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第191話 煽り、それと恐怖、夢

 先程、私を攫ってきた人間に殴られてしまった私は、

(痛ぇ、これは、普通に痛えは)

 こう心中で思いながらも、私を殴った男を睨んだ。


「あ゛ぁ゛、てめぇ、何様のつもりだ」

 奴は更に怒ったような声を上げ、今度は私の腹を殴って来た。

「クッ・・ソ野郎」

 私の口からは殴られてしまったために出た声に続けるように暴言が勝手に漏れ出てしまった。


(あぁ、あぁ、思ってたことが出ちまったよ)

 こう思いながらも、男を睨み続けていると、

「お前、舐めんじゃねぇ」

 怒鳴る声と共に、本気の、ガチで私を殺そうとしているのか、男は顔をもう一度殴り、倒れた私に奴は馬乗りになり、更にもう一度殴り・・・と何度も私は殴られた。


「はぁっ、はぁっ、次はこの程度じゃすまねぇからな、なめた口をきくんじゃねぇぞ、クソガキ」

 奴は私に馬乗りになった姿勢をやめ、去りながらそう言ってきた。


(痛い、はぁ、痛い、気絶しそう)

 こう思いながらも、

「あはははぁ、知らねぇよ、ゴミ野郎」

 汚い男へ大きく言葉を漏らした後、私の意識は闇の中に堕ちていった。

 ___________

(怖い、怖い、怖い)

 少女は聞こえてくる、『ドン』や『ドゴッ』と蹴る音、殴る音に恐怖を抱きながら部屋の片隅で小さく丸まっていた。


(怖い、怖い、次はきっと私だ、私が殴られる)

 数分後、殴られて居るであろう少女の声が聞こえなくなり、鈍い音が響き渡って居る中でこう思い始め、更に身体を震わし、

「助けて、お父様、お母様」

 此処に連れてこられて何度漏らしたのか分らない言葉を漏らした。


 ただ鈍い音が響き渡り続け、その度にその音に恐怖が大きくなっていくのを感じていると、

『次はこの程度じゃすまねぇからな─────』

 未だに沢山の怒気と殺意を孕んだ声が響き渡って耳に入ってきた。


(殴られる、きっと何時もより沢山・・・・助けて、助けて、お父様、お母様)

 強く、懇願の声を心中で漏らし、更に大きく身体を震わせると、

『アハハハ』

 嘲笑うような大きな笑い声が聞こえてきた。


(助けて、お父様、お母様)

 笑い声にも恐怖の感情を抱き、頬を涙が伝っているのが分った。


『知らねぇよ─────』

 大きな声で泣き出しそうになるのを、殴られてしまうのが怖く必死に耐えているとその声が辺りに響き、

『このクソガキ、ぶっ殺してやる』

 怒鳴り声が私の耳に入り込み、先程よりも強く殴る音が聞こえてくるのだった。

 ___________

「あぁ、あの汚い人攫い本当に気持ちが悪いなぁ」

 私は、少し前に見たことのある夢と大体、同じ景色を見ていた。

 どの夢かというと、砂浜に居る夢だ。


「流石に酷くないかなぁ、子供の顔とか色々な所を全力で殴るなんて、頭可笑しいよ・・・・君もそう思うだろう」

 少し前に見た夢には居なかった、私以外の人物にこう声を掛けると、

『さぁ』

 と言った様子で肩を竦められてしまった。


(・・・・そう言えば、コイツ何なんだろうな、特に何も気にせずに話しかけちゃったけど)

 こう思いながらも、辛うじて人型だと認識をすることが出来る存在に対し、

「気になっんだけど、君って一体何なの」

 気になった事を直接問いかけた。

 考えたとしても思い付きそうに無かったからだ。


『・・・・・』

 何にも反応をしてくれなかった。

「教えてくださいよ、良いじゃ無いですか」

 私がそう迫るように問いかけると、

『嫌だ、教えない』

 と言った様子で頭を横に振られてしまった。


「えぇ、どうしてですか、教えてくれても良いじゃ無いですか・・・貴方は何さんと呼べば良いんですか」

 先生と同じノリで問いかけようとしたところ、何と呼べば良いのか分らず、そう問いかけると、

『貴方が決めて』

 こう言った様子で私の事を見てきた。


「いやいや、何で、私が決めるんですか、貴方にはそう言った呼び名無いんですか」

 こう、私の独特なセンスで名付けるのは何か、可哀想に感じたためにこう言うと、

『貴方に決めて欲しい』

 のような動きをしてきた。


「えぇ、本当に、私が決めて良いんですか、良い名前じゃ無いかも知れないですよ」

 私が問いかけるように聞くと、頭を縦に振りながら、

『お願い』

 といっているようなジェスチャーをした。


「わっ、分りましたよ」

 そんなこんなで、考えることになってしまった私は、

(・・・何か良い感じに明るくて希望がある名前を考えないと・・・あぁ、良い名前、思い付いたわ)

 案外、直ぐに思い付くことが出来て、

「アーシャなんて名前どうかな」

 こう問いかけると、

『良いよ、凄く良い』

 っていった感じに顔を立てにブンブンと振った。


「あの、それ、大丈夫、首痛めるよ」

 私が心配をして問いかけると、

『大丈夫、大丈夫、問題なし』

 と言った様子で、私にそれを表すジェスチャーをしてきた。


「そうなんだ・・・でも、もしかしたらあるかも知れないから、やめようね、ね」

 私がどうしても心配を抱いてしまったのでこう言うと、

『分った』

 と返事をするようにアーシャは顔を振るのをやめた。


「あっ、そう言えば、気になった事を聞いても良いかな」

 私は何か、起きそうな予感がしてきたためにこう問いかけると、

『何でも聞いて』

 と言った様子で私の事をじっと見つめてきた。


「ありがと、それじゃあ、聞くけど、此処には君しかいないの」

 私は不思議と他にも誰かが、私を観察しているような気がしたために問いかけると、

『・・・・知る必要は無い』

 こう言うかのようにそれは私にジェスチャーをしてくるのだった。

主人公が

『他に誰か居ないのか』

これを問いかけたのは何故でしょうね?

皆さんは、分りますかね。考えてみてください。

ヒントは分ったら楽しくないと思うのでありませんよ。秘密です。

まぁ、追記しますけど、全く考える必要ないよ。

おふざけで入れた伏線やら、前振りやらを覚えている変な方のみ考えれば良いと思います。

地味な話、誰も答え当てられると思ってないですしね。

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