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第214話 作戦の立案

 イレーネと沢山話した後、

「あの、イレーネさん。その、離して貰えませんか」

 と言い、抱擁を外して貰い、ああだこうだと理由を付け、何故か遠くに行こうとする彼女を引き離し、現在、私は、カシワギのテントの前に来ていた。


「ふぅい、疲れた」

 小さく声を漏らしながらも、テントの中に入ると、

「どうだった。裏切り者を()る方法は、思い付いたか」

 こう問いかけられた。


(あぁ、そう言えばそんなつもりだったな、全然、考えてなかった。てか、彼女についての情報何にも集められてないな。皆無じゃん)

 と思いながらも、適当に頭を回し、考えついたので、

「・・・えぇ、まぁ、思い付けました。あっ、あと協力してくれそうな人も見つけました。」

 こう彼に返答を返し、

「その、あの、別に殺しはしませんよ」

 物騒な発言の訂正をするように言う。


「そう、でも、もしかしたらがあるだろう」

「そんなに殺したいんですか」

「・・・さぁ」

「それって、実質答えを言っているような物では」

「・・世の中、許されない事ってのは存在するんだよ」


(どういうこった)

 彼の意味の分らない返答に思いつつも、

(これ以上突っ込んだら、面倒くさいことになるな。多分)

 面倒くさくなってしまったので、

「そうですか」

 短く彼に返す。


「そう。あるんだよ」

 彼は、そこまで言ったところで、

「まっ、君には教えることはないけどね」

 微妙にウザさを感じる口調で言ってきた。


(何か、うぜぇ)

 と思いながらも、反応を示すことはせず、

「さいですか」

 適当に返事を返すと、

「それで君は、どういった作戦を思い付いたんだ」

 と問いかけられた。


(うえぇ、それ聞く。マジで。はぁ、まぁ、教えるけどさ。馬鹿にしないでよ)

 心中で呟きながらも、

「彼女の『協同体』における地位は、貴方達がどうにかしてください。多分、個々人では、壊し尽くすことは出来ません」

 まず一個目の目標について言うと、

「協同体。・・まぁ、協同体か」

 彼は、小さく返した。


「彼女の『密告者』としての地位は、彼女に嘘でも与えれば自爆するのではないでしょうか」

 適当に考えた案を話すと、

「馬鹿にしてる」

 問いかけられてしまった。


(心外な)

 と思いながらも、

「馬鹿にしてはいませんよ。本気ですよ」

 返答を返すと、

「・・・アリス。君は、僕達の事を馬鹿だと思ってるのか。そんな情報戦の基本中の基本みたいなことが出来ないと思ってるのか」

 捲し立てるように言われた。


「いやっ、別にそう思っているわけではないです。はい。その、ごめんなさい」

 私は、ちょっと怖くなったので謝ることにした。

(う~ん、それじゃあ、別の案。どうしようかな。・・・あっ、そうだ)

 別の案を適当に考えつくことが出来た。


「それじゃあですね。あれ、彼女に対するプロパガンダを流したり、蜂起の偽情報を与えたらどうですか」

「・・・どっちもやった事あるさ」


(えぇ、マジかよ)

 と思いながらも、

「具体的にどうやったのか教えて貰って良いですか」

 こう問いかけると、

「プロパガンダは、奴の陣営とこっちの両方で、嘘も含めて色々流した。結果としては、鎮火された。更に流そうとしたら、手痛い反撃を受けた。っで、事を起こすって情報も演説までやって流したんだが、まぁ、見抜かれていたのか、無視されてこっちの面目とか、信用とかを少し潰された」

 彼は、どっちも教えてくれた。


(そうか・・演説まで行ったんだ。スゲーな)

 こう心中で呟くながらも、

「そうですね・・それじゃあ、今回は、計画概要まで立てて、彼女の協同体を潰して、どちらにも属してないあの方達も持っていったらどうです」

 少し頭を回しながら言うと、

「それって見抜かれたら、こっちの面目が丸潰れになるだけじゃない」

 怪訝な表情で返された。


(・・確かに、見抜かれたらそうだよな)

 私は、そう思いながらも、

「そうですね。確かに」


(何か、楽しくなってきたな)

 と思いながらも、

(バレずに彼女に完全に信じ込ませることが出来る。そんな欺瞞作戦ないかな)

 こう頭を必死に回した。


「そうですね..」

 まぁ、声は出したのだが、特に何も考えていなかった私は、後悔しながらも、

「いっそのこと、反乱を起こしちゃって彼女も巻き込めば良いんじゃ無いですか」

 と適当に思い付いた案を話すと、

「それも出来るかもだけど、色々危ないだろう。彼女に何時、裏切られるのかが分らない」

 反対の案を出されてしまった。


(まぁ、確かにそうだけど・・)

「それじゃあ、他に何か手段はないのですか」

「あるかも知れないけど。僕は、思い付かないね。だから君に考えさせてるんだし」


(えぇ、カシワギも思い付いてないのかよ)

 と思いながらも、頭を回し続けた。

「・・そうですね。・・・気になったのですが、彼女はどうして私達を買った人に協力してるのですかね」

 こう気になった事を問いかける。


 すると、

「彼女が協力してる理由ね。噂でも良いかな。あいつは口が硬いようでね、誰にも話してないみたいなんだ」

 カシワギが私に対して言ってきた。


(口硬いのか。情報探るの無意味になるかもな)

 と思いながらも、

「それでも構わないので、教えて頂けませんか」

 私が言うと、

「分った、それじゃあ。・・そうだな、ついでだし、調べて貰った情報。アリスに全部教えるか」

 彼は、呟くように私に言い、

「確か彼女は────────」

 話を始めるのだった。

カシワギの『協同体。・・まぁ、協同体か』について。

一応、協同体って名称で呼んでるのは、主人公だけだったはずなので。

カシワギは、初めて聞く名称に色々考えていました。

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