第218話 情報の伝達
「いやぁ、暇だなぁ」
本当にマジで何もやることが無くなった私は、そう呟きながら、適当に足を動かして歩いていた。
(いやぁ、本当に暇)
今度は、心中で呟き、再度歩き続け、偶然発見したロベルトに、
「何をやっているんですか」
と声を掛けた。
「・・・カシワギに言われた、仕事だ」
彼は、少しだけ間を置き、返答を返した。
「へぇ、何やってるんですか」
暇つぶしをするために問いかけると、
「・・・・頼み事をしてるんだ」
また微妙に間を開けて返された。
(・・これは、警戒されてるのか。それとも、相手がただのコミュ障なのか、分りづらいな)
心中でそう呟きながらも、
「どんな頼み事をしてるんですか」
と問いかけると、
「三日後、カシワギのテントの前に集まってくれ。と頼んでる」
彼は、快く教えてくれた。
「三日後何をするんですか」
私が気になったので、彼に問いかけると、
「さぁな。教えられてない」
どうやら彼も知らないようだ。
(三日後って事は、事を起こす前日だよな。ていうか、地味に気になったんだけど、太陽光とか、時計とかもない此処で、どうやって三日後とか認識するんだ)
色々気になる事が出来た私は、
「あの、何個か質問宜しいですか」
と彼に問いかけると、
「あっ、あぁ」
何故か、恥ずかしそうに返された。
(何でや、この人のことが全然分らんのやけど)
と思いながらも、
「気になったのですが、此処には時計も陽光もありません。それで、どうやって三日後とかが分かるんですか」
何か、よく分らない、下手な言葉で問いかけると、
「・・・あぁ、此処では、食べ物が投げ入れられる時間があるんだ。その時間を境に日を分けてるんだ」
と彼は、回答をしてくれた。
(へぇ、そうだったんだ)
と思いながらも、
「それでは、三日後の後は、何をするか知っていますか」
もう一個気になった事を問いかけると、
「・・さぁ、俺には、知らされてない」
こう彼は言ってきた。
(これは、演技なのか。それとも、本当に知らされていないのか。どっちなんだろうな)
と思いながらも、彼と少しだけ会話を続けた後、
「お邪魔します」
こう声を掛けながら、カシワギのテントの中に入った。
「・・・やぁ」
彼は、少しだけ申し訳なさそうな声を返した。
(どうしてそんな声出すんだ)
疑問に思いながらも、
「貴方に聞きたいことがあったので、来ました」
と声を掛けると、
「なっ、なんだい」
彼は、私にそう返答を返してきた。
「事を起こす日のことを、ロベルトさんに知らせてないんですか」
こう本題を直ぐに、問いかけると、
「うん。まぁ」
歯切れ悪そうに返された。
「どうして私には伝えて、彼には伝えてなかったんですか」
本当に、何故か分らないので問いかけると、
「いや、何て言うか、あいつ結構、口軽いから」
と口元を掻きながら言った。
(えっ、そうだったの。・・まぁ、そんな感じはしたけど)
と思いながらも、
「それじゃあ、誰が知っているんですか」
このことを問いかけると、
「事を起こすのを知ってるのは、マルコと俺と、アリス。君だけだ」
彼は、直ぐに返答を返してきた。
(マルコとは分かるけど)
こう思いながら、私は、
「イリナさんも知らないんですか」
名前が挙がらなかった人の名前を出すと、
「あいつも口が軽いんだ」
再度口を掻きながら言った。
(私も口は軽いと思うんだけどな)
こう思い、
「それじゃあ、どうして私に話したのですか」
と問いかけると、
「・・・世の中。まともな人間よりも、可笑しな、狂人の方が信用できるんだよ」
彼は、私を侮辱したいのかそう言ってきた。
「私の事を狂人って言いたいんですか」
私が怒ったように、問いかけると、
「いやぁ、何て言うかね、尊敬する人に雰囲気が似てるから、そう思ったんだよ」
と返答を返された。
「尊敬する人って、誰ですか」
問いかけると、
「それは言えない。君は、知らなくても良いことだから」
こう冷たく返し、
「それで、他に何かあるのか」
と先程と同じ冷たい声で言った。
(もう無いんだよなぁ、それが)
本当に話題はないが、
(そうだ、あのこと聞いとこ)
と適当に話題を捻出し、
「じゃぁ、最後に聞いても良いですか」
こう問いかけるように言うと、
「答えれることなら」
彼は、私にそう返答をした。
「それでは、貴方が、ノラに対して行おうとしているのは復讐ですか」
と気になっていて、予想でしかなかったことを問いかけると、
「どうしてそう思ったんだ」
冷たい声で返答をされた。
「レナード。貴方の尊敬している人の名前って、それじゃないですか」
こう色々と聞いた情報を精査し、考えた事を言うと、
「・・・・それが、どうしたんだ」
だいぶ冷たく見られてしまった。
(いやぁ、怖いなぁ。てか、認めるんだ、もっと問答するもんだと思ってた)
こう思いながらも、
「別に、復讐に対して私は、特に何も言うつもりはありませんよ」
私の既に決めていた事を言うと、
「それならば、どうしてそんな事を問いかけたんだ」
彼は、微妙に怒っていた。
「あぁ、それはですね。もしかしたら、事を起こしたら、貴方が、死ぬかも知れないでしょう。それならば、事を起こす前に、貴方のノラに対する感情や、やろうしている行動。その答え合わせをしたいと思ったんですよ。私の予想があっているのか。とね」
こう話を出した理由を言うと、
「・・・あってるよ。その通りだ。復讐しようとしてる」
答えを言ってくれた。
何か、視線が『お前、可笑しいよ』と言っているように感じたが、気のせいだろうか。
(まぁ、いいや)
と思いながら、
「そうですか、私の予想は、当たりだったみたいですね」
こう嬉しくなり、返答を返し、
「あっ、あと、死なないで下さいよ」
と言い残し、テントを出て行った。
ROM専じゃない人の%調べました。
0.00953379731147%でした。
ROM専門の人多すぎませんか?




