第222話 枷からの解放
ありがとうございます。ブックマーク52になり。総合が230になりました。
あと20で今の所の目標を達成できます。本当にありがとうございます。
もう少しこの編は続きます。
「どうも、こんにちは。自由解放軍最高司令官殿」
私は、案外すんなり入ることの出来たテントの中で呼びかけた。
すると、
「やぁ、アリス。・・・いつも通り、名前で呼んでくれよ」
こうやって返された。
(さて、どうした物か、色々怖いんだよなぁ、ため口とかで話すのは)
と思いながら、
「分りました。カシワギ司令官殿」
こう一応は、ちゃんと付けていった。
「そうか・・」
彼は、少しだけ悲しそうに見えた。
だが、彼の同胞達に何をされるか分らないので、私はこの呼び方を変えることはないだろう。
「・・・それで、何か用か」
カシワギが、私に問いかけた。
「あぁ、そうでした。忘れていました」
忘れていたわけではないが、そう言い、
「この奴隷紋を解除したいんですよ。どうすれば良いんです」
頭を少しだけ傾けて、鎖骨の辺りが見えるようにして言った。
「あぁ、それは・・・少し待ってくれ」
そう言い、彼は、テントの奥に引っ込んだ。
(もう直ぐだな。やっとこれで、私を縛ってた一番の要因が消える)
こう笑いが漏れそうになりながら呟き、
(・・・魔法は使わない方針で良いか。もし使えることがバレたら、ろくな事にならない)
と魔法が解放された後の事を考える。
そんなこんなで数分が経ち、
「よし、アリス。これだ」
と意味の分からない事を言いながら、剣を差し出してきた。
「どう言う事です」
こう返しながらも考える。
(抉れって事か。それとも、グチャグチャにしろって事か)
と。
まぁ、だが、
「それで、紋を少し切れ」
と予想は外れてしまった。
「少しってどれ位ですか」
具体的なことが分らないので問いかけると、
「薄皮くらいで構わない」
こう返答が返ってきた。
「そうですか、分りました」
彼に返しながらも、私は剣を見た。
豪華な剣ではなかった。だが、一つだけ飾りが付けられていた。
ガードの位置に、真円があり、それを刀身からグリップにまで貫くように一本の線が走っていた。
(これ何の模様だ。分らないな。見たことが無い。何かが簡略化された物だよな・・・似たような物は・・神話の挿絵で描かれてた。原罪のマークだっけ)
と装飾に思いながらも、自分の肌を切ることに若干の恐怖を抱き。
(ままよ)
心中で呟き、私はその少し長めの剣を鎖骨の上辺りに置き、滑らせた。
(地味にショートソードだよな。これ。って事は、切れないよな。だって、叩き切るための武器だもんな)
剣を肌の上で滑らせているときに思ったのだが、刃が当たっている部分には、金属の冷たさではなく、摩擦なのかよく分らないが、異常なほどの暑さを感じたため、切れていることが分った。
(凄いな、切れ味)
と思いながらも、
「痛」
こう小さく呟き、剣を肌の上から持ち上げ、放り捨てるように床に置いた。
「少し、切りすぎました。布とかありますか」
(鎖骨辺りって、ちゃんと切ったらヤバい血管多いから、怖いんだけど、何だっけ、上大静脈だっけ、怖いなぁ)
と思いながらも、目の前で見ていたカシワギに言うと、
「あっ、あぁ。大丈夫か」
こう言いながら、色々と探していた。
「多分、まぁ、大丈夫だと思います。けど、少し怖いので、貰って良いですか」
切り傷を押さえながら言うと、
「あっ、あぁ、分った」
彼は、そう言いながら、色々な物を出しては、投げて探していた。
(何で、こんな物があるんだ)
と気になりながらも、探して貰っているのだから、話しかけて迷惑を掛けないようにした。
そんなこんなで2分くらい。
「あった」
カシワギは、嬉しそうに呟き、
「はい、これで押さえろ」
と言いながら、私に白い布きれをくれた。
「ありがとうございます」
(何か、綺麗だな。なんでこんな物があるんだ)
と思いながらも御礼を言い、傷跡に当てる。
手には、案外血が付いていた。
深く切りすぎたのかも知れない。
だが、まぁ動脈を切っていないようだし、大丈夫だろう。
・・・破傷風とかは、怖いが。
布で傷口を押さえながら、
「・・・・どうして、こんな綺麗な布があるんですか」
(多分、例の協力者かな)
と思いながら問いかけると、
「過去の人間。レナードの遺産さ」
若干、しんみりしたような口調で言った。
「そうなんですか・・・それって、私に使っても良いんですか」
もう既に使ってしまい、私の血で染まっているため、遅い気もするが問いかけると、
「さぁ、どうだろうな」
彼は、分らないと言った様子だった。
「分らないんですか・・・」
(あんたの心情的な事だろうに)
と思いながらも言うと、
「使いたくないって気持ちは勿論ある。だけど、遺産であっても、布きれはただの布きれだ。それ以上でもそれ以下でもない。そんな物を使わずに取っておいても何時か陳腐化する」
彼は、そう言いながら、遠くを見つめているように見えた。
「・・・色々と、後悔してるんですか」
その様に見えたので、問いかけると、
「さぁ、どうだろうな。僕には、分らないさ。僕には」
若干大人びた様子を感じさせる声だった。
「そうですか、まぁ、何時か分かることですよ。きっと」
元気づけるつもりでそう言うと、
「あぁ、そうだな。それだと良いな」
彼はそう言い、更に遠くを見つめていた。
『第三帝国のろくでなし』名前をちょっと変えて出します。書き切っちゃいました。出さないと言ったのは、嘘になってしまいました。すいません。
改題後の名前は『ろくでなしの帝国』です。よろしくお願いします。




