匠様の後ろ姿に声を掛けた。
「なんだ?」
彼は短く問いかける。
「お師匠様!お覚えですか?」
「何を?」
「お父様の戦った戦争を教えると言う話です」
「・・・あっ、・・何のことだ?」
「しらばっくれるのは許しませんよ」
彼は思案を始め、
「教えねぇよ!!」
と言いながら、走り去っていった。
私は、その姿を唖然と見つめるだけだった。
(速い。へえぇえぇ、足はや)
と思いながら。




