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第215話 立場の破壊

ブックマーク50になりました。

して下さった方、していた下さった方、どちらもありがとうございます。

良ければ、★の方も欲しいですが、それは私の我が儘なので、しなくても構いません。

はい。最後に、私の予想。明日か、明後日、もしくは明明後日に絶対必にブックマーク49に戻ると思います。そんな気がします。私の案外当たる予想が、そう囁いています。

 色々あって、カシワギにノラの噂話を色々教えて貰った。

 多々濁されたような気もしたが、多分、まぁ、気のせいだろう。

 明確に悪意はなかったから、知る必要の無かったことだったのだろう。


 ・・・えぇと、まず、本題の噂話

『何故、貴族に協力をしているのか』

 の回答は、

『協力することで、貴族の侍女になれる』

 と思い込んでいるらしい。

 まぁ、噂話だから事実かどうかは知らないけど。


 えぇと、他にも沢山あったから、重要そうな物をあげると、

『彼女には、弟が居る。自分から貴族に服従してる。自分から奴隷になった。実は貴族の子供である』

 程度だろう。多分。

 他にも、多々あったけど、全部あげると面倒だし、これで構わないだろう。多分。


「・・・変な人ですね」

 一通り、カシワギから教えて貰った噂話を脳内で反芻し、感想を漏らすと、

「そうだろう、本当に変人だ。頭が可笑しいんだろうさ」

 直ぐに返答が返ってきた。


「本当にそうなんですかねぇ、弟が居るって噂が事実なら、それで脅されてるって可能性もあるわけでしょう」

 私が、

(決めつけるのは駄目だろう。視野が狭くなるから)

 と思いながらも発言をすると、

「まっ、そうだな」

 そう言った後に、

「でも、僕は『あいつが脅されていた被害者だ』なんて思いたくもないし、そんな事実があったとして、それを知りたくはないんだよ」

 と続けた。

 ・・・話している彼は、怒っているようで冷静で、目からは完全にハイライトが消えているように思えた。


「・・・・そうですか、差し支えなければなのですが。どんなことがあったのか。それを教えて頂けませんか」

 こう問いかけるように彼に声を掛けると、

「少し前に言ったような気がするが、君には絶対に教えないよ」

 と返答を返されてしまった。


「絶対ですか」

「うん、絶対だよ」

「絶対に、絶対に絶対ですか」

「うん、絶対に、絶対に絶対だよ」


「はぁ、もう分りましたよ」

 一切教えてくれなさそうな彼にそう声を漏らしながら、

(さて、どうやってノラを打倒するべきか)

 このことを考え始めた。


(・・彼女は、自らの可能性が高いわけだ。聞いた話によると。・・・その場合は、説得じゃ絶対に無理だし・・・さて、どうやったら潰せる。・・情報の欺瞞でいけるか。・・駄目だ、嘘が幼稚すぎると絶対に失敗して、面目を潰しかねない。・・・それじゃあどうするべきだ。どうすれば、潰せる。心理戦では勝てる気がしない────)


(────────それじゃあ、いっそのこと、彼女の立場に取って代わる存在を味方に作ったら良いじゃ無いか)

 私に妙案が浮かんだ気がした。


「あの、カシワギさん」

 作戦が思い付いた私は、早速彼に声を掛けた。

「なに」

 何故か、喜怒哀楽の大体が混じってそうな声で返事をされた。


(変なの)

 と思いながらも、

「それではなのですが、彼女(ノラ)の立場を取って代わる存在。・・・何て言うのか分りませんが、そうですね、こっちの味方を裏切り者の体裁を持たせて、貴族連中に近づかせ、そして彼女の立場を奪うのはどうですか」

 先程考えた案を出す。


 すると、

「気心が知れてて、忠誠心があり、尚且つ全員に学があればそれも良かったかも知れない」

 多分、否定の意を持たせた発言をしてきた。


(そうか・・・辛いな。『仲間意識、忠誠心、学』か。流石に時間が足りなさすぎるな。あと、五日か六日くらいだろ確か・・・短すぎるな。こんなんじゃ、何もできっこない)

 此処まで考え、

(もしかして、この男。わざと時間を短くして、『彼女を殺す』以外の対策を取らせずらくしてるのか)

 そんな気がしたが、

(この感情は良くないな。一応は、協力関係だ。協力関係に不審とか、不信とか色々抱いたら、それは実質、崩壊と言っても・・過言ではあるか)

 と思い、先程考えた案を、思考の奥底に押し込んだ。


「そうですか・・・それじゃあ、無理じゃないですか。彼女の地位だけを破壊するのは」

 色々頭を回しながら発言をすると、

「そうだね」

 若干、彼の口角が上がったように見えた。


(どうすれば良い。最善の選択肢は)

 必死に頭を回した結果、結構良い感じの案が浮かんできた気がした。

「あの、別の案思い付きました」

 と声を出す。

「なに」

 若干の呆れの感情を感じながらも声を出した。


「彼女の『密告者』としての立場を最初に破壊するよりも『協同体』としての立場を破壊するなんてどうでしょうか」

(地味にこれを思い付かなかったなんて、結構視野が狭まってたな)

 と思いながらも、発言をすると、

「どういうことだい」

 彼は、ちょっぴり感情を変化させた。

 その感情は、多分、ちょっとした怒りだった思う。


「彼女の立場は、協同体内では、結構上ですよね」

 確認を取ると、

「あぁ、うん。まぁ」

 曖昧な返事をしてきた。


(答えたくないのか)

 疑問に思いながらも、

「貴族様方は、彼女の立場。多分、影響力もあるのでしょう。その立場も利用価値として見てるわけですから、その利用価値を貶めるのなんてどうでしょう」

 彼女の『影響力』をよく知らないが、予想を混ぜながら話すと、

「具体的には」

 殆どの感情が見えない声で返事をされるのだった。

今まで主人公は、『密告者』の立場を破壊し、介入がし辛くして、『協同体』を立場ごとぶっ壊そうと考えていましたが、この話で『共同体』を壊した後、『密告者』としての価値を弱めたところで、どうにかして壊そうと考えています。

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