第227話 囮部隊
此処は読み飛ばしても良いです。
理由としては、戦闘描写がクソだからです。
いや、クソ以下だからです。先込め式の銃の描写が終わっています。
正直言ってこの内容は、終わってます。
「ロベルト、お前良かったのかよ。死ぬかもなんだぜ」
先程、アリスとイリナの両方に、声を掛けた際に一言も発することはなかった男に、マルコとが声を掛ける。
「そうだぞ。今からでも、行ってきたらどうだ。死んだら、終わりなんだぞ」
僕がマルコに賛同の声を上げると、
「死ぬつもりはないから良いんだよ。それに、俺は俺が死ぬ未来が、微塵も見えやしねぇ」
彼は顔に笑顔を浮かべながら言った。
「そういうこと言う奴から、僕は死ぬと思うけどねぇ」
「んな訳ねぇ。マルコ。お前だって見えねぇだろ、自分が死ぬ未来なんて」
「まぁ、見えないね。ていうか、誰かが死ぬ未来が見えない」
「はぁ、調子に乗りすぎるなよ。死んだら、僕は悲しいよ」
彼らの過剰な自信に、頭を抱えながら言うと、
「あぁ、勿論」
とマルコが返し、
「分ってるよ。俺は、調子に乗りすぎるような人間じゃないからな」
と信じられない嘘を、ロベルトが言ってきた。
「嘘つくなよ」
「ハハハ、面白い事を言うな、カシワギ。俺は正直者だぜ。なぁ、マルコ」
「君、ホント嘘好きだよね」
「おい、お前ら、酷くね」
「そうかもね。でも・・うん、まぁ、良いじゃ無いか。緊張はなくなるだろ。ふざけてた方が」
「それじゃあ、行きますか。準備できたか、お前ら」
僕がこう、開いた扉を見つめながら呟くと、
「どうだ。最後に演説でもしたらどうだ」
とロベルトに提案された。
「どうした物かな。マルコはどう思う。やった方が良いかな」
「やれば良いじゃない。カシワギ。君の悔いにならないようにやれば良いよ」
「あぁ、そうかい」
「ふぅ」
小さく呟き、志願をした人達に向かい、
「諸君!今まさに決戦が始まろうとしている!正義を成すための聖戦が!そこで、再度諸君に問おう。諸君は、何を選ぶ?日和見を選ぶか?それとも、正義を、名誉を選ぶか!」
と叫ぶと、
「名誉を選ぶ!」
や意味のない、叫び声が響いた。
「そうか」
小さく漏らし、大きく息を吸い込み叫んだ。
「・・正義は我らにあり!!正義を求める戦士達よ!!私に続け」
と。
そして僕は、走った。
まぁ、足が多少遅いせいか、後方にいた人々に抜かれ、相対的に後方に現在はいるが。
(足遅すぎ。短いせいか。歳だな。流石に、子供だったか、はぁ、もう。もうちょっと長い子供に産まれれば)
視界に映る景色は、めまぐるしく変わっていった。
そし、並んでいる薄暗い独房を超え、階段を駆け上り、外に出た。月光に照らされた廊下を、久しぶりの外だという嬉しさを抱きながら、少し走り、僕達は中庭の様な場所に出た。
(初めて来たな・・当然か・・・此処なら、注目を浴びれるか)
心中で、ふざけながらも、
「諸君!!暴れろ!!我らの使命は、敵を一人残らず打倒することだ!!」
と叫び、少し前に彼らに話した作戦を叫んだ。
「鉄砲隊は、警戒をし、敵を見つけたら、撃始めよ。近接部隊は、乱戦となるまで、鉄砲隊の防衛を」
・・この脱出作戦には、三個の段階がある。
まず、第一段。陽動部隊の攪乱と、潜伏部隊の脱出。
第二段。潜伏部隊の指示をしていた。外部協力者の脱出報告。
第三段。陽動部隊の脱出。もしくは、貴族の屋敷の制圧。
・・・・こんな、杜撰な作戦は、多分、順序通りに侵攻する事などないだろうし、失敗する可能性もある。だが、俺達には、まともな作戦を立てられる人間などいないのだ。僕を含めても。
『パンッ』
頭を回していると発砲音が響いた。
そして、それに続くように、何回も響いた。
「うっ、うわぁああ!」
と発砲音に合わせ、情けない叫び声も聞こえてきていた。
顔を上げ、戦場を見る。
鉄砲隊が放つ弾は、殆どが当たらず、明後日の方を穿っていた。
客観でも、主観でも、状況は芳しくなかった。
だが、まぁ、鉄砲隊の主目的は、成せているようだし、一部の弾は、敵を穿ち出血を強いている。決定打となり、絶命している人間は、いないだろうが。
(・・・命中率に難あり、それと争点に難あり、多分、ただの使用者の技量不足だな。訓練なんて積んでないし、・・不良品を掴まされた可能性もあるけど、まぁ、多分ないか。協力者も、鉄砲の威力や、優位性を知りたくて、知りたくて仕方がないから、渡してくれてるわけだろうし。・・・宗教団体さまさまだな)
「このまま発砲を続けよ。撃って、撃って、撃ちまくれ」
その指示に呼応するように、銃火が激しくなり、再度静寂が訪れた。
(先込め式の難点だな)
心中で呟きながら、夜の帳が降ろされ、月光と淡く光る蝋燭、それと度々、響く銃声と、輝く銃火に幻想的な印象を抱いていると、
「おいッ!カシワギ」
と叫ぶロベルトの声と共に、僕の身体は、押し倒され、一瞬、視界にローブの男と、青白い何かが写り、僕の身体は真っ赤に染まった。・・・だが、痛みはなかった。
「チッ」
舌打ちの音が、嫌に大きく響いた。
だが、そんな事は重要ではない。
「おい!おい、おいおい」
僕は叫び、体に穴が空き、倒れているロベルトの元に近づく。
だが、彼が僕に対し、返事を返すことはなかった。今後も、永遠にないのだ。
・・・油断していた。相手に人知を超えた者がいるとは、思ってもみなかった。
押し倒される際に見えた青白い物を、警戒しながら、ローブの男が元々居たところを見て叫んだ。
「ローブの男を見つけたら、それを最優先で殺せ!!奴は、人知を超えている」
と。
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