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第196話 キモい、本当にキモいんだけど

 何やかんやあり、足枷とか、手枷とか、口枷とか、首枷とかを付けられてしまった私は、

(さて、もう暴れるは、やめるか、ただ疲れるだけだもんな)

 こう思いながら、先程まで、一心不乱のように動かしていた四肢を止めて、

(本当に、どうして、私は拘束されたんだ、まぁ、暴れたせいだろうけど)

 と自己解決しながら、牢屋の外を見つめていると、先程までも、鼻を取りたいと感じるほどの臭いだった香水とも、化粧ともとれる臭いが、更に強くなった。


(あぁあぁ、くっっっっせぇぇええぇ、うえぇえぇぇ、おえぇえぇ)

 心の中で、そう喚くように呟きながら、

「ごっうぇぇ、うぇえ」

 布が突っ込まれ、更に口枷も付けられてしまっているせいで、更に気持ち悪くなり、そんな呻き声が漏れた。


(ヤバい、何か、マジで、吐きそう、ご飯をちゃんと食べてないから、多分、胃液しか出ないよな・・・嫌なんだけど)

 臭いと布による吐き気を耐えながら、少しだけ身もだえをしていると、

『ドタドタドタ』

 といった煩い、不潔男とは違う、更に重い、足音が聞こえてきた。


(何だ、初めて聞く足音だな、不潔男とは、歩調が全然違う)

 私はそう思いながら、警戒心を高め、例の索敵魔法を、発動させ、この牢屋が並んだ廊下に近づいてきている人物を確認した。


(分りづらい、まぁ、そりゃあ、そうか・・・・シルエットしか分らんけど、何かケバケバしてるな、あと太ってるな)

 私はそう思いながら、注意深く動向を確認した、すると、

(あれ、こいつも誰だ)

 またもや初めて見る人間が現れ、もう片方の耳に口を近づけた。

 確証はないのだが、何かを耳打ちをしたのだろう。


(誰だ、あいつ・・・・嫌な予感がする・・・何か、変なローブ着てるし、何だあれ・・・杖か・・・・ヤバい、魔法切らないと)

 私は、あれが魔法使いの可能性が存在したため、魔力を探知されるかのを危惧し、探知魔法を切った。


(大丈夫か・・・絶対大丈夫じゃないよな・・何か、耳打ちしてたもんなぁ・・どうやって、言い逃れをした物か、もしもの時は、どうやって対抗して、逃げようか・・・ケバケバしい奴を人質にとって脅しながら、後退し逃げるか)

 と適当に計画を決めておいた。多分、人質を攻撃するようなことをしないだろうと思ったからだ。


(さて、さて、何か、更に臭くなってきたな)

 私が鼻がねじれ曲がりそうな臭いに思っていると、

『ギィー』

 っと扉が開く音が聞こえ、少し歩く音が聞こえた後、

「あら、何て汚らわしい子なの、こんなの要らないわ」

 多分、私が仲良くなろうとしている例の女の子に対してに言う声が聞こえてきた。


(はあぁぁあ、てめええぇ、ふざけたこと言うんじゃねぇえぞ、このクソ野郎、私が手塩に掛けてる女の子にそんな事いうんじゃねぇえよ、殴るか、蹴ってやるぞ)

 私は心中で、大きく叫びながら、殺意を高めていると、更に、臭いが強くなり、

「あら、この子は良いじゃない」

 気持ちの悪い、視線、声、臭いが私に降りかかってきた。


(いや、キモい、気持ち悪すぎる)

 こう思いながら、私に振りかけてきた奴を見ると、汚らわしくぶくぶくと太った、高そうな宝石と、服を着た女、その後ろに、ガリガリの気持ち悪い、色白い、気持ちの悪い、吐き気のする視線をした男が立っていた。


(・・・・えっ、何、何か、キモいんだけど、視線とか、その他色々)

 私はそう思いながら、女を見つめていると、

「おい、お前、扉を開けなさい、あの子の顔をちゃんと見たいわ」

 不潔男にそう傲慢、無遠慮、不遜な態度で言った。


(お前、多分、こいつの顧客だよな、それなのにその態度って・・お前、自分のことを神様だとでも勘違いしてるのか、客は別に神様じゃないぞ、ただの人間だぞ)

 私がそう思っていると、

「分かり、ました」

 少しだけ、嫌そうな声を出しながら、不潔男は私の牢屋を開いた。


(あの野郎にも、嫌な物はあるんだな)

 私がそう思いながらも、少しだけ、身体を動かし、逃げようとしたところ、女に追いつかれ、顎を掴むようにして頭を持ち上げられ、顔を覗き込まれた。


(うわぁあぁあ、何、やめて、話せ、ゆっくりとおろせ)

 こう心の中で叫びながら、

「うぅ、うぅ」

 唸り声を上げながら、睨み付けると、

「この子、生娘かしら」

 と不潔な男に問いかけた。


(うっわ、キモいキモい、そんなのまぁ、商品価値としては重要だろうけど、聞くなよ、きっっもい)

 私が女にそう思っていると、

「その歳の女なら、余程のことがなければ」

 不潔な男はそう言った。


「良いわ、良いわこの子、買うわ」

 返答を聞いた女は嬉々とした表情で、そう叫ぶように不潔な男に言い、

「いくらかしら、ねぇ、お前、いくらなら出せるかしら」

 多分、最初は不潔な男、後ろはガリガリ男に言ったのだろう。


「金貨2枚と銀貨6枚ほどの値となっております」

 不潔な男はゴマをするようにそう言うと、

「それなら、買ったわ、連れ帰っても構わないかしら」

 女は更に嬉しそうな表情になって言った。


 その頃、私は、

(金貨2枚と銀貨6枚だろ・・どれ位の値だっけな)

 本で見た値段相場を思い出し、

(あぁあぁ、2600万か、・・・高くね、いやいや、馬鹿だろ、奴隷だろ、奴隷なら、それ程までの値段を出す必要あるのか、しかも、こんな小娘に)

 こう思いながら、値段に戦々恐々としていると

「すいません、これにはまだ、奴隷の紋を付けてない物でして、あと2、3日後には必ず、お届け致します」

 不潔な男は如何にも申し訳ないと言った様子で言うのだった。

生娘かどうかの質問の際に、男が「その歳の女なら、余程のことがなければ」と発言した理由。

えぇと、気になる方は『確認したのか』これが非常に気になっていると思います。

結論から言うと、確認はしていません。


確認して、もし違った場合は、商品価値が落ちてしまいます。

それでは、確認せずに予測を言った方が、嘘は吐いていないので良いよね。

この理論です。男が言った理由は。

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